『かゆさう』−ゆるゆる蚊帳で浴衣を乱れる−『風俗三十二相』
今日は休日であるにもかかわらず、補講がありました。大学の。
あ、これは決して成績が爆ワラだから土日で補うみたいな成績不良ちゃんが故とかじゃないですよ。。!
ただの後期の日数不足が故の全体の補講。
なんとも気合が入らなかったので化粧をバチバチに決め込んで挑んだのでどうにか保てました。笑
結構女子は化粧をするとしないとでは気合の入り方が違うなんてことあるあるな気がする。
そんな化粧を決め込んだ日も月岡芳年。
今回は『風俗三十二相』の第十六「かゆさう 嘉永年間 かこゐものの風ぞく」です。
蚊帳の中から困った顔で這い出てきた女性は胸を露わにしてしまっています。
副題にもあるとおり、この女性は「囲い者」という立場の女性。
つまりお妾さんなのです。
正妻は夫と同じ棟に住まうことができますが、正妻ではない愛人的な立場のお妾さんは別邸に寝る必要があったのですね。
彼女の睡眠の邪魔をしたのは蚊帳の中に入ってきた蚊でしょうか。
日本の家屋は今の住宅のようにセキュリティーしっかりめで窓はガッチリ閉まるタイプの家ではありませんでした。
磯野家やさくら家を見ればわかる通り、縁側があってそこは板で外との空気を遮断しています。しかしその虫に対するセキュリティーはなかなかゆるいものですので、夏は特に雑多な虫が家の中に入り込んでくるのでしょう。
そのためこのような蚊帳を用意して安眠を手に入れていたのでしょう。
私実際に蚊帳を見たことがないので全然想像つきません笑。
見たことあるのはとなりのトトロと、太田記念美術館『江戸の天気』で見た歌川国貞の「夕立景」と喜多川歌麿の「絵本四季花」でしかないです。
これが歌川国貞の「夕立景」。↑
これが喜多川歌麿の「絵本四季花」です。
上の絵二つは雷に驚いて縮こまってる人とせっせと雷伴う豪雨に備えて支度をしている人たちの様子です。
話がそれましたが、やはり蚊帳は夏の夜には必須だったようです。
この絵の女性が着ているのは浴衣ですね。
浴衣って今では花火大会とか納涼祭の時に来て出店出てるのを楽しむみたいな時に着ますね。
しかし江戸時代当時は元々湯浴みの時に身にまとう衣として、そして江戸時代後期になって庶民たちが普段気として着るようになりました。
由来的には湯帷子(ゆかたびら)という言葉から略されているところから来ているそうです。
庶民たちが普段着として着るようになった江戸後期の絵ですのでまさに女性は寝巻きのようにして着ていたのでしょう。
素材としては通気性のいい木綿が使われていたそうです。
色味は着物のように真っピンクとか黄色のように派手に仕上げているというよりは型を使って本藍染めにしたもので模様を作り、藍を用いることで涼やかな青を演出していたようです。
女性の立場と蚊帳、浴衣について見ていきました。
今日はここまで!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?