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【2024 第3四半期 決算】 シェル(SHEL) 【スーパーメジャー】

こんばんは、本日もお疲れさまです。
石油エンジニアの「オイルくん」と申します。

シェル(Shell)は、イギリスの石油メジャー大手

シェルは、ヨーロッパ最大の石油会社で、
国際石油企業(スーパーメジャー)の2番手にあたります。

シェルの 2024年 第3四半期の決算が出ているので、
この記事では、そんな決算の要点をご紹介します。

ぜひ読んでいってください。


3Q2024 決算データ

今期の決算では、予想を上回る結果でした。

✅ EPS:実際 $0.74 vs. 予想 $0.63
❌ 売上高:実際 $71.0 vs. 予想 $78.0B

これらのデータをより詳しく見ていきましょう。

  • 業界価格とマージンの変化

  • 2023年年初来との決算比較

  • 2024年第2四半期との決算比較


業界価格とマージンの変化

今期の決算データを見る前に、
シェルが公開している「業界価格とマージン」を押さえておきましょう。

Shell 2024 3Q 決算資料からの引用(リンク

グラフから以下のことがわかります。

  • 原油価格は、昨年比では変化なし・前期からはブレント原油価格が減少

  • 天然ガス価格は、昨年と比べて大きな変化はなし

  • 石油製品・製油マージン(IRM)は、昨年・前期からも大幅減少

  • 化学製品マージン(ICM)は、昨年から徐々に上昇傾向

やはり目立つのは、どんどんと悪化していく製油マージン(IRM)ですね。

では、これらの業界価格とマージンの変化を念頭に、
今期の決算データを見ていきましょう。


2023年年初来との決算比較

次の比較グラフは、シェルにおける、
今年の年初来(YTD24)昨年の年初来(YTD23)のデータです。

Shell 2024 3Q 決算資料データのグラフ化(リンク
2024年 YTD(年初来)vs. 2023年 YTD

ここでポイントとなるのが、以下の5つです。

  • 天然ガスのトレードからのマイナス

  • 化学製品マージンの改善によるプラス

  • 石油製品マージンの縮小によるマイナス

  • 再生可能エネルギーのマージン縮小によるマイナス

  • マイナスを大幅に減らしている経費削減効果


2024年第2四半期との決算比較

続いては、2024年第2四半期との比較になります。
以下がデータをまとめたグラフになります。

Shell 2024 3Q 決算資料データのグラフ化(リンク
2024年第3四半期 vs. 2024年第2四半期

前期比で見ると、大きくは変化がないことがわかります。

唯一の変化といえば、製油マージン(IRM)の話でもあったように、
石油製品マージンの低下による石油化学製品におけるマイナスです。

なので、次回の決算までに製油マージンが改善しない限りは、
石油製品に足を引っ張られる決算になるでしょう。


シェルのほかの動き

今期の決算データを見れたところで、
シェルのほかの動きを見ていきましょう。

  • 株主還元(shareholder distributions)

  • 自然気候ソルーションズ(サスティナビリティ)


株主還元(shareholder distributions)

2024年第4四半期における株主還元は、$5.7B となります。

  • $2.2B 配当金(一株あたり $0.344ドル)

  • $3.5B 自社株買い

第4四半期の配当金は、第1−3四半期と変わらず、
一株あたり $0.344ドルと発表されました。

また、自社株買いにおいては、前期と同じく、
2024年第4四半期に 追加で $3.5Bもの自社株買いを検討しています。


自然気候ソルーションズ(サスティナビリティ)

シェルの決算では、「ポートフォリオ・ディベロップメント」から、
最新のサスティナビリティプロジェクトのアップデートが見つけられます。

ただ、今期新しく報告があったのは1つのみでした。

次回の決算には多めにニュースがあるのか、期待ですね。


【まとめ】 3Q24 シェル決算

この記事では、シェルの 3Q24 決算について、見ていきました。

今期の決算において、ポイントとなるのは2つ。

  1. まだまだ下がる石油製品マージン

  2. 前年比での経費削減効果が見えてきた

正直、あまり変化もなかったので、内容の薄い決算になってしまったかもしれませんね。

この記事が、なにかの参考になったのなら幸いです。

ほかの石油企業(スーパーメジャー)の決算もまとめているので、
ぜひ他の記事も読んでみてください。


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