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【第2期_第8回講義】 コロナ時代のイノベーションの在り方と考え方

OITAイノベーターズ・コレジオ第2期の德永梓(とくながあずさ)です。

2020年12月19日(土)にオンラインで第8回講義が開催されました。
今回はAPU出口学長が講師に招き、8チームの企画案の中間発表を行った様子をレポートします。

1.講師の紹介

出口治明氏
2008年にライフネット生命株式会社を開業し、2017年までの9年間トップとして活躍。2018年から立命館アジア太平洋大学の学長に就任し、現在に至る。
多読家で歴史オタクでも有名。


2. 出口学長による講演『「コロナ時代の考え方」と「イノベーション」』

Aftet/withコロナの時代において、「時間軸に分けて考える」
―人間は横着な生き物であるから、便利な道具はてばなさない。
―オンラインのみの活動でなく、ハイブリットの生活に変わる。
―WithコロナとAfterコロナを分けて考える。

アフターもウィズも一色単に考え、オフラインやオンラインの在り方がわからなくなっていた私は、時間軸というヒントで頭の中で整理がつきました。
出口学長とのやり取りでは、自分のチームによる発表中でも「コロナが終わったらどうなるの?」という問いかけで、時間軸で考えることの重要性を振り返ることができました。

イノベーションとは簡単に言えば、新しいことをやること。
―既存のものを新しく組み合わせる。
―0~新しいことを生み出すわけではない。

そして、イノベーションに必要なこと2つを教えてくださいました。

① 勉強
「人に会うこと」「本を読むこと」「旅で流行りを見に行くこと」
いろんなことを知っていればイノベーションのヒントを得られる。

② ダイバーシティ
一人ですべてをまかなうことはできない。
多様なニーズをすくい上げるため、いろんな性格や人柄の組み合わせが必要。
混ざれば混ざるほど強くなる。

このあと、世界や日本の歴史を振り返りながら、なぜ日本はアメリカに負けたままなのか、なぜ今の日本にはイノベーションが必要なのかを話してくださいました。

なかでも私が一番印象にのこった話は、5つのお利巧さんです。

 1.偏差値頑張る―
 2.すなお
 3.ガンマン強い
 4.協調性が高い
 5.親や先生のいうことを聞く

これを言い換えると、以下の表現となります。

1. ゆっくり物事を考えられない子
2. 常識を疑わない子
3. 社会に理不尽なことに耐え抜いてしまう子
4. 自分を簡単に変えてしまう子
5. なんでも鵜呑みにしてしまう子

  
これを聞いたとき、多くが自分に当てはまり、
ここから抜け出すためにずっと私たちは苦労しているのだと気づきました。
これをイタズラ的に破り楽しむ習慣をつけていくことで
お利口さんを脱出できると教えてくださいました。
  

質問コーナー
30分の出口学長の話を受けて、生徒からいろんな角度の質問が投げられました。

Q.多読な出口学長の本の選び方は?
A.本屋で本の立ち読み最初の5ページ。作者は最初に力をいれるから、そこが面白くなければ面白くない。 

Q.典型的な考えに縛られず、ダイバーシティのあるグループの組み方はありますか?
A.あみだくじが一番いい。選んだ人や私たちが決めた人には偏りがある。選んだ人や私たちが決めた人には偏りがある。教科で例えると、国語算数理科じゃなくて、国語現代文古典でも面白い。

Q.インプットしたことをアウトプットできるようになるためには?
A.近くにいる人にしゃべりまくって、かきまくる。聞いたことを人に話す行為は、頭の中で整理している。聞いたことを人に話す行為は、頭の中で整理している。思考の整理。話して、かく。それでも忘れることは大したことではない。いに忘れましょう。大いに忘れましょう。   

Q.思考と感情の使い分け方とは?   

