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吾輩は猫になる②短編小説@おさつまいもの化身

緑色の目。茶色と黒のまだら模様の毛。
俺の眼前にいる
・・・というか、鏡に写った俺は、猫だった。
転生系w?
いやいや、ありえんだろ。だってここ、俺の部屋だし。
「ほら、ケイスケ。早く起きなさい?」
母さん・・タイミング悪すぎだって。
なんで今起こしにくんだよ。
「中学初日でしょ?初日から遅刻とか印象悪いよ。」
近づいてくる、母さんの足音。俺は必死に机の下に隠れる。
ガチャ
「ケイスケ?・・・もう、机の下に隠れるって、幼稚園生みたいなことやめなさい。ほら、ご飯できてるよ。」
「・・・え。」
日本語は、喋れるみたいだ。ってそれより。
「母さん、おれ、今どうなってる?」
「何を言っているの?パジャマで机にしたに隠れてるじゃない。」
母さんには、いや、それだけじゃない。
俺以外の人には、俺は人に見えるらしい。
学校とか、本当に大変だった。
椅子に座れないんだけど、はたから見れば椅子の前で足踏みしてるだけの変人、とか給食のときは「体調悪くて・・ごめん。」っていって変わってもらった。でも、これが毎日続くとは思えない・・・。
これからどうすればいいんだ・・・・っていうか、もどれない前提で考えてるけど、まずはどうやったら戻れるか考えないと!
俺は布団に潜りこみ、一生懸命考えた。
頭は、よく働いた。猫は夜間動物だからだろうか。
俺が猫になった理由・・
昨日の朝起きたときは、ヒトだった。
それから布団を畳んで、学校の用意して、ネコになった。
それなら、学校の用意を崩して(?)布団を開けばいいんじゃないか!
俺は布団を畳んで、学校の用意をした。そして、
「ヒトに戻れますように!」
そう、手を叩いて学校の用意を崩し、布団を開いた。
シュッギュルルル
異様な音がして、俺は体が大きくなるのを感じる。
「やった!」
そう呟くと同時に、様々な記憶が蘇ってきた。
草原でひたすら歩いたり、寝たりしていること。
仲間と一緒に街を探索したこと。
みんなで水たまりに入ってじゃれ合ったこと。
そして、不思議な勾玉に触ってヒトになったこと。
そうか
俺は、猫に戻りたかった、ヒトになってしまった、
「猫だったんだ・・・。」
俺の体は、ヒトになってしまっていた。

おわり

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