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医療を過信して自分の治癒力は信じない

現代の医学をもってしても、実は風邪は治せない、らしい。それなのに多くの人々は風邪を引くと医者に行ったり薬を飲んだりする。

Even with the recent medical technology, cold cannot be cured, I heard. However, many of people go to the doctor or take medicine when they got a cold.

そこが「過信」の象徴的な例だと思っている。

I think this is the symbolic example of overestimating medicine.

医学への過信は、うらがえせば自分の身体や自然のシステムの軽視でもある。

Overestimating medicine is in other words underestimating our body and natural biosystems.

風邪は医者には治せないが、自分の身体は、人が適切に対処すれば(=邪魔をしなければ)ちゃんと風邪を自分で治すのである。というより、風邪もなにか理由があって発症するので、その理由がなくなれば風邪も存在しなくなる道理。

Cold cannot be cured by doctors but our physical body will heal it if you appropriately treat it or just don’t hinder it. Cold occurs when there's a proper reason and will disappear when the reason is gone.

「病気」になったら医者に行ったり薬を飲んだりして治すものである、とシンプルに信じている、その考え方が様々な問題を引き起こしていると思う。

The way of thinking that you believe you have to go to doctors and take medicine when you have “disease” is causing a lot of problems.

もちろん、冒頭に書いたように、医学の進歩自体は素晴らしいと思っている。以前なら助からない命が助かる。うちの父など、PMを入れなかったら確実にまもなく亡くなっていたであろう。

Of course, as I wrote at the beginning, I think the progress and achievements of medicine is splendid.

とりわけ心臓や脳に関わる急性のトラブルが、現代医学によって事なきを得るという例は大いに違いない。あとは事故などによる身体の大きな損傷でも以前なら無理だった救命が可能になっているかもしれない。

Especially, there must be a lot of examples where cardiovascular and cerebral problems are well treated and cured all right by modern medicine. Also, even if there are major damages caused by accidents, the life can be saved.

だから平均寿命が伸びて長寿社会になっているしね。

That’s why, our average lifespan has gotten longer and now it’s considered to be a longevity society.

………? そうなんだろうか?
Well…is that really so?

意外にも、「平均寿命」が伸びていること自体は必ずしもそんなに単純なことではないようだ。もちろんそういう、昔なら亡くなっていたであろう命が助かっていることは当然寄与しているだろうが、一番の要素は、乳児幼児が死ななくなっていることらしい。いやもちろんそれも「医学の進歩」のおかげに他ならないが、平均寿命が短かった時代は子供はたくさん産んで、たくさん亡くなってしまうのがあたりまえだった。

Unexpectedly, the fact that the average lifespan is getting longer cannot be attributed to something that simple. Of course it contributes that the lives which might have been lost in olden days are saved, but the biggest factor is that babies don’t die. That itself is thanks to the progress of medicine for sure, but in those days when people had shorter lives it was just common to have many babies and allow them to die easily.

歴史上でもそうであったのはよく知られているだろう。貴族や武家などで病になった子供を必死で看病するのはドラマでもよく見るが結局亡くなってしまう。庶民はおそらくそんな手厚い看病すらも出来ず、あ〜死んじゃった、仕方ないまた作ろう、てな感覚であったのではないだろうか。

You know that was so in history. In TV historical dramas we sometimes see that wealthy families like nobles and upper warrior class desperately struggle to save their kids’ lives but in vain, but ordinary people couldn’t even give such careful treatment, and it was just like “Well, he died, so let’s make another one”, I guess.

おそらくは衛生環境も、そしてたぶん栄養状態も悪かったからまだ免疫の未完成な子どもたちは生き延びるのが難しかった。

Not only hygienic circumstances but also the nutrition state must have been bad, kids with imperfect immune systems couldn’t easily survive.

でもある年齢をすぎると丈夫になり、そうなるとけっこう長生きするものもいた。今大河ドラマで北条家のことをやっている。孫もいる北条時政がドラマ上の現時点でまだ42歳だが、彼は戦乱にも度々出陣し、そうでなくても激しいストレスの多い波乱の生涯を送りながらも、78歳まで生きている。葛飾北斎は享年90、85歳を過ぎてもまだ大作をものしている。そして彼らが特別だったわけでもないらしい。

However, once they came to a certain age, they became tougher and some of them lived quite long. Hojo Tokimasa, who is now in NHK’s current drama, died at the age of 78, finishing a stressful warrior life. an ukiyoe artist Katsushika Hokusai lived for 90 years, he was still very active over the age of 85 achieving one of his major works. And they were not so special.

