![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55695614/rectangle_large_type_2_e1e62dba3caa383eb07aebf2a27a2dad.jpg?width=1200)
【大澤研ルポ vol.1】2月に研究会&シンポジウムを主催しました | 東京大学工学系研究科大澤研究室
前回のvol. 0に引き続き、東京大学大澤研の軌跡を記してまいります!
12月のワークショップ開催のお知らせ
さて、大澤研では12月にIEEE Big Data 2021と同時開催でCDEC2021ワークショップ(The 4th International Workshop on Cross-disciplinary Data Exchange and Collaboration)を主催する予定です。
Cross-disciplinary Data Exchange and Collaboration(CDEC)は、異分野データ連携と協創を目指した国際ワークショップ及びセッションで、今年で4回目の開催となります。昨年は、"Data Exchange Ecosystem for Human-AI Collaborative Society"をテーマに、4件の発表と1件の招待講演を行いました。招待講演では、Uday Pathania氏とMahendraprasad Dubey氏をお招きし、インドにおける社会とデータのインタラクションを支援するシステムについて事例紹介を頂き、活発な議論を行いました。今年は、System Modeling and Data Origination for Social Implementation:社会実装のためのシステムモデリングとデータオリジネーション(人間の主観的な知識や視点の多様性を考慮したデータ設計・取得・活用の営み)のテーマのもと、人の興味・関心からデータが生み出される過程にテーマを広げ、より社会におけるデータの役割とその支援技術についても発表募集を行います。
2021年2月に開催した研究会&シンポジウムについて
大澤研は過去にも3年にわたってデータ市場特集という研究会と並行してISSMD(International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data)という国際シンポジウムも主催してきました。今回は、今年の2月に行われた「データ市場特集VII」研究会、および第4回ISSMD "International Symposium on Socionetwork Strategies in the Market of Data"ついて報告してまいります。
研究会では電子情報通信学会のメンバーを募り、「生活防災とコミュニティ・デザイン」というテーマで、災害マネジメント・防災、生活空間におけるヒト・データ間の相互作用によるイノベーションの創発・促進の基盤技術、地域創生、コミュニティ・デザインの技法及び事例に関して、知見の発表、意見交換がなされました。
過去に開催したISSMDについて
2019年に開催された第1回ISSMDでは、国際的に活躍されているプライバシーや個人情報保護の専門家や社会科学の観点から様々なデータを繋ぐ専門家、実業家をお招きし、2日間に渡ってデータ市場の実装、技術、事例、法制度について議論しました。
第2回は2020年に島根県出雲市で開催しました。Intercultural Collaboration and Life Space Innovationをテーマとし、4名の特別講演と出雲市の魅力発見フィールドワークを実施しました。フィールドワークの目的は、「文化」「食」「健康・美容」「縁結び」「産業」「生活」などの視点から、出雲駅周辺を散策し、魅力的な場所の発見と、さらなる魅力を引き出すためのアクションプランを考えることです。3つのグループでのフィールドワークを経て、異なる視点から出雲市の魅力を引き出すアクションシナリオが創出されました。
2021年は熊本県人吉市での開催を予定していましたが、コロナ禍の影響で現地とオンラインのハイブリッド開催となりました。テーマはDisaster Prevention in Daily Life and Community Design(生活防災とコミュニティデザイン)で、9件の招待講演と活発なディスカッションが行われました。スタンフォード大よりJan Auernhammer先生をお招きし、"People-centered Design: The why of any design"をテーマにキーノート講演をいただきました。特に、開催地である人吉市は2019年7月に豪雨災害があり、壊滅的な被害を受けました。現地で復興支援を頂いた方々を招待講演者としてお招きし、地震予測、流域生態系から考える土地利用、罹災支援のクラウド活用、人的・地域ネットワークの力、熊本城の再建やダム問題など多岐にわたるテーマでお話していただきました。さらに人吉市の松岡市長からもご挨拶とプレゼンテーションを頂き、活発なディスカッションを行いました。会場には、地元の高校生の姿も見られ、積極的に質問するなどしており、盛況をみせました。
新型コロナウイルスの影響が世界を包む前までは、学会、研究会が世界各地で行われ、研究者同士のアカデミックな親交を促してきましたが、パンデミックの状況下では多くの機会が中止、またはオンライン開催などの措置を余儀なくされています。しかし、今回ハイブリッド開催に踏み切ったことで、人吉市という地域でしか見えない事実、できない議論を生むことができたのではないかと考えています。
今回の開催で結ばれた縁により、技術、データの共有やさらなる議論の広がりが生まれていくことを今後も楽しみにしたいと思っております。
終わりに
お読みいただきありがとうございました!大澤研へのご連絡はinfo[at]panda.sys.t.u-tokyo.ac.jpまでお願いいたします。今後も大澤研の情報を受け取りたい方はフォローと通知オンをお願いします。次回は大澤研で開発されたTEEDAについてとそのTEEDAを用いたIMDJワークショップの試みについてご紹介します。お楽しみに!
文責:森原ソフィア遥(東京大学2年)