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全体性を癒し、全体性を生きる−ほんとうの意味で響きの本質を理解するために

現在行っている”Awakening voice – 魂のうた”のワークは、私を声の世界に導いてくれたヴォイスヒーラーの渡邊満喜子氏のメソッドを元にしてはいますが、そこには全く異なるレイヤーのコンセプトが加えられています。

ヒーラーがいて クライアントを癒すーこれが普通に多くの人がイメージするいわゆる「ヴォイスヒーリング」かもしれません。あるいは、スピリチュアルな「セッション」における「リーディング」のように、人生への具体的なアドバイスを求めるためのもの、など。

私も当初はそういうものを想定していましたが、ある出来事がきっかけとなり、捉え方がまったく変わってきました。その中で、私自身、声や響きの本質を理解していなかったということへの気づきもありました。

私のマインドは理解していなかったーけれど、私のマインドが理解する、しないにかかわらず、私の中の「声」は本質そのものであり、そこにあるがままに存在していた−そのことに私のマインドの認識が至っていなかったのだ、と。

今行っている声のワークー10のエネルギーポイントで発声するーなどは、ある程度習熟することによって、ご自身のより本質的なエネルギーとコネクトできるようになり、色々と解放が起きたり、気づきを得られたりするようになります。

けれど、それはある意味では因果律ー過去から未来へ、あるいは、左のものを右に移動させるーに基づいたことを行っているに過ぎません。もちろん、そのように状態を「良い方向へ変化させる」ことも渡邊氏から受け継いだ「ヴォイスヒーリング」としての大事な側面です。

けれど、私がヴォイスワークを行う上で大事にしている大元のところというのは、過去から未来へと進む時間軸の中で起こることとはまったく違うレベルで「響き」の世界を体感していってほしいということです。それが、私が「Awakening voice – 魂のうた」として始めた大元の感覚になっています。

「響き」というのは、一瞬にして宇宙の全体性にアクセスすることだそうです。一瞬の響きの中に、宇宙全体との関係性が存在する、それも一瞬一瞬変容するダイナミズムを伴いながら。因果律の中の原因があり、結果がある世界ではなく、原因と結果、「あれ」と「これ」、過去と未来、すべてが同時に存在する。だからこそ、すべてがつながり合っている。それが本質的な宇宙のありようであり、そのような認識に私たちが”目覚める”必要があります。

それは、「『あれ』があって、『これ』がある世界」ではなく、「『あれ』と、『これ』が同時に存在する世界」です。
仏教に「縁起」という考え方があります。縁起は英語では「Dependent Co-Arising」と訳されるそうです。「Dependent」は、「依存する」という意味であり、「Co」は「同時に」を意味し、「Arising」は「起こる(生起する)」という意味です。つまり、「(物事は)同時に生じること(の作用)に依存して成り立っている」という意味になります。

まさにそのような「縁起」の世界ーすべてがつながりあっている世界ーというのは、「『あれ』があって、『これ』がある世界」では感じることができません。そことは全く違う認識の在り方に転換していく必要があります。

何かを「変える」ためではなく、すべてが、同時に、つながって起こっているという、今までとはまったく違う認識に転換していくということ。極論すると、このヴォイスワークは「何かを変える」ためのものではなく、「今この瞬間がつながりの中に存在するということへの気づきと解放」を意図しているものなのだと思います。

私たちはすでにそのように存在している、そのことに気づくということ。何者かになる・何かをしなければならない、そのような必要はないということ。そのような思考ですらも、つながりの中で起こっているということ。必要なのはただそれに気づくことだけだと。そう、それは一瞬一瞬の「気づき」の中に存在するものなのだと感じています。

そのように、すべてがつながりの中に存在していると理解した時、そこにあるのはほんとうの意味での解放と、安心なのだと思います。それは「わたし」という個から解放されると同時に、「わたし」という個を受け入れる体験を私たちにもたらしてくれます。

いま、私たち人間の全体的な意識の流れとして、「全体性を癒し、全体性を生きる」というフェーズに移行しようとしている時なのではないでしょうか。そのようなこれまでとは「全く違う認識」への転換の一助として、このヴォイスワークが在ることができればと願っています。

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