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一路一想 #22

◉はじめに

毎年4月24日は山古志・竹沢の「火伏のお地蔵様」の命日です。「ひぶせ」と読みます。

「火伏ってどういうこと?」、「お地蔵様⁈」、「どうして毎年4月24日?」って思いませんか…?安心してください、僕も思いました

「お地蔵様の番をしてるから、おいで。」とお誘いをいただいたので、お参りを兼ねてその答えを聞くべく出かけてきました。詳しい場所を聞かずに…

◉どこにあるの?

場所について聞いたくだりを思い出すと、浮かぶワードは「スキー場の上のほう」。

山古志にあるスキー場は古志高原スキー場です。そこで間違いないそこをあがっていけば会えるはずです。

駐車場に車を停めて歩き出しました。隣に別の車が停まっているので、先にあがっている人がいるようです。

カタクリが群生しています
ナガバユキノシタは開くまであと少し
ウッドバイオレット可憐です

咲いている花を見つけては足が止まり…がしばらく続きました。

「近道だよ」と教えられたルート。ゲレンデですよね…?

先を歩く三人の方に会いました。お地蔵様のことを尋ねると、スキー場の一番上まで上がったところにあるそう。本当にあった

遠回りをしないように近道を教えてもらいました。「坂道」です。険しいです😂日差しが強いですが、気持ちのよい風に癒されながら、一歩一歩登っていきます。

青空とモクレン
ヤブスミレ
アロヨヤナギちょっと苦手…

何か見つけては止まり、息を整えてまた歩き出す。

ようやく、火伏のお地蔵様と、番をするお母さんに会えました。(汗がじんわり、足はふらふら)

賑わっています。

腰を下ろして一休み!もほどほどにして、お地蔵様のことを聞いてみました。

◉「火伏」とはどういう意味?

火を鎮めるという意味だそうです。伏せるという漢字は「かぶせて捕らえる」という意味をもつのでなるほどなあと思いました。このお地蔵様は、火を鎮める神仏を祀るものということですね。

◉火伏のお地蔵様の由来

詳しい時期は不明ですが、昔、小松倉(こまつぐら。山古志の集落の一つ)で大火があったそうです。(お地蔵様は当時小松倉にあったのでしょうか)火が消えた後に見ると、燃えたような模様がお地蔵様の表面に現れていた、という言い伝えです。確かに、見ると色が違うところがあることが分かります。

火伏のお地蔵様 模様が分かります。
折り鶴がかかっていました。
薬師様。小千谷市の塩谷に安置されていたものがここに移ったそう。

◉4月24日である意味


この日は「お地蔵様の命日」なのだそうです。毎年
4月24日に御堂を開き、お餅やお菓子をお供えします。お参りに来る人のために番をしているわけです
ね。聞いて驚いたのが、毎年のこの日の番を50年以上続けているということです。(お母さんは星野さんという方で、この星野さんのお家が代々行っている)

朝にお餅をついてお供えします。柔らかくてほんのり温かい。

このお餅は煮て食べるんだよ!焼いちゃダメよ。」と渡されました。もちろん、火(火事)を鎮めるお地蔵様であるからという理由です。

私は、目に見えない習わしを守り、伝え、残す山古志のこうした風土が好きです。(約束を守り、そのままいただきました。お米の甘さを感じられて美味しかったです)

晴れているけれど、吹く風がまだ少し冷たい。

今年は晴天で上がってきやすい日でしたが、雪が多く残る年もあったそうです。「(スキー場だから)圧雪にしてもらってあるので歩けるよ。」と教えてもらいました。「ここ、スキー場の一番高いところですけど歩いて来られるの…?」と思ったことは秘密㊙️

集まった皆さんと星野さんに挨拶をして、来た道をくだります。

緑が輝いています。
雪が残る日陰もあります。
遠くに越後三山(八海山・中ノ岳・越後駒ヶ岳)
山のフキ
アネモネ?

訪ねて来られた人に会ったり、たくさん話が聞けたりできてよかったです。何より、長年お地蔵様を守ってきた星野さんのお話を伺えたことが嬉しいです。

何年先までやれるかなあ。」と呟いた声には深い重みが感じられました。

また来年も行きます。聞かせてもらった話を、まだ知らない人達にも伝えて、今度はみんなで会いにいけるといいな。

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