"大学の基礎研究はどのように社会に貢献するか" OICX nights #3 開催レポート
大学発学生ベンチャーで100億の時価総額を生み出した伝説のスタートアップ拠点OICXとそのOB達は、次なるステージ「東海発グローバルベンチャー」へ挑戦を続けています。これを応援するために、世界を舞台に活躍する著名な起業家・投資家・経営者・科学者をお招きして、OICXメンバーと交流を行う、OICX nights を開催しています。
12月5日(火)に開催された第3回目では、東海国立大学機構名古屋大学総長である杉山 直 氏が登壇。大学のトップであり、宇宙論研究者でもある杉山総長に、名古屋大学におけるスタートアップ支援の施策と、相対性理論などの基礎研究がどのように社会に影響を与えているのかについて、語っていただきました。
名古屋大学のスタートアップ支援は、新たなフェーズへ。
大学の役割とその教育方針に関連して、他組織との連携、ベンチャーキャピタルの組織化とミドルからレイターの分野への支援の拡大、学部生への教育方針が紹介されました。
ここから、話題は杉山先生の専門分野である宇宙に移ります。テーマは、20世紀の物理学に大きな革命をもたらした、相対性理論です。これは、重力の影響を考慮しない特殊相対性理論と、重力の影響を考慮した一般相対性理論から構成されています。
特殊相対性理論は意外と難しくない
私たちが普段何気なく生活している範囲では絶対的なものだと感じる空間も、実は観測する視点が異なると大きく変化してしまうという不思議な理論ですが、順を追って解釈を試みると高校生でも理解できるそうです。
重力を考慮するのが一般相対性理論
相対性理論は、宇宙論や物理学において非常に重要な理論です。これらの理論は、我々の理解を深め、新たな発見への道を開く鍵となっています。
GPSは相対性理論が無ければ実現しなかった
GPSの精度維持には相対性理論が不可欠でした。相対性理論を考慮に入れないと生じるGPSの位置情報の誤差が大きく、位置の把握に必要な性能を獲得できません。
タイムマシンや、どこでもドアは、実現可能か?
ここからテーマは、広い宇宙の中でも特に未知な領域である、ブラックホール、ホワイトホール、ワームホールの話に移ります。
この研究分野がビジネスに繋がるには時間がかかるかもしれませんが、応用研究が進めば人類の飛躍に大きく貢献することは間違いありません。
科学の進歩と社会への影響
原子爆弾の発明が代表されるように、科学の進歩が必ずしも社会の幸福につながるわけではないという前提のもと、参加者からは「科学者としてどのように向き合うべきなのか?」という質問がありました。
今回は、大学がアントレプレナーシップ教育を行う意義から、相対性理論のビジネスへの応用、ブラックホール、ワームホール、AIの進歩まで、多岐にわたるテーマについて議論されました。基礎研究がどのようにイノベーションをもたらすのか、そして科学の進歩がもたらす可能性と限界について考えることは、今後も重要な課題でしょう。
杉山先生、ご登壇ありがとうございました!
1月19日(金)開催!第4回OICX nightsもお見逃しなく!
OICX nightsは、引き続き世界を舞台に活躍する著名な起業家・投資家・経営者・科学者をお招きしたイベントを開催しています。
1月19日(金)夜に開催される第3回目のイベントでは、株式会社ABEJA 代表取締役CEO 岡田 陽介氏をゲストにお招きします。
現在参加者絶賛募集中です。ご興味ある方はぜひお申し込みください!
▼参加お申込はpeatixから(60秒で簡単登録)
https://oicx-nights-20240119.peatix.com