実際にあった浴室乾燥換気扇のトラブル
以前、入居して一か月目の入居者からこんな連絡を受けました。
「ユニットバスの換気が悪くカビが生えて困っています。カビが生えないように入浴後は毎回3時間 換気 “強” で乾燥していますし、24時間換気も運転しています。浴室乾燥換気扇が壊れていると思います。修理してください。」
入居前の空室期間中には私自身が試運転して問題なく稼働することを確認していますし、フィルターも掃除してあります。ひょっとして操作方法を間違えているのではないかとも思いましたが、話を聞くとそうではなさそうです。
であれば故障だろうと判断し、(カワックという大阪ガスの製品なので)大阪ガスのサービスセンターに連絡し、入居者の都合に合わせて修理に行ってもらいました。
確認してもらったところ、「吸い込み量が弱けれども機器の故障は見当たらず何が原因か首をひねっています」との報告。いよいよ機器入れ替えかと、他の業者に相見積もり依頼をしていたところ、先ほどの修理担当からまた電話がありました。
「原因が分かりました!浴室の排気口が共用廊下側にあるんですが、その排気口の内側に目の細かいネットが貼ってあって、そのネットに埃の塊が詰まってました!」
写真を送ってもらったところ、こんな ↓ 状態でした。(写真は既に半分以上取り除いた後ですが。)
浴室の排気は水分を含んでいるため、埃が水分を吸って団子状になるようです。それが排気口の出口でネットに引っかかり排気口を塞いでしまっていたのです。
この換気扇は浴室+トイレ+洗面所の3室を1台で賄う三室換気型ですので、吸い込む埃の量も多かったのでしょう。しかもトイレと洗面所の吸い込み口にはフィルターが付いていないので、大きな埃も吸い込み放題でした。
築15年目でしたが、おそらくこの間一度も排気口を掃除したことは無かったでしょうから、溜まりに溜まった結果でした。
この時は排気口のネットの埃を取って一件落着しました。
それから2年後、この入居者から退去一か月前の通知が来ました。
機器の故障など何か困っていることは無いかと尋ねたところ、「浴室換気扇の能力がものすごく弱くてティッシュを当てても吸い付かないぐらいです」とのこと。「直ぐに修理にいかせましょうか?」と聞きましたが、「あと一ヶ月で退去するので、退去してからゆっくり修理してください」との返事だったので、度々業者が入室するのも嫌だろうと思いそうさせてもらいました。
退去の日、浴室換気扇の吸い込み口にティッシュを当ててみたところ確かに弱々しいです。ところが繋がっている洗面所とトイレの吸い込み口は勢いよく吸っています。という事は??? 本体は機能的には問題ないはずです。
そこで浴室換気扇のフィルターを外してみました。すると、目の細かいフィルターに埃がびっしり詰まっています。
何のことは無い、今度は2年間フィルターを掃除しなかったための目詰まりが原因でした。
設備機器の調子がおかしいなと気づいた時に、入居時に渡してある取扱説明書を読んで理解していればこのようなことは防げたはずですが、実は機器側にも問題がありました。
フィルターがあまりにも本体と一体化していて、パッと見てもそれが取り外せる部品だとは気づけないのです。その上、上手く爪を引っかけないと取りずらい設計なので、入居者も、まさか外れるとは思わなかったのかもしれません。
その後、同じことを繰り返さないよう、次の入居者のために写真入りの注意書きを作成し、取扱説明書のファイルに加えました。
入居者から機器の故障の連絡を受けた際、自主管理家主がすべきは直ちに修理業者を手配することです。
とは言え今回のように、家主が経験を積んでいれば簡単なアドバイスで解決することも多々ありそうです。
退去までの最後の一か月間、入居者に不自由な思いをさせたままだったことが反省点であり、今でも心残りです。
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