今のように子供が少なく、かつ乳幼児のうちに亡くなることもあまりなく、そしてそこそこ衛生状態も栄養状態も悪くなければ、大昔だって人の平均寿命はさして変わらなかったのでは、と思える。極端に言えば、10人産んだ子供が9人すぐ死んでひとりだけ100歳まで生きたって平均寿命は10歳だもんね。

If they had had fewer kids and they hadn't died in their infant period with the better hygiene and nutrition situation, the average lifespan of people long ago could have been close to that in modern times.  To say extremely, if 10 kids are born and 9 of them die soon with only one living till 100, the average is 10 years.

大規模な伝染病だって、大量に亡くなってしまったのは医療の問題以前に環境の問題だったのではないだろうか。

Even about the pandemic of major infectious diseases, the massive death was due to the problem of environment, rather than of medicine. I guess.

つまり私は、医学の進歩が、人類の平均寿命を大幅に伸ばしたり、伝染病での大量死を防ぐのに主要なファクターだったとは限らないと思っているのだ(もちろん恩恵がなかったなどとは言わない、比較的大きなファクターではあっただろう)。

After all, I think that the progress of medicine was not necessarily a major factor in order to make our lifespan longer and to prevent the massive death by infectious diseases. Of course to some extent, it was, though.

→「病気より薬で不健康になる 」に続く

***
以下はDeepLによる上記英訳の逆翻訳バージョン
最近の医療技術をもってしても、風邪は治らないそうです。しかし、多くの人は風邪をひくと医者に行き、薬を飲む。

これは、医療を過大評価している象徴的な例だと思います。

医療を過大評価することは、言い換えれば、身体や自然の生命システムを過小評価することです。

風邪は医者では治りませんが、適切に対処したり、邪魔をしないようにすれば、私たちの身体は治っていきます。 冷えは、きちんとした理由があれば発生し、その理由がなくなれば消滅します。

「病気」になったらお医者さんに行って薬を飲まなければいけないと思い込んでいる考え方が、いろいろな問題を引き起こしているのです。

もちろん、冒頭に書いたように、医学の進歩・成果はすばらしいと思います。

特に、循環器や脳の病気は、現代医学でしっかり治療して完治させた例がたくさんあるはずです。また、事故などで大きなダメージを受けたとしても、命を救うことができる。

だから、平均寿命が長くなり、長寿社会と言われるようになったのです。

......そうなんですか?

しかし、意外なことに、平均寿命が延びているのは、そんな単純な理由ではありません。もちろん、昔なら失われていたかもしれない命が助かったということもありますが、一番大きいのは、赤ちゃんが死なないことです。それ自体は確かに医学の進歩のおかげですが、寿命が短かった時代には、たくさん産んで簡単に死なせてしまうのが普通だったのです。

歴史上もそうだったでしょう。 テレビの時代劇で、公家や武家のような裕福な家庭が必死で子供の命を救おうとするが無駄で、庶民はそんな丁寧な処置もできず、「死んだからもう一人作ろう」みたいな感じだったと思う。

衛生環境だけでなく、栄養状態も悪かったのでしょう、免疫力が不完全な子供たちは簡単には生きていけません。

しかし、ある程度の年齢になると丈夫になり、中にはかなり長生きした子もいたようだ。今NHKでやっている北条時政は78歳で亡くなり、ストレスの多い武士生活を終えた。浮世絵師の葛飾北斎は90歳まで生き、85歳を過ぎても元気で代表作の一つを残した。そして、彼らはそれほど特別な存在ではなかった。

もし、子供の数が少なく、衛生状態や栄養状態が良く幼児期に死ななければ、大昔の人々の平均寿命は現代に近いものになったかもしれない。 極端に言うと、10人の子供が生まれて、そのうち9人がすぐに死んで、1人だけが100歳まで生きるとしたら、平均10年です。

大感染症のパンデミックについても、大量死は医学の問題というより、環境の問題だった。と推測する。

結局、寿命がずっと長くなり、感染症による大量死を防ぐためには、医学の進歩は必ずしも大きな要因ではなかったと思うのです。もちろん、ある程度はそうだったのでしょうけれど。



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