Microsoft公式ライセンス品Xbox360復刻コントローラー『Xenon』を頂いた!
名機にして神器!
『Xbox360コントローラー』とは?
時は遡ること約19年前。2005年12月。Microsoftより日本で『Xbox360』が発売された。ソレの付属コントローラーである。
手が小さい人も、そして大きい人も程よい感覚で握ることができる万人受けする(筆者調べ)形状。スティック位置の左右非対称という見た目ながらも想像以上に各指がアクセスしやすいボタン配置……そしてちょっとお洒落なデザイン(筆者の主観による)。
有線接続方式の物と、背面の乾電池パック(単3電池2本)を動力にした無線接続方式の2種類があった(電池交換の時はみんなダブルバレルショットガンのリロードみたいにやったよね!? え? Xbox360を持ってなかった?)。
本筋ではないので事細かな説明は割愛するが、無印Xboxコントローラーよりも洗練されたデザインであったこのコントローラーは当時のPCゲー需要の高まりと共に長いこと親しまれ続けた……まさに名機なのである。
そして『Xenon』とは何か?
時は大きく戻って2023年。夏。
Xboxにも次世代機が出たり、PS5が転売ヤーに食い散らかされたり、任天堂がバカ売れハードを出したりと相変わらずゲーム業界は切磋琢磨を繰り返し、いつしか主戦場はワールドワイドへと移り、企業戦争は更なるステージへと突入。戦いは熾烈を極めていた……は置いといて。
海外のゲームガジェットメーカーであるHYPERKIN社がMicrosoftから公式ライセンスを頂き(ぶっちゃけ制作に至った経緯は全く知らないが)19年前の名機にして神器。かの聖遺物を現代に再現せんとし作り上げ御披露目したのが今日の主役ことXbox360リメイクモデルコントローラー
―――『Xenon』なのである!!!
友人から頂きました
そう。この度は友人から頂いたのである。神器『Xenon』を……。
この場を借りて、改めてありがとうございます!!!
理由は「俺は意外と使わなかった」からだそうだ(メインがキーマウの為)。ただし譲渡する条件として、どんな形でも良いからレビューを書けとのことであった。なのでアカウントだけ作り放置していたココnoteに投稿する事にした。Twitter(現X)でもいいかなぁと考えたが文章量を考えた結果こうなったのである。
という訳で下記の項目からはXbox360コントローラー
オリジナルモデル(以下、360版)
リメイク版モデル(以下、復刻版)
を、それぞれ見比べつつの比較レビューというのか、私的な感想を書き連ねていこうと思う。
ちなみに360版は筆者の押入の奥底で10年近く眠っていたものがあるので急遽ひっ張り出した。起きろ360……仕事の時間だ。
両コントローラーの比較。
まずは外見
なんだこれは……サイズ感が完璧なまでに復刻されているじゃあないか。流石は公式ライセンス品と言ったところか。たいへん素晴らしい……見惚れてしまいそうだ……一応サイズも測っておく。
うん(満遍の笑み)。
Sony-DS4(今回は言及しないが神器コントローラーの1つでPlayStation4に付属している)と違ってなんかこう……ワクワクする見た目をしているような気がする。今から俺はゲームで遊ぶんだぞ!って雰囲気(オーラ)を纏っている。そんな見た目だ。
ただこうやって並べると俺の12年くらい前からある360版の方は黄ばみが際立ってしまうな。悲しいけどこの変色は白色系プラスチック製品の宿命なのだ。復刻版……お前もそうなるんだよ。
ABXYボタン & ホームボタン
では細かい仕様はどうだろう。ABXYボタンを見てみよう。
360版はツヤ消し加工が施されており、対して復刻版はツルツルだ。特にこれといって操作に支障は無いのでボタンに関しては好みの問題だろうか。個人的には見栄えの問題でボタン"だけ"はツルツルで良いと思う。
ボタンの押し心地はあまり違いが無いように思える。多少だが復刻版の方がクリック感が強くてちょっとやそっとじゃあ壊れなさそうな安心感があるといったところ。といっても360版は10年以上も前の代物なのでここは比較するのは酷だろう。
続いてホームボタンも見てみる。
ボタンに関しては全体的に大きな違いはない印象だ。少なくともゲームをプレイする上で問題になる点は一切なかった。
う〜ん……それにしても綺麗だ……見惚れてしまいそうだ……。
スティック
上でも書いた事だが左右非対称タイプのスティック配置だ。しかし何で海外はこれが主流になったんだろうか。これはこれで考証したら楽しそうではある。
さて360版から
汚なっっっ!!!
