【短編小説】木曜のビヨンド ver.2
僕の自殺願望は昔からだが、より強くなったのは学生時代だ。僕が定春と出逢う頃には、僕らの両の目はぼんやりしていたし、もっと鬱蒼としていた。僕らはぼんやりすることが多かった。のんびり、とは違う。ぼんやり、は何もない。ずっと、何もない。
変わり者になるには、「それ」として注目される人間でなければならない。定春は高校時代から「それ」で、僕は決して成れていない。定春を語る時、僕を含めた人々はどうしてもその容姿を切り離すことができない。彼の大きな黒目が綺麗で、整ってしまっているのが悪いの