『OIC2022説明会レポート④:ガーデニング土のロスをゼロにする事業で土のリサイクル率100%を目指す。今、大分で最も注目を集める女性起業家が登壇!【前編】
今回は6月3日(金)に開催したOitaイノベーターズコレジオ(以下、OIC)の修了生による座談会の模様にお伝えいたします!
今回の説明会では、土のリサイクル事業などを行い、大分で最も注目を集める女性起業家の中原 ひとみさん、パラレルキャリアでノーコード開発ツールBubbleの日本コミュニティを運営されている大道 峻さんをお迎えしています。
〈 参加者紹介 〉
中原 ひとみさん(OIC第1期生)
宮﨑県出身大分在住。高校生と中学生の二児の母。デザイナー歴19年で長男が生まれたことをきっかけに、フリーランスとして独立。現在、フリーランスになって17年目。ガーデニング土のロスをゼロにする『upsoil』ビジネスオーナーに寄り添ったWeb制作『ウェブデザインTomorrowArch』を手掛ける。
大道 峻さん(OIC第3期生)
OIC第3期には東京からリモートで参加。本業SIer(富士通株式会社)で働いている傍ら、パラレルキャリアでノーコード開発ツールBubbleの日本コミュニティ運営。副業でアプリケーション開発等を行っている。大分とは無縁だったが、OICの参加をきっかけに大分にBubbleのイノベーションを巻き起こした。
【 中原 ひとみさんの講演 】
・OICに参加した経緯
OICのファシリテーターである山崎美和さんのHPを作っていた関係でOICを知り、豪華な講師人に惹かれて、参加を決めました。特に「一分で話せ」の伊藤洋一さんと、「Google」のピョートルさんに会えるということで、ぎりぎりで申し込みました。(笑)
・参加するときに楽しみだった講師陣
伊藤洋一さんは経営者でもあり、新規事業をどんどん立ち上げられている実践者であるということもありますし、伝え方やエネルギー、熱量がとにかくすごく学ぶことが多いのかなと思っています。(講演では)成功したお話をされるので、私が直接、伊藤さんに失敗したことは何ですかとお聞きした時に、「もう山ほどだ。成功の方が少ないけど、まずは挑戦することが大切だ」と言われたことを覚えています。伊藤さんは今、Voicyをされているので受講を考えている人は是非受講前にチェックしてみてください。
・オンラインの受講形態について
これまで自分は、年に一回は東京に行ってセミナーを受けたりとかしていました。旅費を考えるとOICを大分で直接受けられるというのは大きかったんです。でも今年はオンラインですもんね。ただオンラインは、質問しやすかったり記録に残しやすかったりというのはあるので、コロナ何年目となると皆さんオンラインに慣れてきていると思うので、大丈夫だと思います!
・ 補助金について
大分市の補助金で、研修費の補助が受けられるものがあり。私が申し込んだ時には遅く、補助金の定員オーバーで貰えませんでした。もし、補助金申請を考えられている方は早く申し込んで、予約をすることをお勧めします。
・参加したもう一つのきっかけ
参加したもう一つのきっかけは、人との出会いです。大分でイノベーションを起こしたいと思っている人たちはいったいどんな人達なんだろう、というすごく興味がありました。少子化や経済の停滞、環境の問題、低賃金など大分のこれからを真剣に考えている人がいるんだ!という実感が得られて、本当に良い出会いだったと感じています。
・参加した感想
期待通り、素敵な方との出会いがありました!今でも繋がりがあります。私と一緒にワークをした人の中には、親の介護で東京から大分に帰ってきて受講されている方、大分で会社を経営されている方、会社員の方、市役所の方がいて、その中に私(個人事業主)だったので、すごく異業種混在でした(笑)異業種だから普段は全然違う角度で考えたりとか、違う生活をしている人たちが、一緒になって一つのことを考えているのが本当に楽しかったです。最後の発表会に向けて集まって(当時は対面)、夜の12時とか1時までずっと話し合ったり言い合ったり。一銭にもならないことを大人たちが一心に考えていることが面白くて(笑)ヒトとの出会いとディスカッションの時間が貴重だったのが、参加して良かったなと思っているところです。
・OICを受講して感じた変化と成長
変化と成長としては、事業を2つスタートしたことです。
①なかはら不動産合同会社