A.思う存分感情をむき出しにする。感情のコントロールしなければいけないのはごく一部のリーダーのみ。私たちは感情をコントロールする必要はない。

 Q.忙しい中で社会人が学びやすい環境にするためには?
 A.強制的に仕事をやめさせて、学びに移る環境にする。例えば、会社の電気消す。 自宅に持ち帰った仕事は2、3か月で消滅する。自然と空いた時間に人間は学びに時間をかける。

 Q.話合いでイノベーティブな答えや本当に正しい答えにたどり着くには?
 A. 結論がでることより、参加者がいいたいことを引き出すことが大事。
グローバルな会議では、参加者には「MCはあなたの言いたいこと言わせましたか?」という質問が一番最初にくるアンケートをとる。話合いはMCやチアーの腕次第。リーダーはこれを意識が大事。そして、これからはMCやチアーを育てる場が必要。

3. アイデア出しの様子

1グループ5分の発表15分のフィードバックのスパンで行わました。
どのグループもアイデアにあふれ、聞き入ってしまいました。
また、それぞれのプレゼンの仕方にも特徴があって楽しみながら見れました。

Iチーム:「地域課題×ITヒーロー×ローカルヒーロー‘sで大分の暮らしを豊かに」
三本の矢(①一次産業で稼ぐ②エンターテインメント性③IT)をテーマに、リアル育成ゲームやドローンでのリアル害獣駆除ゲームの作成をもくろむ。

出口学長:農林水産で設ける仕組みを考える。日本の農林水産を高く売るためには、原産地証明がわかるようにトレーサビリティがしっかりする仕組みがまず必要。
アメリカ的売り方ではなく、ヨーロッパ型売り方をする。いいものをトレースして品質を高くする。
    
Dチーム:「見切り商品のデリバリー」
大学生による大学生のための食品流通サービス。自宅にデリバリーや軽トラ市で大学生のところへ届ける。運営も大学生でおこない、大学生のニーズに基づいて企画。


出口学長:なぜ学生がメインターゲットなのか。コロナが終わったら、どうなるか?恒常的に活動していけるビジネスモデルを作れば、大分への貢献や面白みがますのではなか。APU生も活動して、運送コストが大きいので、そこの解決がポイントになる。

Eチーム:未来の社会人に「大分で働きたい」と思ってもらうには?
暮らす人・企業・地域の3つが幸せになるために、まず「人」で元気にしたい。そのために「未来創造カフェ」-学生専用のコワーキングスペースを作る。勉強もでき就活もでき場を提供し、学生へ企業の紹介。学生にやさしいサービスを提供する。そして、イノベーションが起こりやすい町に大分をする。


出口学長:サービスの差別化のポイントをつくる。このカフェに列ができるぐらいに。根本問題、大分に面白い大学や面白い企業がある地域であること。大分の企業を学生が魅力的に感じるようにどうみせるかがポイント。

Cチーム:「働き方ラボ、働き方アイデアによる地方創生のアイデア」
別府で幸せな働き方の実験場にとし、若く志が高い人を大人がサポートする環境をつくる。社員寮になる関谷旅館の空きを活用し、そこに住み込みでデスカッションやアイデア出しを行い、関谷旅館社員との化学反応や投資・サポートする大人との出会の場に。その生活の中で、新たな幸せの働き方を見つけるきっかけにする。将来的に、別府から幸せに働くことの輪を広げる。単にワーケーションではなく、幸せに働くことへ。


出口学長:別府をコアにワーケーションをするにあたって、差別化をしっかりする。場所があるのならば、実験的に開始し、「やってみて直す」ことをする。ワーケーションは使い古されてきているので、目的が伝わるような惹かれる名前を。ワーケーションにかわる言葉を作るのは面白い。

Hチーム:「大分をAPU化(=小さな地球化)」
APU化とは、それぞれのバックグラウンドや習慣を受けいれ、当たり前に共存共生すること。大分をグローバルにすることを目的に持った企業「特定非営利活動法人ONE」を設立する。具体的な試みは、多様な人材・人種が一緒に働き、多言語が飛び交うシェアオフィスや、現地の文化やお祭りを味わえるインターナショナルストリートを作る。協賛企業を募って、資金運営を行う予定。

出口学長:なんで別府なのか、差別化をしっかり図ること。協賛やボランティアをあてにした、ベンチャーは持たない。まずはマネタイズの面を考える。個性の強い場は歴史と紐づけたりすると、面白い。共存するために、まずお互いの理解からが大事。


Bチーム:「老後を健康に!」
老後を健康に生きるために、高齢者向けオンラインサービスを検討。
趣味や旅、食事仲間を探すサービス。
孤独の解消により、100歳人生を自立して生きる社会を作る。


出口学長:趣味や旅などの日常の仲間より、仕事を探すサービスが必要。 年をとっても、働けるシルバー人材の活用を考える。人手不足の企業とシルバー人材のマッチングがいいのでは? 年をとっても、働けるシルバー人材の活用を考える。人手不足の企業とシルバー人材のマッチングがいいのでは?くことが元気に生きることにつながるのではないか?働くことが元気に生きることにつながるのではないか?

