チートイツは僕に自由を教えてくれる
僕は麻雀が好きだ。
しかし、ずば抜けた実力を持っているわけではないし、麻雀戦術について発信してくれている方はたくさんいる。
なので、ひとまず麻雀から学んだことや対局中に感じたことをつらつらと書き綴ってみようと思う。
麻雀を楽しむ中で勝ちを目指すだけでなく、思考や心を育んでいきたいという方に届けば幸いである。
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さて第一回、何を書こうかと考えたところ、真っ先に浮かんできたのは大好きな役であるチートイツのことだった。
僕は対局中、常にチートイツのことを意識しており、それは0トイツのときも変わらない。
トイツが増えると無性に気分が昂り、ワクワクしてくる。
僕がなぜチートイツを愛しているかというと、世のしがらみから解き放たれるような自由を感じ、自然に還るかのような感覚を覚えるからである。
たとえば、まっすぐリーチを目指しているときに345から4を切ることはまずないだろう。
だが、チートイツを志したその瞬間からその常識は崩れ去り、345から4を切ることは自然な選択に変化する。
牌効率という「常識」によってそれまでありえなかった選択肢が、突如としてありえる選択肢となるその瞬間に、不思議な魅力を感じるのである。
常識や効率といったしがらみから解き放たれ、自分が磨いてきた直感や嗅覚をもってして、真に牌と一対一の対話ができる。そんな感覚だ。
野生の勘と呼ばれるような感覚を必死に働かせ、重ねたい牌の所在を探る。
この時間はまさに至福の時間であり、麻雀というゲームを通じて、日常生活では感じることのできない自然への回帰を体感できる瞬間なのである。
そんな自由や自然を感じさせてくれるチートイツが大好きだし、これからも型にはまらない異色の役として輝き続けてほしい。
そんな僕は今日も河でトイツを作りつつ、自分の未熟さを痛感するばかりである。
ああ、やっぱり麻雀っておもしろいなあ。