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【START LINE OSAKA】インパクトスタートアップを生み出すFirst step~ちょっとできそう、を形にDAY1イベントレポート

【START LINE OSAKA】は学生や25歳前後の若手人材を対象に、自分にあった働き方を模索する中で「起業」という選択肢を増やすきっかけを作るためのプロジェクトです。


後継ぎ(アトツギ)とスタートアップ、はじめの一歩とそこから

今回は社会課題や環境問題など、自分自身が気になる身の回りの課題解決のためにまずは自分自身が気になる課題を自分事として整理する力、そして周りに相談する力を身につけることを目的とした2DAYSのプログラム。

DAY1は、1947年創業のアパレルメーカー双葉商事の4代目アトツギであり、社会的・環境的課題の解決や新たなビジョンの実現と、持続的な経済成長をともにめざす「インパクトスタートアップ」として活躍されているKAPOK JAPAN株式会社の深井 喜翔 氏をゲストに、家業を継ぐと決めてから見えてきた課題、その課題解決のために自ら起業し、現在に至るまでのストーリーや、ご自身の大切にしていることについて伺いました。

(左)ファシリテーター武貞 麻未 氏(右)ゲスト深井 喜翔 氏

色々悩んで、知識を詰め込んだ学生時代。そして、後継者として入社した家業のアパレルメーカーで、「課題」に出会う。

深井氏は大学生時代に将来について漠然と考えていたものの、答えが出せないまま、社会起業家のお話を聞いたり、グループで著書を毎週1冊読んでゼミ内で発表をするなどの活動をしていた。
「今思えば、その時の経験や出会った言葉・知識が自身を支えている」、と語る。

大学卒業後はベンチャー企業・大手企業などを経て、2017年に家業であるアパレルメーカーの双葉商事へ入社。配属された営業部で働くうちに、業界の「大量生産・大量廃棄」という負のシステムや、“環境汚染産業”と言われる繊維産業の地球環境への影響について間近で課題として感じていた。

やりたいことを見つけるために

アトツギとして稼業へ戻ってきたことを家族は喜んでくれたが、自分の人生これでいいのか、人生かけてやる意味がどこまであるのか、という疑問が常に頭をよぎっていた。

どうせやるなら「社会性と、事業性の両立みたいなところを、もっとダイレクトにできるビジネスでやりたい」と考えているときに、ゼミの先生の言葉を思い出す。

「本当にやりたいことを見つけるためには、まず似たような事例を100個集めてみろ。100個も集めたら、なんとなく自分がやりたい方向が見えてくる」

実際にやってみると、「やりたいこと」を100個集めるのは、すごく大変なことだった。それでも、仕事終わりや休みの日にコツコツとやりたいことを挙げていき、ようやく見えてきたものは…大手企業時代に知った、木の実由来の新素材“カポック”という繊維で起業することだった。

カポックはインドネシアに自生している木の実で、コットンの1/8の軽さと言われるほど非常に軽く、吸湿発熱という機能を兼ね揃えているので、「たった500gでダウンの暖かさ」を実現できる繊維。しかも、木の実だから木を伐採する必要もないし、動物を傷つけることもない。

カポックとは・・・
東南アジアに自生している木の実で1つの木に木の実が300個ぐらい生る。

深井氏は2018年にKAPOK JAPAN株式会社を立ち上げ、カポック繊維を利用した、コートやマフラーなどのアイテムを取り扱うほか、現地のスタッフと新製品を企画しクラウドファンディングを行ったりと、今もさまざまな活動を続けている。

※以下、トークセッション

100%でやっているとそのエネルギーや想いが人を動かすことに繋がる。

深井さんー
大切にしているのは、大人になればなるほど100点を取ることは難しいし、ついつい怠けたくなることもあるけれど、その時の100%でやるということ。

もちろん100%でチャレンジした結果、何も動かないこともあるんですよ。でもやっぱり自分自身に嘘をつかないというか、本当に100%チャレンジしてる人っていうのはそれだけでかっこいいし、自分の人生はそういう風にあるべきだって僕は思ってるんで。

