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【第3期_第2回講義】生きた学びを生むコミュニティの作り方
2021年7月には、Oita Innovators Collegio の第2回が開催されました。今回のレポートは、高校生受講生の竹田美紗樹が担当します。
1. 活きた学びを生むコミュニティのつくり方
I. 講師
今回は海渡千佳さんに講演に来ていただいた。彼女は現在、株式会社フロークリエーションの代表取締役であり、2020年に開催された「Economic Club of Canada」に日本人代表として参加した。
また、彼女はメディア関連の会社での人材育成や組織開発のスペシャリストとして10年以上以上の経験を持つ。そんな彼女の現在は、今までの経験を活かして企業の人材育成や組織開発に携わり、それだけでなく各地でのワインセミナーの開催や、ワインを通じての研修会などの企画・運営にも携わっている。
そして、彼女の目標は「ミライをつくる人をふやす」ということであり、彼女のコンセプトなのだ。
II. ミライをつくる人をふやす
「ミライをつくる人をふやす」とは、どういうことなのか。それは、イノベーションを起こす人を増やすということなのだろう。そもそも、イノベーションを起こすためには前提として、「コラボレーション」と「コミュニケーション」を起こさなければならない。そこで、グループワークを通して「コラボレーション」と「コミュニケーション」についてそれぞれの意見を交わした。我々の意見や、イメージは以下である。
【コラボレーション】
我々の班では、一人ではできないものを前提として互いに理解し、尊重しあえる関係のもとで相互の弱み強みを活かし合いながらの集合地がコラボレーションという意見が主体であった。つまり、意見の交換の場でありながら各々が自身を表現する場であるのではないかと考えた。
【コミュニケーション】
コミュニケーションにおいて我々の班での意見は、一方向的ではなく相互の信頼関係のもと、各々の意見を相手に伝えるものがコミュニケーションであると考えた。だが、コミュニケーション最終目標は、意見の一致ではなく相互の価値観や相違点の理解であるのではないかという結論に至った。
2. 講演を通して
私は、今回の講師である海渡千佳さんの講演を聞き、「日本ではイノベーションが起きにくい」ということに強い印象を抱いた。はじめは、「そうなのか。」と思っていた程度でしたが、話を聞いていくうちに私自身「確かに」と納得できる場面がいくつも思い浮かんだ。
例を挙げるとするならば、普段の学校生活がある。確かに私は、学校の授業を通して長時間をかけての議論を行なってきた記憶がほぼない。それは小学校や中学校だけの話でなく、今の高校でさえも議論に費やす時間は遥かに少ないのが現実だ。そのせいか、日本は世界各国に比べて「イノベーション」が起きにくくなっている。
では、どのようすると「イノベーション」が起こるのか。そもそも日本は、上司など上の指示に従うというやり方に慣らされており、1つの答えをいかに早く導き出すかを重要視している。そのため、複数の答えを導き出す事を苦手とする傾向にあるようだ。
また、自分の専門外のことにはなかなか首を突っ込むということをしないことから、「イノベーション」は起こりにくいのだろう。そんな中で、「イノベーション」を起こすためには他人と意見をシェアすることが大事だ。特に、意見をシェアする相手が自身と年齢が離れており、暮らしている環境も全然異なっているとより良い刺激を受け、「イノベーション」を生み出しやすくなると考えられている。しかしながら、そのようなことが分かったところで、自ら行動に移さなければ何の意味もない。
講義内容では、「コミュニケーション」と「コラボレーション」について意見を深め合った。その際、私は衝撃というのだろうか。私自身には全く思いも寄らなかったことを発言した女性がいたのだ。彼女は「意見を深めていくうちに、コラボレーションとコミュニケーションが逆転した。」といったニュアンスのことを言った。確かにそうなのかもしれないと思った。
「コミュニケーション」と「コラボレーション」は別に遠く離れているわけではないのかもしれない。確かにそうだ。「コミュニケーション」にしろ「コラボレーション」にしろ、相手がいなければ話にならない。相手がいて初めて成立するからこそのあの意見なのだろう。わかっているはずだったが、改めて相手を尊重することや理解し合うことの大切さに気付かされた。
また、イノベーションには6Csが重要だ。私自身、この講演を受けるまで正直6Csという言葉を聞いたことがなっかた。6Csとは見た通り、6つのCである「Collaboration」,「Communication」,「Content」,「Critical Thinking」,「Creative Innovation」 ,「Confidence」から成り立っている。
正直、他人と協力して何かを行わなければならない時ですら、一人でした方が早いと思ってしまうことも多々あるだろう。なんなら一人で大半を終わらせる人も世の中にいる。私自身もそんな風に感じる時もあるし、そんな人に出会ったこともある。
最近の話だと私の通う高校の伝統行事である「柏葉祭」が挙げられる。「柏葉祭」といっても俗にいう「体育祭」と「文化祭」をまとめた呼び名であり、特別めずらしい伝統というわけではない。9月の上旬に行われるため、現在進行形で準備が行われている。先日行われた文化の部での出し物のオーディションの際、私は体育の部の実行委員長として自分のクラスの発表を聞いていたが、準備してきたであろう文化委員の話をそこに至るまで何一つ聞いた覚えがなかった。
実際、クラスメイトに聞いた話でも彼自身がもう一人の文化委員と話し合うこともせず、独断で全てを決めたそうだ。確かにその方が、意見が割れることもないし、変なところでヤジも受けない。ただ、クラスとしての団結力などには他クラスと比べて欠けが生じた。この欠けこそがイノベーションを起こすことができなくなる原因の一つなのではないかと考えた。
だが、このように正直面倒だと思うものこそ取り組まないことには、イノベーションが生まれることはないだろうし、その人自身が成長することは一生ないのだろう。