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【第3期_第4回講義】越境学習と関係人口増加による地方都市の活性化―地方発のイノベーションを起こすには―

OITAイノベーターズ・コレジオ第3期の臼井拓朗です。
2021年9月4日(土)にオンライン上で第4回の講義が開催されました。
今回は、パラレルキャリアや越境学習等の研究の第一人者、法政大学の石山恒貴氏を講師にお招きし、「地方からのイノベーション」を中心に学習しました。

講師紹介

石川恒貴氏
法政大学大学院政策創造研究科に所属、パラレルキャリアや越境学習などの研究の第一人者です。

社会の変化と新しいコミュニケーション

かつて、人口が増加していた時代であれば「効率性」を第一であるとされています。しかし、近年では「効率性」には限界があると各々が感じ始め「主観的な幸福」を求め始めています。しかし、日本では他国と比べた孤独をかかえている比率が高いとされています。

第4回

それを変えていくために新しくコミュニティ、かかわり方を作っていく必要があるそうです。地域にかかわる人には大雑把にいって3種類あるとされています。それが「定住人口」「交流人口」「関係人口」です。「定住人口」とは、その地域に住んでいる人のことです。「交流人口」とは、その地域に訪れる人のことです。そして、「関係人口」とは、その地域にルーツを持つ人や興味をいだいている人のことです。その中でも、石川氏が焦点を当てたのが「関係人口」です。具体例を出すと、ふるさと納税をした人や二地域居住をした人も含まれます。彼らが、地域に対して貢献することによって地域資源の再発見や現状抱えている問題の解決を促してくれます。

越境学習について

越境学習とは、普段働いていたりする環境から異なる環境に身を置くことです。これにより、普段とは違う上下関係のなさや、環境が変化したことによる異質性が得られます。また、給料をもらうためでもないのに自ら進んで行動することで、自分が本来したいことを確認出来るきっかけになることもあるそうです。
越境学習の中には、「サードプレイス」という考え方があります。これは、家庭でも職場でもない場所に居心地の良い場所を持つことです。家庭と会社を行き来する生活になりがちな現代の息抜きの場として活躍するでしょう。
しかし、越境学習が必ずしもプラスの価値だけを生み出すとは限らないそうです。都会から来た人間が、普遍的で地域の真の課題解決にはならないような案をだした結果、現地の人たちとの間に溝が生まれてしまうということです。そのため、受け入れる側はよそものの人達に対して求めるものの提案をし、すり合わせておくことが必要となるでしょう。

グループワークについて

今回のグループワークでは、地域で越境学習を所持させ、イノベーションを発生させるアイデアについて話し合われました。アイデアは自由に発想するのではなく、大分における地域や人を想定するという制限の中で、ディスカッションが行われました。問題点に越境学習の必要性を問うものや実際の事例から逆算して問題を提起するなど様々な角度からのアイデアが生まれました。

グループ1 
問題点 ありたい、やりたい姿を想像できていない
    他企業とコミュニケーションをとれない(前例がない)
解決策 youtubeを使って取り組みの紹介
    副業を可能にする
  
グループ2 
問題点 そもそも越境学習の必要性をかんじていない
    参加するに際してのハードルが高い(意識高い系の集まり)
解決策 交流コミュニティの透明性の確保(情報開示)
    金銭的、非金銭的なインセンティブの確保
  
グループ3
問題点 地域理解がなくありたい姿を描けない
解決策 世代間のコミュニケーションをとれる場を提供する
 
グループ4 
問題点 自分の身近でない人と関わる機会がない
    前例をみていないため、想像できない
解決策 イノベーションの効果を教える
    イノベーションコンテストをおこなう
  
グループ5 
問題点 地元の人が地域資源に気づいていない
    発信しようとしていない
解決策 名産品と全く異なるものと掛け算をする
    SNSによる発信
  
グループ6 
問題点 なにが得られるのかわからない
    感じ方にギャップがある
解決策 互いのすりあわせ、理解

感想

今回の講義を通して新たな人や地域とのかかわり方を学びました。インターネットの発達もあり人や地域とのかかわり方の選択肢がふえているため、今までのように訪れてもらわなくても交流が出来るようになったでしょう。そのため、地方にあり交通の便が良くない大分にとっては是非とも生かしたいものです。また、個人のかかわりにおいて「サードプレイス」にも興味を引きました。

昨年、大学受験のために塾と家を行き来する生活が続いていました。そういった生活をしていると息が抜けないというか、そわそわしていました。そのため、自宅近くのカフェの回数券を買い、通い始めたところ心に落ち着きを持つことが出来ました。この経験から「サードプレイス」をもつことがどれほど心にゆとりを与えるのかを知っているため、今の生活に疲れている人には「これをするだけで変わるよ」とつたえてあげれたらと思います。



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