不動産投資は購入価格で成否が決まる(前編)
私が収益用区分マンションを中古購入した時の話です。
2016年の夏。
その日も日課になっていた不動産検索サイト「homes収益物件」を眺めていました。
その年の春に中古で収益用区分マンションを購入したばかりでしたが、リフォームして入居者が決まり順調にスタートしていたので、同じブランドシリーズの収益マンションなら仕様がほぼ同じで戦略が練りやすいと、かなり絞った検索条件で探していました。
目に止まったのは、大阪のターミナル駅から徒歩4分の立地で最上階角部屋。広めの1LDKですが1Rほどの広さのルーフバルコニーもついています。
価格は春に購入した物件より若干高い程度。
但し入居中のため内覧できません。いわゆるオーナーチェンジ物件です。
取り敢えずサイトの「お気に入り登録」して検討に入りました。
収支バランスをチェックするために想定できる諸経費やランニングコストを全てエクセルに落とし込んでいくと、気になる点が出てきました。家賃です。
魅力的な物件なのに、どう考えても相場よりも1〜1.5万円安いのです。
売り主が新築で購入した際にサブリース契約でもしていたのでしょうか。そうであれば辻褄が合います。
たとえ売り主がサブリース契約をしていたとしても売却すれば契約は解除。次の所有者に引き継がれることはないのでそれが理由なら問題にならないのですが、掲載情報からはそこまで読み取れません。
私がこの物件を見つけてから仲介会社に電話で問い合わせするまで1ヶ月空きました。家賃の低さと内覧できないリスクを考えて直ぐには行動に移せなかったのです。
その間に誰かに購入されてしまったら縁がなかったと諦めるつもりでした。
その1ヶ月の間に現地に行って共用部の管理状態のチェックや周辺環境を自分の目で確かめていました。
エントランスには大理石の壁に御影石の床と、高級部材を使っているにもかかわらず埃っぽくて薄暗いというのが第一印象でした。
大理石の壁を指で擦るとホコリが付いてきたので、恐らくこの15年間一度も壁の清掃をしていなかったのでしょう。
それと、貼り紙を撤去した後のセロテープや両面テープの残骸。黒ずんだりパリパリになって残っていました。
気になったのはそれぐらいで、サビや欠け、メンテナンス不良などは見当たりません。
薄暗く感じたのはこの埃や残骸のせいです。
奇麗に清掃さえすれば大理石がダウンライトの光を反射するので新築当時の明るさは復活するはずです。清掃のための費用も僅かでしょうから、先ずは合格としました。
結局1ヶ月経っても掲載は消えませんでした。
不動産投資家は利回りに敏感なので、皆手控えていたのかもしれません。
どうしようか迷ったあげく、仲介会社に電話してメールで資料を送っててもらうことにしました。
その後、気になっていた家賃の件や売主の売却理由、ここに至るまでの経緯など、詳しく聞くことができました。
この続きは後編で。
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