『うれしさう』−夏を手に閉じ込めて(小並)−『風俗三十二相』
一昨日Amazonで購入した『日経おとなのOFF 2022年に絶対見逃せない美術展』がさっき届いたので見ています。
率直に来年忙しなあと感じます笑。
一月初旬に終わるいきたかった展示も三つくらいあるので冬休みを潰す覚悟で行かないとなと焦っております。。。
まず鏑木清方展があることは大きいですね。それと北斎展がすみだ美術館だけでなく千葉の美術館でもサントリー美術館でも開催されること。
あとは海外の作品が来日ラッシュということで洋画に触れる機会が増えます。フェルメール展が開幕します!
来年は海外の本物の作品を見に行きたいなというのと、今まで東京ばかりだったのをせめて関東圏にまで脚を伸ばせたら良いなと思っています。
読み終わるまでに時間かかりそう、、!
そんな来年が楽しみな今日も月岡芳年。
今回は『風俗三十二相』の第三十一「うれしさう 明治稔間 当今芸妓之婦宇曽久」です。
女性がうちわを口に咥えてまで手にしたかったものはなんでしょうか。
おそらく女性の周りに飛び回っている蛍の一匹ですね。
夏の夜にうちわで涼んでいたところに飛んできたのでしょうか。
江戸に住む女性だとしたら当時の江戸は今よりもはるかに綺麗で澄んだ都だったのでしょうね。
蛍は今と同様に水辺の静かな場所に生息します。
今では東京でも相当郊外の山梨方面に行かないと見ることはできませんが、当時は王子や谷中、隅田川の沿岸に観に行くことがあったようです。
歌川(一猛斎)芳虎の『雪月花之内 秋の月』です。
女性たちは蛍が逃げちゃうんじゃないかというくらいにはしゃいで捕まえようとしています。
周延の『夕涼みほたるの姿見』です。
歌川広重、国貞の《江戸自慢三十六興》「落合ほたる」です。
川辺で蛍がたくさん飛び回っているというのが蛍狩りの風景だったのでしょう。
一枚めと三枚目に籠を持っている人がいますね。
虫籠みたいな役割があるのでしょう。縦長の箱に足がついているのが可愛いですね。
蛍のために花を入れてあげているのが優しさ?笑
虫を風物詩として楽しむのは蛍だけではありませんでした。
今もあるかな?虫聞という虫の音を聞く楽しみ。
松虫や鈴虫、馬追虫、轡虫の声を聴きながら散策をしたり酒宴を催したりしたそうです。
虫を調べると画像が出てくるので調べません。笑
上の三作品も、今回の絵にも同様に女性ばかりが出てきますね。一番上の作品だけは男性が一人だけ出てきますが。
虫を見るというと小学生とか中学生の男子が好みそうな遊びですが、ただ見るだけではつまらないのかな。
女性たちがすずみながら楽しむ風物詩だったのかもしれませんね。
絵の女性は副題の通り芸妓ですので客と来ることはなさそうですね。芸妓の同僚ときたのでしょう。
にしても薄紫の上品な着物を着ていますね。
藤色の絽という素材のもの。
体のラインが透けていて涼しそうなのと共に色っぽさが演出されていますね。
残り一回で『風俗三十二相』が終わってしまいます、、。かなぴい。
これまで2作品続いて美人画を取り上げたので次は扱ったことのない絵師の江戸の風景画をやりたいなと思っていて、広重あたりの江戸名所系を扱ってみたいなと今資料を探しています!
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