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【第3期_第8回講義】地方の変革に求められる視界とは何か

OITAイノベーターズ・コレジオ第3期生の矢野陽奈と申します。
本日は年明け1発目、2022年度1月22日(土)に行われた第8回の講義にレポートを書かせて頂きます。

今回は樫野孝人先生に、「地域の変革に求められる視点とは?」をテーマに講義をして頂きました。ビジネスに必要な3つの視点を軸にとても貴重なお話しを聞かせて下さいました。
特に大事だと感じたことを僭越ながらまとめさせて頂きます。

1 講師について

樫野孝人先生は、かもめ地域創生研究所 理事、株式会社CAP代表取締役、県立広島大学 客員教授としてご活躍されています。ご自身のキャリアはリクルートからスタートし、イベントや映画のプロデュース会社の経営、県議会議員など、様々なご経験をされていらっしゃいます。本当に書き切れないほど幅広くご活躍されておりますのでぜひこちらのHPもご覧ください。
https://www.kashino.net/index2.php

2  ビジネスに必要な3つの視点

講義ではまず、ビジネスにおいて必要とされる3つの視点(虫の視点・鳥の視点・魚の視点)について語られました。

2-1 虫の視点(=現場視点)

地方(現場)のプロモーション活動において地方自治体が一方的にやるのではなく地元地域の方を巻き込むこと(当事者意識を持たせること)が大事になります。
官民連携させていくコツは、行政のバックアップを頂き信頼感を持ってもらうことや一緒に組んでいきたい相手と如何に人的繋がり、ネットワークを持っておくかということが大事となります。
現場視点で考える上で、重要なことが5つあります。1つ目は、継続的なフォーラムと散発・継続した取り組みです。2つ目は、熱い想いを持った誰か(担い手)がいるということです。3つ目は、そこの土地ならではの地域資源は何か考えることです。4つ目は、その活動を手伝ってくれるパートナーを集めることです。5つ目は、地元の人だけではなく化学反応が起きるような人(要素)やスパイスを入れることがポイントとなります。

2-2 鳥の視点(=俯瞰して見る)

情報とお金と人は、集まる所にどんどん集まるので勝ち組グループにどうやったら残っていられるかというのが事業においても地域においても大事になります。そこでキーとなるのが需給バランスであり、そのバランスが空気感と価格を決めます。需要があるが供給がちょっとだけ足りないぐらいをどう作るか、どう見つけていくかが大事になります。
ビフォーコロナは「遊楽働住」の魅力で人が集まり「蜜」となることが街のエンジンでした。アフターコロナの時代でも「集める」というのは重要です。しかし、「いかにユーザー数などを増やせるのか?」「リアルではなくてもインターネット空間でどこに密を作るか?」がポイントになってきます。

2-3 魚の視点(=流れを見る)

流れを見るというのは「世の中のトレンドをどう掴むか」です。
日本は人口が減っている中で、海外など他の企業とコラボすることが会社の成長チャンスを掴む上で重要になります。
1兆円企業のような成長するベンチャーや企業があると地域が活性化してきます。
世の中のDX化の脅威はいずれ地方にもやってくるので、今のうちに早くデジタルシフトを行うなど、その備えをしておかなければなりません。DXもまずは自分で経験してみるということが大きな1歩目となるでしょう。
サステナビリティが重要視されている中で最も多くのエネルギーを消費し、最も多くの温室効果ガスを排出しているのはICTインフラです。こういったICTインフラを再生可能エネルギーに変えていくことも求められます。
そのような中で、クラウド、WiFi、データセンターこの3つが令和の主要な公共インフラであり、3つの条件が集う市域に企業は集まってきます。さらに、デジタルリテラシーの高い市民や、DXに積極的な地元企業が揃うことで地域が活性化します。
デジタル社会の「もう一つのキーファクター」は物流拠点です。自動運転やドローンの普及が広がる社会の流れの中で「何をどうデザインしていくのか」もビジネスの鍵となります。
ビジネスをしてそれなりの影響力を持とうとするならば、このように大きな時代の流れを捉えていかなければその波には乗れません。今ある資源だけではなくこれからどういう所に社会が動いていくのかという流れ、つまり魚の視点をしっかり持ちながら事業構築していかなければならないのです。

3 地方だからこそチャンスがある理由

地方はDXによって、人、市場、情報を東京と同等に手に入れることが可能になりました。
これまでは東京にいかなければ勝負ができない環境であったが、どこにいてもネットを通してモノを売れたり会議ができたりと地方のデメリットがなくなりました。
その一方で、立ち上げコストやランニングコストが安く、行政も地域活性化のために地元企業の成長を後押ししてくれるので早い成長に繋がりやすい強みもあります。
「小さく産んで、大きく育てるというビジョン」をしっかり持っていれば、どこの地域にいても良いビジネスができるのです。

4 最後に

全体を通して、受講生に質問を投げかけてくださり、私達も参加できるような講義ですごく惹き込まれ、楽しい時間を過ごすことができました。講義の中でも樫野先生の「伝え、惹きつける力」をすごく感じました。
また、講義の後に各チームプロジェクトのFBを頂きましたが、とても芯のついた問いかけで改めて考えさせられることがたくさんありました。この時期に樫野先生のFBを頂けたことはとても良い刺激に、そしてより良い結果に繋がる大きなきっかけになったと思います。お話しの最後にもあったように、地方だからできること、大分だからこそできる可能性を広げて、新たなイノベーションを起こしていければと感じました。OIC3期も残りわずかとなりましたが、最後まで、受講生でワクワクしながら突き詰めて悩んでいければと思います。
樫野先生、本当にありがとうございました。

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