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203 千夏先輩の悲劇と能登の未来
一昨日、連続2クールの後半が始まった『アオのハコ』、タイトル画像にしたOPの千夏先輩にぎくりとしました。アニメスタッフも原作者の三浦糀も上杉和也の生きたラストカットを知らないはずはない。私はコミックスを既刊揃えてしまったからネタバレは避けるけど、千夏先輩に悲劇が訪れると見て間違いない。
と、正月三が日に観た分のアニメ談義をしたい気持ちもあるのですが、やはり元日の能登報道に注目していると公言した手前、わざわざ買った朝日新聞について論じる義務を自分で感じています。
朝日は1面と2面、34面と35面に能登について割いてくれました。しかも1面はトップ記事。その点で朝日はまだ捨てたものでないと思うことが出来ました。
しかも「老いて縮む能登は、多くの自治体にとって、近い将来と重なる」と書いていて、正に我が意を得たりで嬉しくなりました。そして2面、そのための処方箋が実践と実例を伴って書かれているのですが、小熊英二の「インフラ整備に頼る復興」という批判について、私としては珍しく批判します。
noteでも書いたけど3回目の輪島への災害ボランティア、地震で一回潰れたから。元日の地震ほど規模が大きくないはずなのにバスのルートが寸断されて金沢から行けるルートがなくなったらしい。そんなに金沢―輪島のルートが心細いものかと驚いたものです。
それまでに能登の復興には観光と水産業の復活とわかってきたので、日本全体としては観光依存はあまり賛成できないという意見を持っていたけど、こと能登に関しては観光が生命線で、そのための交通インフラの整備は喫緊の課題だと思うようになったのです。
つまり能登の復興事業というのは国や石川県に主導をお願いする漁港を含めたインフラ整備と、被災者や被災を免れた能登の個々の地域の復興という二本柱が必要になる。しかもそれぞれに相応の金がかかるから、能登地震とは何なのかという科学的知見も必要になる。
つまり能登(半島)地震はどのくらいのスパンでどのくらいの規模のものが過去あったのか、それによって漁港の規模と強固さが決められるはずだから。特に強固さが問題で、今回の規模の地震が(人間の感覚で)度々あるようだったら大規模改修は漁業者に負債を押し付けることになりかねない。
だから簡単にスクラップアンドビルドできる漁港が必要で、究極は漁業船自体が卸を含めた港の役割と論理的に突き詰められるけど、可能かどうか私に全く知見はないのでした。(大塩高志)