見出し画像

『にあいさう』−吉原の八月行事、俄な男性だが完成度高め。−『風俗三十二相』

一昨日からつけた付け爪が取れません。。

両面テープで今まで貼っていたので、剥がす時は自然に取れていました。けれどその取れやすさに嫌気がさして、付け爪用のボンドのようなグルーを買いましてそれを全ての指に使ってしまったのです。

外すことを想像せずに、、。

だから明日バイトなのにもかかわらず爪は取れたものの、グルーの残りが取れきれてないのがまずい、。。

百均もドラストも3店舗ずつ回ったけれどグルーオフのものは影さえなく売っていまっせんでした、、。

ああ、どうしよう。指でガシガシ爪のグルー落とすことに専念するしかないのでしょうか。。。。


そんな指でも月岡芳年
今回は『風俗三十二相』第十四「にあいさう 弘化年間 廓の芸者風俗」です。

この女性は男装をしています。
副題にもあるとおり廓、つまり遊郭の芸者の女性が男装をしているのです。

なぜこのように男装しているのかというと吉原遊郭で毎年八月に行われる「俄」という行事に参加しているからだそうです。

吉原!去年やったところ。『江戸名所図会』でやった吉原は三月の夜桜や、八月の八朔について勉強しました。

しかし今回は同じ八月であっても「俄」という行事。

俄とは、江戸時代から明治期にかけて流行った即興の芝居です。別の表記で「仁輪加、仁和歌、二和加」とあるものも。この俄は「俄狂言(にわかきょうげん)」の略で、江戸時代に路上で素人が演じた即興の芝居を指します。歌舞伎の演目を再現したものもありました。

即興劇を素人が演じるものであるようです。

吉原俄は8月の行事であり、仲之町通りは俄のパレードで大変にぎわったと言われています。この俄は8月中旬ごろから晴天30日続いたとされており、つまり雨が降った日を明けてきっちり30日間行われました。雨が降ればその分だけ9月にずれ込んだのです。

雨が降ったら三十日また引き伸ばされるというのには何か理由があったのでしょうか。
一応調べましたが期日に関する根拠は記載がありませんでした。

ここでさまざまなコスプレをして、歌舞伎の演目や舞などを滑稽に演じることで大勢の客を集めたと言います。


絵の女性は「俄」と書かれた扇子を構えて背筋を伸ばして首を切ってポーズを決めています。

女性は仮装として「手古舞」の男装をしています。


〘名〙 (「てこ」は、祭の屋台ばやしの音から出た「すててこ」の変化とも、また、「梃子前(てこまえ)」の意ともいう) 江戸の祭礼で余興として行なわれた舞。また、その時の姿をして、山車(だし)や神輿(みこし)の先駆をする男装の女性。もとは氏子の娘が扮(ふん)したが、のちには主に芸妓がするようになり、鉄棒(かなぼう)を引き、木遣(きやり)などをうたって歩いた。


手古舞自体に何かを模したものであるとか誰かお偉いさんの求めたものであるとかではないようで、余興の一つとして行われたものであるようです。

絵のように扇子を持って格好をつけたものではなく、神輿を先導したり金棒を弾いたり割と力仕事をこなしているのかな。


女性をよく見ると、やはり男装を極めてます。
髪型がこれまでみてきたような髷ではなく、男髷として毛先をバサバサにして鬢も垂れ下がっています。

前髪の毛先も白くなってそこか男性的な荒々しさがみられますね。

今回は吉原ももう一つの八月の行事「俄」について見ていきました。

新たな知識が入ってよかったです。

今日はここまで!

#月岡芳年 #風俗三十二相 #にあいさう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?