【2024 第3四半期 決算】 エクソンモービル(XOM) 【スーパーメジャー】
こんばんは、本日もお疲れさまです。
石油エンジニアの「オイルくん」と申します。
エクソンモービル(ExxonMobil)は、アメリカの石油メジャー最大手。
エクソンモービルは、国際石油企業(スーパーメジャー)の中でも、
世界最大の民間石油会社です。
エクソンモービルの 2024年 第3四半期の決算が出たので、
この記事では、そんな決算の要点をご紹介します。
ぜひ読んでいってください。
3Q2024 決算データ
今期の決算では、予想を上回る結果でした。
✅ EPS:実際 $1.92 vs. 予想 $1.87
✅ 売上高:実際 $90.0B vs. 予想 $88.4B
これらのデータをより詳しく見ていきましょう。
業界価格とマージンの変化
2023年年初来との決算比較
2024年第2四半期との決算比較
業界価格とマージンの変化
今期の決算データを見る前に押さえておきたいのが、
エクソンモービルが公開している「業界価格とマージン」です。
グラフから以下のことがわかります。
原油価格は、ほとんど変化なし
天然ガス価格は、YTD23 から大幅低下・年初来に比べては上昇
石油マージンは、YTD23 から大幅低下・第2四半期から更に減少
化学製品マージンは、変わらず低水準・今期では微増も
では、これらの業界価格とマージンの変化を念頭に、
今期の決算データを見ていきましょう。
2023年年初来との決算比較
次の比較グラフは、エクソンモービルにおける、
今年の年初来(YTD24)と昨年の年初来(YTD23)のデータです。
傾向としては、第二四半期と大きく変化はありません。
やはりポイントとなっているのは、
上流部門のプラスとエネルギー製品のマイナスです。
上流部門のプラス
生産量の大幅増加
エネルギー製品のマイナス
石油製品マージンの大幅低下
「なぜ上流部門の生産量が増えているのか」
詳しくは、第2四半期の決算記事にて、解説してます。
2024年第2四半期との決算比較
続いては、2024年第2四半期との比較になります。
以下がデータをまとめたグラフになります。
ここでポイントとなるのは、年初来とは打って変わって、
上流部門のマイナスとエネルギー製品のプラスです。
上流部門のマイナス
原油価格の減少が大きなマイナス要因
絶好調の第2四半期から引き続き、産油量を高く維持
エネルギー製品のプラス
石油製品マージンの更なる下落
ディリバティブによるプラスが、マイナスを相殺
今後の決算において、とくに重要になってくるのは、
「原油価格」「産油量」「石油製品マージン」の三つ。
ぜひ次回の決算では、まず着目してみてください。
エクソンモービルのほかの動き
今期の決算データを見れたところで、
エクソンモービルのほかの動きを見ていきましょう。
株主還元(shareholder distributions)
自然気候ソルーションズ(サスティナビリティ)
株主還元(shareholder distributions)
2024年年初来における株主還元は、$26.1B となります。
$12.3B 配当金(一株あたり $1.90ドル)
$13.8B 自社株買い
第4四半期の配当金は、第1−3四半期から4%増えた、
一株あたり $0.99ドルと発表されました。
また、自社株買いにおいては、第3四半期で発表されていた通り、
2024年全体で 計 $19Bもの自社株買いを検討しています。
自然気候ソルーションズ(サスティナビリティ)
こちらでは、石油企業に変化が求められている、
今期のサスティナビリティの活動報告についてまとめました。
ローカーボン水素・アンモニア製産プロジェクトの事業提携
第2四半期に発表された
生産における 98%以上のCO2を回収する試算
新たなカーボン回収・貯留(CCS)契約(5つ目)
第2四半期に発表された4つ目に続く
Momentum Midstream によって稼働されている「New Generation Gas Gathering (NG3)」プラントにおいて
年 1,200,000 トン(MTA) の二酸化炭素を回収する
オフショア・洋上のカーボン貯留場の借地契約
借地費用は、テキサス州永久学校基金に割り当てられる予定
他にも、エクソンモービルが進めているプロジェクトはありますが、
決算内で目立った進展が報告されたのは上記の3つでした。
【まとめ】 3Q24 エクソンモービル決算
この記事では、エクソンモービルの 3Q24 決算について、見ていきました。
今期の決算において、ポイントとなるのは3つ。
アメリカ盆地における産油量は依然として好調
石油価格の減少による、上流部門のプラス幅が縮小
石油製品マージンの更なる悪化
この記事が、なにかの参考になったのなら幸いです。
ほかの石油企業(スーパーメジャー)の決算もまとめているので、
ぜひ他の記事も読んでみてください。