見出し画像

タマムシ

20240827
庭で、タマムシが飛行している姿を見かけて佇んでいると、自分の周りをくるっと回った後、近くの薪棚に着陸した。

胴体が重たそうな姿勢で、縦に飛んでいたのが気になっていたのだが、止まった姿を観察していると、お腹が妙に膨らんでいた。案の定というべきか、程なくしてお尻のあたりから卵管がピクピクと出入りしている様子が見てとれた。それが卵管だと分かったのは、ただの勘で、その昔、昆虫の図鑑で見た、バッタのそれを覚えていたからだ。

その美しさは唯一無二である


実際に卵を産みつけるところまでは観察できなかったのだが、58歳にして、こうした昆虫の営みに出会えることは何よりの喜びである。

心配なのは、産みつけたであろう場所が、薪棚だということだ。今年の冬、我が家はこの場所の薪をストーブに焚べる。自分の記憶が冬まで続くのであれば、タマムシのいた場所の薪はなるべく避けたいところだが、誤ってタマムシの卵ごと、エネルギーに変換されてしまう危険性もかなり高い。


メタリックな質感がビニールシートに反射している

今回のタマムシの例に限らず、
田舎暮らしをやめられない大きな理由は、自然界から得られる圧倒的な情報に毎日接しているという点だ。
また、以前にも書いたが、自然界が自分の悩みを吸収していることも、身をもって感じている。

どこかの党の代表選で囁かれていたが、政治の世界では「人間中心の経済」が未だにキーワードのようだ。昆虫、植物、鉱物などを中心とした経済にシフトしない限り、私たち人類の居場所は、遠くない未来になくなってしまうだろう。

タマムシさんありがとう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?