【大澤研ルポ vol.2】2月開催IMDJ with TEEDAワークショップイベントレポート| 東京大学工学系研究科大澤研究室
前回のvol. 1に引き続き、東京大学大澤研の軌跡を記してまいります!
ワークショップ開催のご報告
2021年2月に東京大学におけるデータプラットフォーム推進タスクフォースを中心にIMDJ with TEEDA ワークショップを開催しました。
IMDJは当研究室で大澤先生が開発したワークショップ手法であり、vol.0でも詳しく紹介しています!
今回のワークショップの特色は、早矢仕先生が開発した新たなアプリケーションであるTEEDAを活用したプログラムだったという点です。
プログラム
1. ハイブリッドIMDJ with TEEDA 全体説明
2. チームに分かれてTEEDA:データジャケットを生み出す
3. IMDJ:データジャケットを繋ぐ
4. チーム戦略&各メンバーのTODOのプレゼン
TEEDAとは
このTEEDA
(Treasuring Every Encounter of Data Affairs)とは、欲しいデータと提供可能データを投稿した際に、データ提供者と利用者のマッチングを行うWebアプリケーションです。
データを保有している人からの情報だけでなく、利用者がどのような目的でどのようなデータを欲しているのかという情報も交換し、データ提供者と利用者の邂逅を支援するマッチング&可視化ツールになります。
データを扱う実業と生活の現場を意識しつつ、データ保有者と利用者のマッチング可能性を探索する過程の中でデータジャケット(データの中身は公開せずに、データの概要を記述したもの)を生み出すことが可能になります。
これまでは既存のDJからしかIMDJができなかったのですが、TEEDAによりその場でワークショップ参加者の関心のあるトピックからDJを作成し、それを用いたIMDJワークショップを行うことができるようになりました。
ワークショップの成果
今回は、道路交通耐震データ、災害に強い土地利用といった建設・防災関連のデータからスーパーマーケットのPOSデータ、人の位置情報といった定番のデータ、コロナ禍で変化した人の流れ、材料の風化データ、気象庁メソ解析データなどさまざまな分野のDJが用意されました。
IMDJでは、用意したDJを下敷きに具体的に知りたいこと(Requirements)、解決策(Solutions)を付箋で記入していきます。
このようにアイデアが記入されました。
この中で仮想通貨であるmonkeyを最も集めたアイデア(Requirements)、DJ、解決策(Solutions)を紹介していきます。
Requirement
車のナビに、凍結など現実的に走行が難しいルートを排除したルート案内をしてほしい
Solution
路面凍結が起こる条件を満たす気象地域のルートを外すモードの作成をする
DJ (Data Jacket)
日本域気象再解析データ
車の位置情報
人の移動手段・事故データ
+Addtional DJ(追加で必要なデータ)
路面の素材データ,地理的な条件のデータ,路面状況の実況データ
これはすなわち気象データと車、そして人の動きの既存のデータと路面状況のデータを組み合わせることによって、走行が難しいルートを回避したルート案内が可能になるという新たなデータ活用シナリオがワークショップを通じて生まれたことを意味します。
このようにIMDJというワークショップ手法は通常はリンクされていないデータをつなげることによって、新たなデータ利活用の方法を編み出すことを可能にするのです。
↑こちらからIMDJを開催することもできるのでぜひご検討ください!
終わりに
今回もお読みいただきありがとうございました!大澤研へのご連絡はinfo[at]panda.sys.t.u-tokyo.ac.jpまでお願いいたします。今後も大澤研の情報を受け取りたい方はフォローと通知オンをお願いします。次回はまたまた大澤研で開発されたKeyGraphというツールとその便利さについてご紹介します。お楽しみに!
文責:森原ソフィア遥(東京大学2年)