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傷つけた側が救われるターンは本当に今ですか?

土曜日!寒かったー!
よりにもよってこんな寒い日に朝から晩までで予定を詰めて、春の装いで出掛けてしまいました。
風邪をひかないようにちゃんと湯船に浸かって100秒数えます。

(ほぼ)毎日更新を始めてから今に至るまで明言したことはありませんでしたが、私の趣味はエンタメです。ドラマも映画もアニメも観るし、最近はめっきり減ってしまったけれど漫画も小説も読みます。

今回は個人的にタイムリーな内容だったので「不適切にもほどがある!」について語らせてください。

クドカン作品への想い

日本ドラマで好きな作品は?と聞かれたら、まず「クドカン」は絶対に挙げます。
社会問題を高い解像度で描き、物語のエンタメ性を失うことなくそれを作品に盛り込むことがでる彼のスキルは、世界でもトップクラスだと思っています。
しかも、日本でポリコレが叫ばれるずっと前からこのスタイルとクオリティを維持して貫いてるんですよ!凄くないですか⁉︎

「ポリコレ」に配慮するあまり道徳授業のビデオみたいな作品が量産されている昨今、「ポリコレに配慮していようと面白い作品は作れる」をずっと前から体現してくれているのがクドカン作品だと思っています。
どの作品の、どのポイントがきっかけでクドカンのファンになったのかも是非語りたいところですが今回は最新作「ふてほど」について、感じたことをまとめさせてください。

「ふてほど」という作品

彼の作品の性質もあってか、クドカンファンの中には「ポリコレ」に関してアンテナの高い、所謂「表現に関して口うるさい」タイプが多いですが「ふてほど」は初期の方で既にリタイアするファンが多いように感じられました。
昭和の常識と令和の常識を比べて、昭和の考え方を肯定するような雰囲気が耐えられない、というのがリタイア組の主な意見で、私もそこは正直同意できる…部分もある。

個人的には、クドカンの類稀なる手腕によって「昭和も令和も一長一短だよね!」という絶妙なバランスを保つことができている作品だと思っています。
ただ、主人公に昭和のおっさんを据えている影響か、どうしても違和感が勝ってしまう瞬間があるのが正直なところ。
私が特に違和感を感じたのは第3話の「みんな誰かの娘論」。ざわついた視聴者も少なくなかったようですが、これ、界隈では散々語り尽くされた理論なんですよね。間違った考え方として。

とはいえ、私も一端のクドカンファン。
まさかあのクドカンがこんな古臭い理論を正しいものとして表現する訳ないよね?最後の最後に何か納得できる形で回収してくれるんだよね?と持ち前の推しに対する贔屓目を発揮して9話までついてきました。
が、残念ながら雲行きがかなり怪しくなってきました。

「ふてほど」9話の感想

9話では、メインキャラの1人である渚ちゃんが、後輩にパワハラを行ったとして休職に追い込まれます。渚ちゃん本人としては後輩を傷つける意図は全くなかった。けれど、会社も世間も彼女の発言を許してはくれない。後輩の思わぬ反応と、それに対する周りの過剰な対応に戸惑う渚ちゃん。そんな彼女を勇気づけるように、父親が力強く歌います。

「パワハラ上司も 鬼じゃない」
「セクハラ上司も 人の子だ」

あー、無理かも。

クドカン!ごめん!無理かも!
少なくとも今の私の精神状態では、この作品は受け入れられないかも!

わかる。最大限予防線が張られてのコレだよね。渚ちゃんの性格とか、後輩の性格とか、父親の愛情とか、一度の失敗を過剰に叩く世の中とか…作中を通して繊細かつさりげなく、詳細な説明が散りばめられてのコレなのはわかってる!
ファンだからね!オレでなきゃ見逃しちゃうね!

でもさぁ、作中でも言ってたけど、今の日本はパワハラだのモラハラだの「細かく認定して、解決した気になってるだけ」なんですよ。
だから、傷つけられた側が異常だと考える人も、まだまだごまんといるはずなんです。

世間への体裁を保つ為、会社として形だけの対策を行なって「今回は災難だったね」「まぁ、次からは気をつけてよ」「まったくやりづらい世の中になったよなあ」なんて傷つけた側と笑い合っている会社の方が、過剰なパワハラ認定に苦しんでいる人達よりよっぽど多いとは思いませんか?

もちろん、パワハラに対する考え方や対処法が未成熟な世の中である点には全面的に賛成します。でも、傷つけた側に寄り添った考え方を発信するのは、いくらなんでも時期尚早じゃありませんか?
まずは、パワハラを行った社員と、その社員を抱える会社が「傷つけられた社員も人の子だ」と “正しく” 認識できるようになるのが、先だと思うんですが。

とはいえ、毎週次話を楽しみにしているんですからある意味クドカンの手のひらの上かもしれませんね!最終話は29日10時から15分拡大スペシャルです!ぜひご覧ください!

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