そして、100%でチャレンジ続けている人には、好意的にサポートしてくれる人が世の中に絶対いるんで、そこは皆さんも意識してもらえればなと思っております。

スタートアップとアトツギ、それぞれの顔

今回のイベントの登壇依頼は、実は、OIHのスタッフの方からInstagramのDMで直接送られてきました。会社の問い合わせにも送ってくれてたんですけど、突然、面識ない人からInstagramが送られてきたんです。
これって、今日お話ししたいことにも通ずるところがあったので、お話しさせてもらいました。

個人のInstagramでDMを送ってくれたこと。これが「社会的には100点だったのか?」と問われたら、わからないけれど…

『自分はこれがやりたくて、今できる全力はこれだから。なんとか伝えたい、動いて欲しい』っていう気持ちは、100%でチャレンジしたときに生まれてくるもの。

その100%の気持ちが人を動かすことになるんですよね。

スタートアップの代表、そして家業を継ぐ4代目アトツギ。両立することで見えて自分の強み

深井さんー
「今、こんな感じで世の中動いてますよね」
アトツギの時はアパレルメーカーの立場として、ものづくりのロジックを理解しながら話す。
でも「最近、世の中こっちの流れらしいですよ」っていうのを、スタートアップの目線で喋ることもできる。

僕も最初は別にそれが強みになるとは思ってなかったし、大学生の時はアトツギが強みになるなんてことは1ミリも思ってなかった。

でも、いろんな人と話していく中で、自分の強みって何なのかなとか思った時に、「あ、両方(アパレルメーカーとスタートアップ)の立場でしゃべれるやつ、マジで日本でほとんどおらんな」と気が付きました。

失敗しても人生終わらない!

深井さんー
スタートアップとして生き残っていける確率は本当に低い。失敗する確率の方が圧倒的に高い。

でもどうせやるんやったら面白いことをやった方がいいし、今どんどん社会的に失敗しても人生終わらなくなってきてる。

例えば「スタートアップの経営者やってたんですけど、シードまで行ったけど、会社潰しちゃったんです」っていう人がいるとするじゃないですか?
そんな人材めちゃくちゃ欲しいんですよ。

その失敗、経験は絶対に価値がある。
だからどんどんチャレンジして、失敗したらいい。

憧れだったMOTHERHOUSEの方からメンタリングを受ける中で、すごい刺さったのが「感謝と謝罪のプロであれ」っていう言葉。

本当はみんなやりたいけどなかなかできないから、失敗することが多いっていう前提での言葉で…
失敗も多いし、大変なことも多いけど、この2つがちゃんとできていると見守ってくれたり、助けてくれる人が出てくるからこの言葉は大事にしています。

失敗して迷惑をかけたらちゃんと謝る。
そのうえで信頼している人たちを頼る。そして感謝を伝える。
自分に特別なスキルがなくても大丈夫。
聞く、頼る、「こういうことやりたい」っていうのを相談する。


そんな関係を築くことが大切で、そうやって発信をしていくと、どんどん仲間が集まってきてくれる。
自分のせいで大変だったこと、みんなに迷惑かけたなって思うこともあるけど、一歩一歩進んでいっているし、大変なことも乗り越えていけます。

その関係を紡いでいくためにも100点じゃなくていいけど、今できる100%でチャレンジする。

今日という日を100%で生きれたかどうか、自分のやっていたことを振り返って、日々生きていかなければあかんなっていうことを自分自身も日々感じてやっています。

参加者と

最後に

深井さんの物事への向き合い方やマインドセット、KAPOKKNOTへの想い、熱量のあるお話にとても刺激を受けたトークセッション。
交流会でも直接お話しをしたり、実際にアイディアのフィードバックをもらったり、とても濃密な時間になりました。

交流会

参加者の感想

・喜翔さんのお話を聞き、 100点でなくても、100%でチャレンジするという部分が行動を結果に結びつける根拠になると知りました。 そして、熱意がある環境で努力することで自身の成長に繋がるという部分が、まさにこのイベントに参加する私を表していると考えます。 お話いただいた事を自分に置き換え、努力しなければならない部分を掴めたので参加して良かったです。

・自身の考案を行動に移して実現させる。人に頼るや感謝、反省をするなど当たり前のことを大切にして進んでいきたいです。

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