木型ってなんだ
型屋として日々型製作を行っている弊社ですが、型の中でも特に鋳造に使われる「木型」と言われるものを主に製作しています。
◆木型とは
鋳造というものをご存じでしょうか?
鋳造とは、型に高温で溶かした金属を流し、冷やし固めることで目的の形状に成形する方法です。
この方法で成形されたものを「鋳物」と言います。
身近な鋳物製品と言えばマンホールのフタも鋳物なんですよ。
溶かした金属を流し込む型の名前を「砂型」といいます。
砂型という名前の通り、砂型には、凝固させた特殊な砂の中に目的の形状、つまり流し込む金属が入る空間が開いています。
マンホールの例でいうと砂の中にマンホールの形状の空間が開いているということになります。
では砂の中にマンホールの形状の空間をどのように作るのでしょうか?
この空間を作るためにも別の型が必要であり、砂型を取るための型=木型と言います。
主に弊社が製作している型というものはこの「木型」となります。
また、凝固させた特殊な砂とはいえ、砂には変わりありません。
溶かした金属を流し込む前に、まずは砂を壊さず中から木型を取り出さなければなりません。
◆木型を作成するために重要なこと
①分割面をどこに設定するか
→砂から木型を取り出すために設ける砂型の分割面を設定する
型をどこで分割するのかによって鋳造のしやすさや製品の出来栄えが大きく変わります。
また、木型自体も作り方が変わるのでとても重要なポイントです。
②抜けるような形状で木型を作成する事
→木型の側面に勾配を設ける
引っ張って抜けるように型を分割や部品を製作する
基本的に砂と木型が垂直状態で競り合っていると、当たる面が大きく型が抜けません
そのため、木型の垂直面には抜き勾配といって勾配を設けます。
勾配を設けることで木型を砂型から抜きやすくすることができます。
また、砂から取出すとき、そのままの状態では取り出すことができない凸形状や凹形状のことアンダーカットといいます。
アンダーカットがあると、砂から木型を抜くことができません。
このアンダーカット部を如何にして抜けるような構造で製作するかが型作りに必要なことの一つです。
◆材質
木型と言っても木だけが使用されているわけではありません。
鋳造の型の使用目的によって材質は様々です。
①木材もしくは樹脂
【特徴】
・抜ける形状にすることで繰り返し使用することができる。
・アンダーカット部がある場合、抜けるように細工をしなければならない
・型を抜き取るために勾配を設けなければならない
・湿度や経年劣化により寸法狂いも生じる為、注意が必要。
②発泡スチロール
・壊し型の場合、1回しか使えない
・型を壊したり熱で型を焼き切ることができる為アンダーカットがあっても型を取り除くことができる
・勾配を設けなくても良い場合がある。
・表面強度がない為、変形や破損に注意が必要
③蝋
流した金属で蝋の型そのものを溶かしてしまうため型を抜く必要がない
アンダーカットがあっても型を抜く必要がない
主にこのような材質があるようです。
特に弊社では、主に①②の材質を切削加工し木型を製作しています。
大分簡易的な解説になってしまいましたが、ざっくりとした解説は以上です。
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