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『夜の雪』−年末雪の中、良い布被ってお出かけです。−『明治風俗十二ヶ月』
今日は祝日なのに大学一限から頑張った、、!
朝祝日だということに気づいて電車のダイヤが違うことで変な間をいつも止まることのない駅で過ごしてしまったのでした。
そんなことを水に流すために鏑木清方。変な使い方、、。
今回は「明治風俗十二ヶ月」の12月「夜の雪」です。
もう終わっちゃうのかあ、、。次は何をしようかなあ!
今回は女性が人力車で送り迎えをしてもらっている様子ですね。女性は寒さ対策なのか顔隠しなのか布を目以外隠しています。この日は雪が降り積もるほど降っているので寒さ対策の方が濃厚ですかね。膝にかけてもらっている布は勾玉のような模様でとても上品に仕上がっている布ですね。とても厚そうで流石に雪でブルブル震えることはなさそう。運転手の男性は足袋を履いていますがとても寒そう、、。刺子足袋かな?頭も後ろが刈上がっているし寒そうで仕方ない。でもこれが仕事なので彼はほっぺを紅くしてでも頑張ります。行灯を一旦地上に置いています。このマーク気になるなあ。どこかブランドのマークでしょうか。この和風の灯りと、後ろの街灯の洋風の雰囲気が面白い組み合わせですね。和洋折衷みたいな!笑このあたりの空気はおそらく暗いはずなのにこの男性の着ているものと人力車の黒だけが浮いているようにさえ見える。この夜の明るさを雪があることで表現しているのが巧みですね。
清方の解説にはこうあります。
「つこもり近い寒夜 瓦斯燈の青い光 夕方から降り出して いつしか薄白く積つた雪を照らす 逝く年の哀愁巷に流るるも 一陽来復の元朝はもう数日の後に迫つてゐる 昭和十年 明治回顧 十二ヶ月之図を作りて 清方記」
つごもりというのは月末のことで晦と書きますね。
12月の31日のことで、夕方から降り出した雪の中車で女性は送ってもらっていますね。
一陽来復の元朝というのは新春を迎えた元旦のことであると言います。もう数日で迫っているということはガチガチの年末ですね。12月31日というわけではないかもしれない。?
この車夫の男性は彼の笠にも車の覆いにも被っているようです。
彼が股引と足袋を履いていますが足首が見えてて寒そうです。
それでも仕事だから彼は女性に布を掛けています。
彼女が身につけている三つの布が当時の風習を物語っています。
膝掛けについては特に記載がなかったのですが、頭に被る頭巾のようなもの。
これは2月にも出てきた「御高祖頭巾」であると言います。形のが由来であるけれどその由来がいくつもあることが印象的だったもの。確か寒さ対策に当時の人は使っていたと言いましたね。
もう一つは女性が肩にかけている青いフラシ天のショールだと言います。
この伸縮性のあるプラッシュ・ベルベットは、非常に柔らかく、ポリベースの起毛が通常のベルベットよりも密度が少し粗く毛が長いのが特徴的です。別名「フラシ天」「プラッシュ天」とも呼ばれます。重さ250gsmで、生地は厚く温かく、豪華な見た目です。細かいパイル織りで目が閉じています。しかし、それでも完全に不透明というわけではなく、光が当たると明かりをうっすら通します。生地の目(よこ糸)に沿って伸びが非常に良いです。とても丈夫なこの生地は吸水性も兼ね備えています。
折り紙で似たような素材感のある光り方のあるものがある気がしますが、、、。それと似ているのかな?
少し光を通すのに生地は吸水性があるというので作り方が大変凝っているのでしょう。これまたとても高価なものであるように感じます。
それに蝶のブローチを真ん中に付けていますのでとてもおしゃれに気を遣っているいいところの女性か高ランクの芸者であるのかもしれませんね。
このフラシ天のショールは当時流行ったものでもあるとも言われています。
今日はここまで!