『じれつたさう』−纏持ちの妻は大変じゃ!!−『風俗三十二相』
今日は雨…お出かけ予定あるのにまた雨です。
この前六本木にイルミネーションを見に行った時も雨でした…。
4時に止むらしいけど湿っぽくなってるの残念ですね…笑。
でもまだ髪の毛をポニーテールに仕切っているのでまだ気持ちは楽です!
そんな気分の今日も月岡芳年。
今回は『風俗三十二相』の第十九「じれつたさう 嘉永年間 鳶妻之風俗」です。(鳶妻であねごと読みますが、素直に変換は出てきません…泣)
「纏」という文字のついた半纏が後ろに掛かっていますが、女性はそれを着ていませんね。
この半纏は火消しの人間が持つもので、火消しの中でも「纏持ち」という役割の人が着るものであるようです。
大好き和楽さん。
火消し全体の説明がございます。
頻繁に火事が起こる江戸では火を消してくれるヒーローとして扱われていたそうです。
町火消は、火事を見つけると即座に現場に急行し、はしごをかけて屋根に上ると組の纏(まとい)を振り、どの組が一番に駆けつけて、現場の指揮をとるのかを示しました。屋根の上に仁王立ちになって颯爽と活躍する姿は、憧れの対象となったのだとか。
命懸けの仕事だけれども市民のためならすぐに急行しなければならない。大変な使命を背負っていますね。
火消がもっているものについては纏(まとい)といい、纏を持って燃えている家の屋根に上る人を纏持ち(まといもち)という。
役割は火事場を食い止める場所と、自分たちの所属する組が消火にあたっていると周囲にみせる為のもの。
纏というコレ↓を掲げるための役割です。
江戸時代に入り太平の世が続くと、武家の的率は使われなくなり、これに代わって火消が火災現場で用いる標具となりました。
目印として掲げるものらしい。
絵の女性は旦那さんに纏持ちを持っているようです。
町火消はたいてい、鳶職人を兼任していたのでこの女性が「鳶妻」であねごと読ませることは納得できます。
町火消は、ほとんど鳶職人が兼任しています。
和楽さんからの引用です。
なのでこの女性はちょっとギョロッとした目で気を張っている様子が見られます。
旦那さんが火消しに向かっているのか気が気でない様子がわかります。
当時の江戸では木造建築が多く、しかも密集しているのが特徴的です。
なので火事になると一気に火が燃え広がり、しかもそこに風が吹けば火の粉は雨の如くあちこちに降り注ぎますね。
そんな火事に備えて組織された火消しは江戸後期になると町火消として一万人以上が参画していました。
当時の消火法は今のように水をぶっしゃ〜〜と掛けまくるのとは違います。
泡かな?とは思いましたが違くて、もっと荒技。
風下の建物を取り壊すことで延焼を防ぐ方法をとっていました。
纏持ちは取り壊した家屋の前で纏を掲げることで目印として消火に徹していました。
火が来るギリギリまで纏を掲げている、どうしてでも火を食い止めるという気概を持つ人間がつとめるモノだったのです。
今日は絵から話はズレてしまいましたが、火消しと纏についてよく知ることができました。
今日はここまで!
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