Aチーム:「自主的勉強空間を作るには?」
インプットのみでけでなく、アウトプットを行う。「自ら何かを発信する」という経験。地域企業のビルや公共施設を活用する。アウトプットする場の提供だけでなく、発表までのサポートを行い、失敗への苦手感をなくし、自分の好きなことを発信したい思いの実現に努める。夢を追いかける高校生を増やす。

出口学長:まず、場所探しをする。ライフネット生命の会社の近くで、建物の1階を食堂にして、地域に開放していた会社があった。企業のイメージアップやPRにもつながっていた。大分の企業でもスペースを貸してくれる場所があるはず!高齢者と若者の発信の場でピュアラーニングで化学反応が起きるのでは。

Cチーム:宇宙が恋する♡みんなのOITA―おとなもこどもも、うちゅーじんも。―
宇宙の魅力を伝え、宇宙港のある大分の魅力も伝える。活動は、スペースアカデミーを開校し、未知の価値に気付くプロジェクトや、大分県内の大学とコラボし、酵母・麹菌の打ち上げ、宇宙菌・温泉水で焼酎造りを企んだり、APU(アジア・パシフィック・ユニバーズ)とのコラボで天空に開かれたサービスエリアを作る。他には、廃棄される部品を記念品の宇宙コインの作成も行う。


出口学長:ロマンがある。宇宙はみんなの夢を掻き立てる存在。
まずは大分空港に宇宙コーナーをつくり販売。物品販売を初手に、定期的な収入から実現している。多様な宇宙食に作るのは、注目や需要がある。宇宙食は災害時でも使える。学生だけでなく、多国籍な先生も利用してほしい。クラウドファンディングでも集まりそう。

4. 総括

全部の発表を聞き終え、出口学長は、まず「知事や市長に聞いてくださりたい。」といってくださいました。そして、「いろんな方がいるダイバーシティが役に立っているという証明になった。」とも、教えてくださいました。
ここで私は、自分たちがまさに、ダイバーシティの中で活動していたことに気付きました。今まで、自チームの能力や視点の違いに悩まされていました。これは、様々なバックグラウンドを持った人達と活動してきたからこその悩みであったこと、そして一緒に活動するうえで必ずぶつかる悩みであること。ダイバーシティの必要性を知った今、これから私たちは理解し、あゆみよっていく努力をすべきだとわかりました。

最後に出口学長は「他のチームのインスパイヤ―を、いいアイデアを盗む。マネすることは悪くない。今日の気づきをぜひ、残り数か月に役立ててほしい。」とアドバイスしてくださいました。最初にもおっしゃっていましたが、イノベーションは真新しいものを作るのではなく、組み合わせを考えること。学生生活を続けていると、どうしてもクリエイティブさをもとめられることが多くありましたが、イノベーションは別のベクトルであると再認識させてくださいました。

5. 感想

出口学長の話しを聞いていて、まさに本を読んでいるような感覚でした。
リズムは一定で言葉は端的で易しいのに、飽きさせず聞き入ってしまう話し方でした。
参加者全員がうなずき、腑に落ちていく感じがオンラインでもわかりました。
何気なくみんなが思っていたこと、疑問をシンプルな言葉にしてまとめ、伝える力がありました。

残り数か月で焦る気持ちもありますが、なんだかおもしろい方向に向かえそうな気がします。これから自分のチームがどうなるか、ほかのチームがどうなるか、すごく楽しみです。

次回
1月23日
野呂 エイシロウさん
放送作家 日本有数のプロモーター。

PRやデリバリー方法を具体的に考え、現実味を出していきます。


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