一つは、昨年に「なかはら不動産合同会社」という不動産会社を立ち上げました。一般的な街の小さな不動産屋さんで、主に私のような個人事業をされている方や、小さな会社をされている方を中心に、事務所の賃貸、資材置き場が欲しい、自社ビルが欲しい、アパート投資したいなどの方を対象にしています。事業の発展の一つとして、不動産の仲介をさせていただいています。
②upsoil
今年になってもう一つ、培養土(=植物を育てるための土)のリサイクル事業「upsoil」をスタートしました!これは、大分県が主催する「女性起業家アイデアコンテスト」第5回のファイナリスト(7人)に残り、オーディエンス賞を頂くことができました。オンラインの最終投票時にも、山崎さん(ファシリテーター)にお願いして、OICの卒業生の方々にも応援をお願いしてたり、アンケートにご協力を頂いたり・・・OICの卒業生の力は大きいなと思いました。
・「upsoil」について
案外皆さんに知られていないのですが、植物を育てる土を含めて「土」はゴミの日に捨てることはできません。しかし、ホームセンターに行くと安く大量に売られています。よくよく考えてみると、ガーデニングの土というのは地球の土を掘削して作られていて、中には160万年前からの地層を削っている土もある。なので「土」は石油と同じように、限られた資源だ!と自分はずっと思っていました。でも、庭とか土地がない限りは捨てられなくて、しかも公共でリサイクル仕組みもない、ひたすら大量に削られて、大量に売られて、そしてどこかに消えていく。そんな現状に5年間モヤモヤを抱えていました。どうしても抑えきれなくなって、去年の女性起業家コンテストにエントリーしてファイナリストに選んでいただき、今年、事業をスタートしたという流れになっています。
・コンテストとOIC
この起業家コンテストに参加するにあたり、OICで学んだことをフル活用しました。伊藤洋一さんの「一分で話せ」の手法は、自分の考えをまとめるときにすごく役に立ちましたし、鵜川弘明さんのビジョンフレームも活用して、自分のビジョンを何回も書き直していました。OICに参加していなかったら私はファイナリストになれていなかったかもしれませんし、オーディエンス賞も貰えていなかったと思っています。
講師の話を聞いて終わりにするのではなく、そこから実際にフレームワークをしていく、アイデアを出していく、最終プレゼンに向けてのワークをしていく、この一連の流れが良いと思います。それが偏った属性ではなくて、色んなメンバーでディスカッションが出来るというのは、事業を起こす上で非常に役に立ちました。仕事で企画書や提案書を書くことはあっても、人に何かを伝える、短い時間でまとめるというのは、なかなかない機会だと思うので、OICで経験するのは良いと思います。
・ ちょこっと「upsoil」の宣伝
このupsoilについてですが、自分はWebデザイナーですので、自分で工場を持っているわけでも農業大学を出たわけでもなくて、私の思いだけで始めた事業です。そんな私の思いを知った、園芸の土壌改良剤を作っている大分の企業メーカーさんと農業博士の先生が見つけてくれ、この事業を始めませんかというミラクルなお声かけをしていただきました。
現在はリサイクル商品開発に向けて、私が回収した土を先生が成分分析等を行っているという状況です。もし、育てて使い古された土がありましたら私が回収に行きますし、HPでも受け付けているので、是非お声掛けください!
女性の企業というと、自分のやれることから始めようとする方が多いと思いますが、自分のできない事でもアイデアを練って協力者を募れば、形に出来ると今回のことで強く感じております。自分の出来ることの中だけでやっていると、イノベーションを起こせないと思うので、今日視聴されている方にはOICにぜひ参加して頂いて、思いを形にするための座学やワークやピッチなどを学んでいただいて、イノベーションの人材がどんどん増えていけば、もっともっと楽しい大分になっていくかなと思っています。
・OICの受講をお勧めしたい人
視野を広げたい人や仲間を見つけたい人にお勧めです。豪華な講師陣と直接お話ができたり、その後繋がれるというだけでも視野が広がると思います。また、参加者は大分に限らず県外の方も参加されるので、これまでの人生で出会うことのなかった人たちと仲間になれると思います。そして、何かを見つけたい人や、何も見つからない人も是非参加してみてください。まだ何をやれば良いのか分からないとモヤモヤしている人も、OICに参加すると解消されると思います。