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発酵の仕掛人【もやし】は【糀の元「種菌」】だった

あめつちの便り「土の音」🌺
発酵の仕掛人【もやし】は【糀の元「種菌」】だった

【糀】は日本文字で【麹】は中国由来、どちらも「こうじ」

筆者が生家の薬局をオーガニックショップにリフォームする以前、150年以上の伝統のある味噌醤油造りの老舗「中初商店」の親爺さんに縁し、折々に手伝うことになり、貴重な【糀】造りの作業も経験、伝統的工程を記録する機会があった。

その経験を深く味う話をしてくれたのは、筆者の陶芸の師匠(85)で、今なお矍鑠(かくしゃく)として当に青年。
    お会いする度、たゆまぬ研究と実践からの人生論から薫陶を戴く。

    師「ぼくの親父はかつて秋田で“もやし屋”をやっていてね…明治時代からだな…」

    筆者「“もやし”…???」

    師「日本の発酵食品の要となる糀(こうじ)の元の“種菌”のことを“もやし”と言ったんだよ!」

    筆者「…?」

    師「“もやし”は“萌える”(芽が出る)…の意味があって、菌が芽吹く姿から“もやす”、さらに“もやし”と呼ばれたんだ」

    筆者「ええ~っ! そうだったんですか(゜〇゜;)」

    師「そのもやし屋は “こんのもやし”と呼ばれていたよ。秋田の会社でね、大阪にも関連会社があってね、今どうなってるかなぁ…」

    筆者「なるほど、発酵食文化の原点ですね~驚いたなぁ、先生が “食と健康”や “自ら仕込む”ことにこだわりが強いのもそんなご縁からなのでしょうね」

    師「そうそう、昔の種菌の製品ラベルとなっているポスターが先日出てきたんだ…」

    筆者  …「うわ!これは年代物だぁ~」

    日本に数えるほどしかない種糀菌の老舗の話を目の当たりにし、往時の苦労を偲ぶほどに、現在の「酵素(こうそ)」ブームが、まだまだ表面的な コマーシャル意識ではないかと危惧してしまう。

そう言えば、ブームの遥か以前から、日本の食文化と食養(食育)の系譜を伝える正統な運動を社会的使命として半世紀となる【玄米酵素株式会社】がある。日本の誇りだ。

    さて、 「もやし」の老舗「秋田 今野(こんの)商店」を検索すると、はたして現れたではないか。

【「糀」の製造目的は「糀」がつくる「酵素」ですが、種こうじは「糀」づくりのための種菌ですので製造目的が「胞子」の生産です。】

【保存性の向上のために必ず乾燥します。】

…なにやら、“玄米酵素” の研究~製造をも連想してしまう。“玄米酵素” は、無欲で万人の為にと、酵素の研究で大きな成果をあげた日本の研究者 岡田悦次氏がルーツだ❣️
    玄米を糀菌で発酵させ、乾燥して携帯できるように製品化されている。

    ところで、越前焼(福井県)の陶匠  佐藤 茂 氏の、陶芸に関わる以前の仕事場(デザイン関連)には、5才下の若かりし宮崎駿氏(アニメ作家)がスポンサーを求めて来社したという。
    面接で対応した佐藤 茂氏は、すでに光るものを感じていたというから聞き捨てならない。

スウェーデンで学び陶芸を仕事とした佐藤 茂氏は、火山 久氏(日本のオカリナ中興の祖)同様の発想から、オリジナルの「土笛」の吹き口に自然の風を集めて「風琴」のように鳴らすことを試みたという。

「焼き物」と「土笛」と「発酵文化の関わり」という三段重ねの不思議なご縁!
    師が師なら弟子も弟子…なんておこがましく比較すべくもないけれど、繋がりの妙を想わずにおれない。

■佐藤 茂(さとう しげる)プロフィル
    1936年(昭和11) 秋田県横手市生まれ。広告デザイン等を経て、1970年 スエーデンに渡り、ニッケルビクス美術学校陶芸科で グレータ・ミユッシル師に師事。1973年 スエーデン国立芸術大学で ガラスや陶芸を学ぶ。1976年 福井県越前陶芸村に五黄窯を築き、1992年 火輪動窯とする。

土塊に空洞を設け、交差した直線と丸で掘り込み、幾何学的(アイヌ民族衣装的 )な文様を施した森シリーズ、また、眼光鋭い真ん丸な目を持ちながら穏やかな表情の小鳥のような「春の笛」シリーズ等々、独自の深く豊かな精神性と原初的なエネルギーの発現を感じさせるものがある。

《参考》
【もやし】は本来、穀類や豆類の種子を水に浸し、暗所で発芽、成長させたものの総称。特定の植物を指す呼称ではない。
    「もやし」の語源は「萌やし」や「芽やし」といわれており、広義では「スプラウト」と呼ばれる新芽作物全般を指す。芽吹いたタケノコやカイワレ大根なども「もやし」の仲間と云える。
    一般的に、単に「もやし」という場合、緑豆を発芽させた「緑豆モヤシ」を指すことがほとんどで、野菜炒め等々料理の具材として用いられている。

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