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デコボコの施工レベル

※今回は前回(きっかけはスケルトンリフォーム|自主サラ大家|note)の続編です。

そもそもなぜこのリフォーム会社に決めたかと言うと、担当プランナーが一級建築士だったので間取りの変更がどの程度まで可能かや、どの設備機器が納まりが良いかなど、こちらの質問や要望に対して「後ほど連絡します」などと待たせることなく、その場で実現の可否を即答してくれたからです。
キャリアを積んできたであろう当時40代のその中堅プランナーは、一級建築士という資格以上に顧客のニーズをよく把握していて、他社では得られなかった安心感を与えてくれました。

ここまでは完ぺきでした。
問題はこのあと。


いざ施工が始まると、仕様書と違う部材が使ってあったり図面と違う寸法だったりと、同じ会社とは思えないほどずさんなものでした。
幸い現場が隣の棟だったので、進捗具合が気になって毎晩覗きに行ったからこそ早期発見が出来たこのような施工不良は毎日のようにありました。

その都度写真を撮り担当プランナーにメールで報告しては翌日の工事で修正する、というのを繰り返していましたが、ある日そのプランナーから冗談交じりで「〇〇さんに現場監督していただいて助かります」と信じられないような返しを受けた時は愕然とし、沸々と怒りが込み上げてきました。
工事が完了するまで一応担当ではあるけれど、工事が始まった時点でプランナーの仕事は事実上終わったんだと、その無責任な発言を聞いて悟りました。

このように、施工途中で発見したものはその都度修正できましたが、完成してから発覚した施工不良も一つや二つでは収まらず悪夢の連続でした。


ユニットバス
洗い場カウンターの水と湯の配管が逆でした。
初風呂を楽しもうとシャワーを出しても一向に湯になりません。
まさかとは思いつつ水側いっぱいにハンドルを回すと湯になるではないですか。
直ぐにプランナーに電話して業者に来させたのは言うまでもありません。

他にも、上下のシャワーフックの位置が左右方向に数センチずれているため目立ち、壁の棚を引っ掛ける左右のネジとネジの距離が寸法通り出ていないために棚がきっちりはまらず傾いているなど、目を疑うような施工不良がありました。
とは言えユニットバスの壁は一度ネジ穴を開けてしまうと開けなおすか壁の交換しか修正方法がありません。
新品の壁にネジ穴を開けなおすのはもの凄く抵抗がありましたし、既にそこでの生活を始めていて壁交換のような大掛かりな工事も現実的ではないため、修正は断念しました。
まあリフォーム会社に要求したとしても直ぐに壁交換とはならなかったでしょうしね。


洗面化粧台
なぜか壁面に対してぴったりくっついておらず、片側が手前に出ていました。なぜそうなったのか理由はわかりませんが、床材に使った防水フローロングの板目に対して洗面台が斜めになっていて目立ったので気づきました。もちろん修正させましたが。


エアコン
3台設置させましたが、翌年の夏に2台から水漏れがありました。
設置した業者に修理させましたが、その翌年にまた水漏れです。
もうこの業者は信用できないと、自腹を切ってエアコンメーカーのアフターサービスを呼びました。
分解するなり「だれがこんな工事したんですか?」と聞かれたのでリフォーム会社が手配した業者だと伝えると、「商業ビルしかやったことが無い業者だとこんな風に適当な工事することがあるんですよ」と言うではないですか。
室内機の冷媒管をきちんと断熱材で密封していなかったのが原因で、冷媒管の周りに多量の結露した水が溜まってそれが夏になると溢れだしたのでした。
こんな状態が2年も続いたため、銅色の冷媒管は青緑に変色してしまって元には戻りません。新たに購入した高機能お掃除ロボットエアコンも台無しです。
この件も写真を撮って報告し、エアコン3台分の修理代を請求しました。


クロス
ホワイト系のクロス一色ですべての部屋を仕上げましたが、真っ白なコーキングの線がうるさく目立ちました。
ホワイト系とは言え真っ白ではなく若干アイボリー寄りのクロスに対し、歯磨き粉のような真っ白のコーキングを塗れば浮くのは当たり前です。せめて近似色のコーキングを使ってくれていたらもう少しマシだったのに。

しかもそのコーキング箇所の多さと言ったら、家じゅうに細い白線を引いているみたいになっていました。
腕のいいクロス職人はできるだけコーキングは使いません。
壁と梁がぶつかるところなども、僅かに重ね貼りをして継ぎ目の存在感を消します。コーキングを使うのは建具枠との突合せ部分ぐらいでしょう。

でもやってしまった後はコーキングを重ね塗りすることもできずどうしようもありません。本当に悔しかったのですが、経年劣化でコーキングが黄ばんでくるのを待つことにしました。


開き戸
開き戸のうち1枚のラッチのかかりが甘く簡単に開いてしまうので調べて見ると、目視でもわかるぐらいドア枠の真ん中部分が樽のように広がっていました。
メーカーの売りである三次元蝶番を駆使してやっと引っかかるようになりましたが、もうこのレベルの施工不良は珍しくもなくなっていたので怒ってクレームするのも面倒になり、できる範囲で自力で補修するようになっていました。


不良箇所をリストアップしたら30か所以上にもなりました。
これほど施工不良が発生した原因は、リフォーム会社がそれぞれの業者、つまり水廻り業者、電気工事業者、クロス屋といった下請け業者に、施工レベルを管理することなく丸投げするからであり、さらには現場監督も多忙なため一つの現場に注力できず、たとえ施工不良を発見したとしてもその後の手間や費用のことを考えて施主から指摘されるまで見て見ぬふりをしているからだと、リフォーム業界の闇の部分について、のちに知り合った別のリフォーム業者から聞きました。

相見積もりをした段階で決して最安値だったわけではなく、むしろ他社の2~3割高かったにもかかわらず、プランナーが信頼できそうだからという理由で選んだのは間違いだったのでしょうか。
失敗のないリフォーム会社はどうやって見つけるのが正解なのでしょうか。

建築関係の方、ご覧になっていたらコメントお待ちしています。


何が悲しいって、自分がいろいろ調べた上で吟味して選んだ思い入れの詰まった部材や設備機器を、不誠実な施工によって取り返しのつかない傷物にされたことが一番の悲しみでした。

こんなこと、リフォーム業界では珍しいことではないのかもしれませんし、私と同じように雑な施工をされてもそのことに気づいていない施主さんもきっと多いのかもしれません。
だからと言って「リフォームなんてそんなもんだよ」とは言わせたくありませんし、「プロならプロなりの仕事しろよ!」と怒鳴り付けたくなります。


とは言え、怒ったところで何も変わりません。
この苦い経験を無にせず、次に展開する賃貸業において生かしていくことにしました。

この続きは続編で。

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