もう絶望的に汚い。撮影前に掃除はしたのだがそれでも隠し切れないこの汚さ。年季物ですのでお許しください。
スティック表面はシリコンのようなもので覆われているため指へのハマり方はとても良い。あと根っこのプラスチックがやたら固いので所謂「スティックの根本が削れる問題」はDS4よりも深刻ではない。
流石はアメリカ製。
続いて復刻版。
いやぁやはり新品同様なので綺麗です。
ただ表面はシリコン的な物で覆われておらず、スティックを上部の柔らかいプラスチックと、下部の硬いプラスチックで分けて形成しているようだ。シリコン的な何かには劣るものの頑丈だ。ただしツヤ消し処理されているものの材質的に指が滑ってしまうのでスティックの指ハマりは良くない。これは古のオプショングッズが必須かもしれないな。究極、自作するかもしれないし、360版からの移植も検討。
まぁ駿河屋でも漁ってこようか。
グリップ
最重要ポイントであるグリップ。コレの形状と仕様がコントローラーの質を左右し、神器と成るか、はたまた”ただ”のガジェットと化すのかを決めるといっても過言ではない。
上の写真でもそうだったが形だけは完璧に再現されている。
されているのだが……灰色の部分が360版はシボ加工だったのに対し、復刻版はツルツルの無加工である。
グリップがツルツルだと握り込む時に力が逃げてしまい辛いところである……ココだけが非常に残念だ……とても……非常にくやしい……キミは神器たる素質がありながら……なぜそこをコストカットしてしまったんだ……。
果たして『Xenon』は神器たり得るのか?
ここまで見てきて、大きな欠点はないものの復刻版もとい『Xenon』くんには360版に大きく勝っている点が無いように思えるかもしれない。
スティックは滑り、グリップも滑る。個々の欠点は小さいものの、それが積み重なって全体的に神器たる素質は無いのかも知れないと……そういった考えが頭を過ってしまう。
復刻版は神器には成れないのか……いいやそんな事は断じてない!!!
上記の欠点を補ってなお余りある最大の武器が復刻版にはある!!!
偽りの神器『360版コントローラー』
知る人は知っているだろう。実は360版は神器ではあるものの最悪にして最大の欠点を抱えている。本来なら”ソレ”の存在によって神器たる資格など有りはしないのだ。
覚えているだろうか。360版は19年の歳月という永い刻(とき)の中で何と無ぁく神器として語り継がれ、現代まで都合よく名機として残ってしまっているに過ぎない。そこには『当時のPCゲー需要の高まり』という背景もあったかもしれない。
皆が忘却の彼方へと追いやり失われた……元来360版が有している最凶最悪のクソ対人宝具(レンジ0)
《 咎 を 背 負 い し も の 》
―――ディストラクト・クロス―――
お待ちかねのクソ遺物にして宝具である十字キーパッドを!
……次の項で紹介する。
十字キーパッド(360版)
360版はマジで最悪だ。クソの極みみたいな仕様(大問題)を抱えている。端的に言えば"動かした方向に動かない"のだ。
どういうことかと言うと、上下を押せば加えて左右に、左右を押せば加えて上下に……それも超頻繁に誤入力がされるというものなのである。
これによって生じるストレスは生半可ではない。これで戦略SLGを遊ぼうものなら……アクションゲームでメニューや武器の切り替えがココに配置されていたらどうなるか……RPGでアイテムの選択がどれほど大変か……想像しただけで脳味噌の震えが止まらなくなる。筆者は震えた。
肝心の扱い心地はPSPの『スライドパッド』に近い挙動をするといえば伝わるだろうか。指の動きに従いヌルヌル動いてくれる。これにより斜め入力が容易であるという設計だったと思われるのだが……そうはならなかった。
神器たる素質を持ちながら、この1個の大欠点によって偽りの神器として時に忘れ去られた360版コントローラー。詳細は割愛するが、分解して十字キーパッドと電導シリコンの間に厚紙を敷き、それを対策とする解説サイトまである始末。
「クソクソ言うけどオイラァ(仮)さんの思い出補正なんじゃないの?」
と考える読者もいるかもしれない。なので
久しぶりに実際に遊んで味わってみた。
手元にあるゲームが『スターオーシャン4 THE LAST HOPE』だけだったので起動して3時間ほど遊んでみた。ちなみに360版コントローラーくんの無線機能が壊れていたので有線接続で繋いでいる。
