「平塚 縄手道」–直角そうで緩やかな山−『東海道五十三次』
雨が、、。
台風が本州に乗ってきやがったみたいですね。
前、どなたかのツイートで見ましたが、ちょっと前の台風が香川にちょっと乗って太平洋に逸れたものがあったようで、「今回ももしかしたらこの前みたいに香川にちょっとうどん食って帰った台風になるかもしれないし」みたいなツイートを見ました。
そうであって欲しかったけれどしっかり本州に乗っかっていました、、。
そんな願いも虚しくずぶ濡れの今日も広重。今回は『東海道五十三次』の「平塚 縄手道」です。
◼️ファーストインプレッション
昨日の作品ほど人間が賑やかに生活している様子はあまり見られませんね。
しかし旅人か、飛脚か、奥にも数人見られますね。
手前の2人はお尻が見えそうな暗い短い服を着ています。そして長い棒の先に笠を引っ掛けているので旅人感は否めないですね。
そこに立ち向かっていく、非客のような人。
口もへの字に曲がって眉毛も上がって、顔が険しくなっています。
いますぐに届けなくてはならない速達便で運んでいるのでしょうか。
そのもっと奥には笠を被って、蓑も背負っている人がいますね。
小さすぎて特徴を掴みきれませんが、単独の旅人かな?
道のこっちサイドには道標のようなものが建てられています。
流石に字は読み取れません。ここが東海道のどの部分にあたるかを記してるのでしょうね。
今回は手前から左奥に向かって湾曲を2回繰り返して消失していきます。
そこからいきなり海坊主みたいな大きな山が突然現れます。
直角的な奥行きを感じます。
その右には質感の違う山が丸々描かれています。
とても角張っていて、岩山のようにも見えますが描かれた意味があるのでしょう。
その二つの山の間にきっと富士山と思われる風格の白い山がこちらを覗いています。
奥に広がる山々の列挙が非常に豪華で手前との世界が違うように感じますね。
今日はここの場所と奥の山々の特定をしてみます。
◼️平塚 縄手道
今は縄手道と言っても現存したものはありませんので、旧東海道に沿ってみてみます。
旧東海道と書かれた道が黄色い道の手前で寸断されていて、その先がいまいちわかりません。
今回の絵では奥にいる2人が橋を渡っている様子がありますのでそこに小さな川が流れていたことがわかります。
しかし小さすぎる川なのでここまで拡大したのかは判然としませんね。
ちょっと特定は難しそうです。
さらには奥の山を見てみましょう。
丸い山の方は高麗山という山。初めて聞きました。
先ほど見たところと非常に近い距離にありますね。
森に覆われた丘ということらしく、登山をするほどのものではなかったのかも?
確かに現在の写真を見ても登山に本格的なものというよりかは散策のためにちょうどいいものなのかもしれませんね。
調べてみましたが、意外と高麗山を描いた浮世絵ってこれ以外にないみたい。
今回わざわざ描かれた角張った山が描かれたのには理由がありました。
なんてったってこれまで何度も触れてきた大山詣りの舞台、大山なのです。
やっと実物を見れた気がします。
奥の2人ももしかしたら、一緒に大山詣りに出掛けている二人組なのかもしれません。
今日は短く内容の薄い記事でしたが、眠くて仕方ないので寝させてもらいます。
今日はここまで!
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