一路一想 #18
【全は一、一は全】
今日は、山古志へ向かう道の途中、村松町を散策しました。
太田川のせせらぎを聞きながら歩く、気持ちのよい時間でした。
しばらく歩いたころ草の茂みが、絶えず、がさがさと動いているのに気付きました。
嫌な予感が頭をよぎり一瞬どきっとしたものの、音の正体を突き止めたい思いが勝り、茂みをかき分け確認してみました。
そこには、ヒヨドリが一羽、羽をばたつかせています。
状況をみると、怪我をしているわけではなく、草の茂みに足をとられているだけのようです。
外敵の存在を警戒してか、羽の動きが徐々に激しくなるのを感じました。
「助けてやるから頑張れ」と小さな友を励ましながら、絡まり合う茂みをほぐします。
ほんの十数秒の間のことだったと思いますが、その時の時間は長かったです。
ヒヨドリは無事、茂みから解放されて、真っ直ぐに遠くへ飛んでいきました。
あのヒヨドリは、助けが何もなかったら、静かにあのまま最期を迎えていたかもしれません。
たまたま私が通りかかり、救うことができた。この出来事は運命なのかもしれない。
この世界には、このような小さな運命で溢れていて、それらが一つに溶け合って今日という時間が流れているのかもしれない。
そんなことを考えました。
世界(全)とつながる一。
一がつくる全。