『けむさう』−煙がモクモク?ドヨドヨですね。−『風俗三十二相』
最近また『結婚できない男』を見始めています。
三、四周目くらい。大好きなシリーズです。
何が好きってやっぱり阿部寛の演技が好きなんですよねえ。トリックのシリーズも大好き。
弟が阿部寛が大好きで、結婚できない男の阿部寛の真似を一時期してました笑。
君も結婚できないよと言いましたがもう遅かった、、。めっちゃ似てた、、。笑
最近はそんな面白いドラマをもう一周して息抜きしています。
そんな私の最近のブームなんてどうでもよくて、今日も日本画月岡芳年。
今回は「風俗三十二相」の「けむさう 享和年間 内室之風俗」です。
この作品で一番特徴的なのはなんと言っても煙ですね。
この一見絹や糸が靡いているように見える線は煙と思えないかもしれない描写ですね。題名で煙たいんだとわかるような感じ。
それは下手とかそういう意味ではなくて煙を黒い実線で描くことでその煙の強さと動きの鈍さを感じ取ることができます。
でも実線だけではなくきちんと団扇や浴衣を透かして色を加えたりして空気が濁っているのを表現していますね。
そこの使い分けがしっかりしているのが巧みです。
副題の内室というのは本来身分の高い人物の妻を指す敬称のことをさします。
しかしここでは一般的な「妻」を指す言い方であるようです。
② 貴人の妻を敬っていう語。また転じて、一般に他人の妻を敬っていう語。おくがた。
どちらの意味もあるようですね。
今回の絵ではそれだけではなく、前回前々回同様に髪型にも注目です。
今回は灯籠鬢と丸髷です。
鬢とは耳の周りにふんわりと広がる髪の毛のことでしたね。
こちらに詳しく作り方などの説明があります。
全体的な印象を菱形にすると灯籠鬢が出来上がるのですね。
丸髷は以前どこかでやりましたね。一回括る島田髷と区別するものでした。
丸髷は既婚女性がする髪型です。
若い人たちは髷が大きく、歳を取るにつれてそれが小さくなっていったものであるようです。
このように既婚、未婚で装いを変えていた当時の結婚観は現在とは少し違うものでした。
今は恋愛してその延長で結婚することが一般的とされていますし、結婚した後は子供を産むまでは働いているというのが一般的な印象です。
しかし当時は結婚するには同じような家柄同士で見合いをしてから結婚をする、そして仕事を辞めて家のことをこなすというのが一般的だったようです。しかしこのことに関しては以降に述べることが必要なようです。
当時は恋愛結婚をすると、実質的ではない浮気な結婚だと周りに言われることがあったそうでなかなか主流じゃなかったようです。
そして意外にも結婚した後に女性は家にこもり家事をこなすものだと考えられていましたが、そんなことはなくて。
町人の夫婦は「銘々稼ぎ」と言ってお互いに仕事をして、その財産も自分の分は自分の分として考えられていたのです。
意外にも自立した生活を送っていたのです。
また、これも誤解が多いのですが、江戸時代、農民や町民の場合は、ほとんどが「共稼ぎ」でした。結婚相手としては「よく働く女」というのが重要視されていたくらいです。働かないで済んだのは、公家や武家、裕福な商家の女性くらいなものです。厳密には、「共稼ぎ」というよりも「銘々稼ぎ」という言い方でした。一家の家計を夫婦が共同して支えるという感覚ではなく、個々人がそれぞれに稼ぐという考え方なんです。男だ女だという性別に縛られることなく、それぞれが個々に自立した男女の関係性の上に成り立っていた社会だったのです。浮ついた恋愛感情ではない分、夫婦は互いに人間としての絆で結ばれていた、いわゆる「人生のパートナー」であったわけです。
この部分です。
働かなくていいのは貴族の女性たち。ちゃんと格式のあるところにいる人々ですね。
今の格式無い版のパパ活女子みたいなものでしょうか。波風立つなあ、、。
でもこう考えると今の生活の基盤や知恵を現代に流しているのは当時の働いていた女性たちの生き様のおかげだったのですね。
結婚できない男を見ていたからか、結婚についての話が膨らんだなあ、。笑
最終話まであと少し!
今日はここまで!
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