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そして生まれたのがマイルール

※今回は前回(デコボコの施工レベル|自主サラ大家|note)、前々回(きっかけはスケルトンリフォーム|自主サラ大家|note)からの続編です。


自宅のスケルトンリフォームは不満だらけの結果となりましたが、それは施工面でのことであり、売れっ子プランナーが教えてくれたスケルトンリフォームの可能性とそれに携わる面白さを知ったことはいい経験になりました。

マンションの「専用部分」という固定された枠の中に「キッチン」「トイレ」「浴室」「洗面」「リビング」「寝室」「子供部屋」など、大きさも形も自由に変えられるパズルのピースを上手くはめ込んでいく作業は創作活動そのものです。
とは言え、残りの人生でもう一度スケルトンリフォームをすることはおそらく無いでしょう。
「間取り決め」というパズルに夢中になることはもうないのかと思うと寂しいかぎりです。


ところでスケルトンリフォームした部屋に引っ越すと同時に、私は区分マンション大家を始めていました。
費用対効果を考えると、貸している部屋を今後スケルトンリフォームすることはまず無いでしょうが、定期的なリフォームは必要です。
クロスやフローリングに加え、ユニットバスや洗面化粧台、システムキッチン、建具など、傷み具合に応じて交換していくことになるでしょう。
その時に必要となるのが、リフォーム会社の見極めや見積書の比較、工事内容の詳細な指示です。

リフォーム会社の見極め方については、未だ模索中です。
毎回業者を変えるのではなく、できれば信頼できる決まった業者(あるいは職人)に発注したいのですが、リフォーム会社の場合は複数の職人を抱えているため、前回と同じ職人を指名できるかがポイントです。
たとえできたとしても、物件数が少ない兼業家主の場合は工事頻度が数年に一度しかなく、指名した職人が既にいなくなっている場合もあります。

では直接職人に発注する方法はどうか。
この場合はとりあえず一度はトライアルで施工してもらわなければ判断できない点と、次回の希望する工事日程にどこまで合わせてもらえるかがポイントです。予定が合わなくて数週間以上待たなければならないようだと入居開始時期が遅れ、大家としては機会損失となるからです。
また、単独の工事であれば問題ありませんが、複数の工事を同時進行で行うとなると日程調整と施工順序の調整に手間取り、ハードルはグンと高くなります。
そう考えると、信頼できるリフォーム会社を見つけておくぐらいしかないのかなと、今は思っています。


見積金額の比較を行うためには、希望する工事の詳細を決めておかなければなりません。
全く同じ工事でも使う材料が変われば金額は変わりますし、高い技術レベルや手間のかかる作業を要求すれば金額は上がるからです。

そのため、私は「仕様書」を事前に作成し使用する部材のメーカー、品番、色番を書き込み、それを複数社に提示して見積もりを依頼します。 
見積もり方法も比較しやすいよう統一しておきます。たとえば部屋ごとではなく工程ごとに単価も入れて見積もってもらうなど。
施工方法にこだわりがある場合、たとえばクロスは極力コーキングを使わないようにとか、フローリングの板目は全室同じ向きに統一して見切り材は使わないなども、初めから細かく書き出しておきます。

自作の仕様書を作成するにはある程度の知識が必要ですが、部材の選択であればメーカーのホームページからウェブカタログで候補を選び、カットサンプルを取り寄せるかショールームに行けば決定できます。
施工方法についても、「クロス張り替え 注意点」などのキーワードを検索すれば、参考になる情報はいくらでも入手できます。

「仕様書」の内容が細かければ細かいほど施工後の「こんなはずじゃなかった」は防げます。
希望する施工ができるかできないかも、見積もり段階ではっきりします。
細かな注意点の中には、私がスケルトンリフォームで実際に味わった悔しい思いを回避できるよう、先回りして書いておきます。

リフォーム会社の候補を数社に絞っておき、可能な限り細かい仕様書を作成して見積もり依頼する・・・これが私がたどり着いた「失敗しないリフォーム」のためのマイルールです。


ところで、自宅のスケルトンリフォームを終えて間もなくして「スケルトンリフォーム」が徐々に市民権を持ち始め、当時築30年にもうすぐ手が届く我がマンション群でも、週末ごとにどこかの棟でリフォーム会社主催の「オープンハウス」が開催されるようになりました。
覗いてみると、プランナーや職人の当たりはずれによってラッキーだったり不運だったりしているのが見て取れました。
施主は皆、同じように大金を払っているはずなのに、この出来栄えの差は残酷ですよね。

リフォームに直面している大家さんやこれからリフォームしようと考えている皆さんには、ぜひ細かな「仕様書」を事前に作成し、払った金額に見合ったリフォーム工事となるよう、また仕様書と違った場合には速やかにやり直し工事を要求できるよう準備しておかれることを強くお勧めします。

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