嫌われリヴァイアさん と こども達
リヴァイアサン1 に帰って来た緑君。
ついで、緑君家族一体がリヴァイアさん別宅へ迷い込んできた。
それまで祖父母と一緒に住んでいた緑君家族。4年前、警察官が緑君を連れに来た早朝、家の最高権力者祖父 vs 緑君達とで家族闘争が勃発し、家から追放されてしまったのだ。
そして4年後。リヴァイアさん別宅。
昼も夜も空腹も教育も、総て放られて与えられず揺らめいていた緑君。
緑君と共にリヴァイアサン1 に居る弟桃君。緑君桃君と違い中等高等教育を与えられたが、今、365日自室でセルフネグレクトに陥っている1番上の兄弟。皆と父の違う1番下の兄弟。犬。緑君桃君に与えることの無い母。
何かとここに集うリヴァイアさんの元のこども達。
9月27日。
寝坊が日課。起こしても2度寝 3度寝 4度寝 の弟桃君の携帯電話に、この日もリヴァイアさんは目覚ましコールをした。‥‥‥‥が、携帯料金未納で繋がらない。次に兄緑君に目覚ましコールをした。携帯料金未納。繋がらない。
最後に1番上の兄弟( リヴァイアさんは、セルフネグレクトから社会復帰をしてもらおうとチャレンジした事があった。失敗したが。 )にコールをした。未納。繋がらない。
リヴァイアさん別宅で生活を営む緑君達の9月27日は、世界から通信遮断されてブラックアウトな朝だった。夢の中で揺らめく緑君桃君を救出すべく、赤君黄君が駆け付けた。リヴァイアサン1 に戻って来いよと。
人間の安全保障2 の脅かされているこども達が社会の海を泳ぐとき。
困り事を互いに補いながら生き延びて行こうとする。誰かひとりの偶発的危機を、皆でどうにか乗り越えようと工夫を凝らす。ヴァルネラビリティーが同時に押し寄せた時、瞬時にトリアージを判断し合い、浅手を分け合う。親から与えられないものをリヴァイアさんから集めようとしがみつく。
こども達は、彼等にしか通用しない慣習で絡まり合い、大人達が理解不能のナラティブに包まっている。そこから現実社会に戻り、日々の生活や毎日の労働を共闘してクリアして行く。リヴァイアさんの元で。
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