結論からいって時を経てなおクソ十字キーパッドは健在であった。遊び始めてものの数十分で「これは……当時の俺はこのストレスの中で遊んでいたのか……」と失われた記憶が俺に精神攻撃を仕掛けてくる。
俺はこんなものを記事の冒頭で褒めちぎっていたわけだ。
360版くんの名誉のために言っておくと、この十字キーパッドを除けば持ち心地やボタンの配置、スティックのハマり具合などなどは一級品で間違いなしだ……十字キーパッドがそれらを凌駕するほどのクソなだけで。
ちなみに余談だが当時、当然コレを問題視していた(当たり前だ!)Microsoftは改善モデルを販売したのだが、それでも完全には解決に至らなかった。
誤入力の頻度が9割から3割には減ったものの、そもそも十字キーパッドをユーザー側が物理的に捻って『4方向モード』と『8方向モード』に切り替えるという脳筋仕様だったのもあり非常に怠かったのである。
十字キーパッド(復刻版)
さて360版を名機だ神器だと冒頭で褒めちぎっておいて、すぐ上でコキ降ろした訳だが、復刻版はどうだろうか。
いやまぁ3つ目の大見出しの内容でもう語るに落ちているのだが(汗)。
見ていこう
さて、これが復刻版の十字キーパッド。うってかわってツヤ消し処理で落ち着いた見た目になっている。一番の懸念だった360版の背負う咎の十字架を、復刻版は降ろす事ができるのだろうか。試しにsteamの適当なゲームで数時間こいつを使って遊んでみた。
おや?
おやおやおや!?
復刻版の十字キーパッドだが、360版のヌルヌル追従と違って随分と抵抗がある。ストロークの深いマウスのクリック感とでもいうのか、上下左右にそれぞれ抵抗と感触があるのだ。つまり押した方向にしっかりと動くのである……!!!
数時間ほど復刻版で遊んだが十字キーパッドの誤入力は皆無であった。
これは感動だろう。最大の欠点を復刻版は克服しているのだ。発表当時、多くのユーザーが心配したであろうクソ宝具を払拭。改善リメイクモデルとして彼は今ここに君臨している。
グリップの握り込みがし辛い問題も別に気になる程ではなかった。ただ長時間触ることによってスティックの指のハマりの悪さがより顕著になったと思う。これだけは要改善だろうか。
しかしだ。そんな小さな数個の欠点など全て覆すほどのポテンシャル。
360版が唯一の欠点が為に他の良さを殺し神器たり得なかったのに対し
復刻版は数個の欠点を持ちながらただ1つの武器で神器に成ったのだ。
★結論★
さてココでは360版のことはいったん完全に置いといてだ。
なんか色々と書いた覚えがあるが、復刻版は全体的に非常に完成度の高い製品だった。あくまでも公式ライセンス品であるためか製作コスト的な面で削られ欠点となってしまった箇所は先に挙げた通りなのだが、それを補って余りある最高の復刻版リメイクモデルである。やはり十字キーパッドがちゃんと動くって感動ですよ。それさえちゃんとしてれば文句なしの名機だったのだから。
コレは19年の時を経て現代に蘇った、紛う事なき名機にして神器だった。
みんな。買おう。
俺は友達から貰ったんだけも……いや本当にありがとう(土下座)。
どんな人が買うべきか?
さて色々と書いたのでそろそろこの記事も決着をつけたいところなのだが、最後にこれはどんな人にオススメできるかというお話。
ガチガチのPCゲーマーはキーマウだし、コントローラーで遊ぶにしてもガチに拘る人は他社カスタマイズ品を買うのである。かく言う筆者も、ガチ勢ではないもののモンゴリアンスタイルでTAC-G1という特殊なコントローラーを使っている。
PCゲーをコントローラ-で遊びたいけど知らないメーカー品は嫌な人
当時を懐かしみたい人(
筆者が該当)ガチ勢ではなく色んなゲームを気楽に遊びたいタイプの人
であればこの復刻版リメイクコントローラーを1個買うだけで十二分に充実したゲームライフを送れると筆者は考えている。見事なまでに完成された逸品ですよコレは。公式ライセンス品は伊達ではないということだ。
マジでオススメです。
終わりに
長くなりましたがこれにてこの記事を〆ようかと思います。
繰り返しになりますが、19年前の汚名を返上した完璧で究極のリメイクコントローラー『Xenon』は大変素晴らしい出来栄えでした。
ご友人……素敵だぁ……。
~fin~