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Stable Diffusion拡張機能「CD Tuner」の概要と使い方

「CD Tuner」は、Stable Diffusionの画像生成において詳細なパラメータ調整を可能にする強力な拡張機能です。これにより、ユーザーは生成画像の色味、明暗、コントラスト、ディテールなどを微調整することができます。


導入方法

  1. Stable Diffusionを起動、Extensionsタブを開く。

  2. Install from URLを選択する。

  3. URL for extension’s git repositoryに「https://github.com/hako-mikan/sd-webui-cd-tuner.git」を入力。

  4. 「Install」をクリックしてインストールする。とても軽いので5秒程度で完了します。

CD Tunerの使い方

CD Tunerにはパラメーターがあります。これを理解すると理想のイラストを作りやすくなります。覚えていきましょう。

Disable: この機能をオンオフを切り替えます。

  • Detail (d1): 画像の細部を強調し、シャープネスを向上させます。

  • Detail 2 (d2): 「Detail (d1)」よりもさらに細かい部分を調整します。

  • Contrast (con1): 画像全体のコントラストを調整します。

  • Contrast 2 (con2): 「Contrast (con1)」の補完的な調整。

  • Brightness (bri): 画像の明るさを調整します。

  • Saturation (sat): 画像の彩度を調整し、色の鮮やかさをコントロールします。

では実際に効果を試してみましょう。

CD Tuner未使用時

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.

とてもシンプルな原画となるイラストです。
光の表現や描き込みはそこそこです。

Detail (d1)を3.0

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "3,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

原画と比べると少し書き込みが増えてノイジーになった感じです。あまり変わらない感じがしますね。原画の形状を崩さずに自然に線を増やすイメージかもしれません。

Detail (d2)を3.0

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,3,0,0,0,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

かなりノイジーで荒いイラストになりました。Detail (d1)と比べてかなり効果が出るパラメーターです。あまり上げすぎは良くないようです。

Contrast(con1)を3.0

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,0,3,0,0,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

コントラストを操作したことで若干黒味が強くなりました。
シャキッとしたイラストになります。

Contrast(con2)を3.0

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,0,0,3,0,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

やはり2の数値は大きくイラストに影響を与える事が分かります。かなり黒が強調されています。影表現をつけたい時はとても便利そうです。

Brightness(bri)を3.0

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,0,0,0,3,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

自然と明るくなりました。上げすぎると白飛びしちゃいますね。

saturation(sat)を3.0

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

色が濃くなりました。

実用編

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,1.5,0,-0.5,1,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

私のお気に入り設定数値は以下のようにしてみました。

  • Detail (d1): 0

  • Detail 2 (d2):1.5

  • Contrast (con1):0

  • Contrast 2 (con2):0.5

  • Brightness (bri): 1.0

  • Saturation (sat): -0.5

描き込みは上げ明るいイラストに変化しました。
ここから更にクオリティを上げてみましょう。

二重CD Tuner法

勝手に二重CD Tuner法と名付けさせていただきました。( ゚Д゚)

ではこのイラストを更に描き込みを増やしつつ良いイラストになるようにしていきましょう。

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 208442891, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Clip skip: 2, CDT: "0,1.5,0,-0.5,1,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Downcast alphas_cumprod: True, Version: v1.8.0

このままi2iタブに移動させてください。
設定はそのままですがシード値だけには注意を。
シード値固定されているとこのイラスト自体に描き込が増大しノイズが凄い事になます。必ず-1にしましょう。
i2iタブでもCD TunerのDisableをチェック、先程のパラメータを入力していきます。
Detail (d1)
: 0
Detail 2 (d2):1.5
Contrast (con1):0
Contrast 2 (con2):0.5
Brightness (bri): 1.0
Saturation (sat): -0.5
入力が終わったら複数枚生成してみましょう。

シード値固定時はノイジー!!

失敗例!!シード値が固定されているとこんな感じに出来上がります・・・。かなりノイジー!!好みの人はいるでしょうか?

シード値を解除し無事設定をして出力するとこんな感じのイラストが出来上がります。

Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 1468389955, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Denoising strength: 0.85, Clip skip: 2, CDT: "0,1.8,0,-0.5,1.5,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Version: v1.8.0

かなり自然に描き込みとクオリティUPしているのではないでしょうか。
工程としてはt2iでCD Tunerで出力、i2iタブでシード値を解除してCD Tunerを再度かけて描き込みを増やしていく・・・。となります。
線がクッキリするのはもちろん光の表現もパワーアップします。

teps: 50, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Seed: 2315431950, Size: 1088x1536, Model hash: 9ff7964731, Model: OMXL, VAE hash: 63aeecb90f, VAE: sdxl_vae.safetensors, Denoising strength: 0.75, Clip skip: 2, CDT: "0,1.8,0,-0.5,1.5,0,0,0,0,0,0,-1,-1,0,0", Version: v1.8.0

かなり強力にクオリティーを上げる事が出来て、i2iでバランスの良いイラストを選ぶこともできます。現状私の中で一番ノイズ法に近い効果を持つテクニックとなりました。

「CD Tuner」は画像加工はもちろんクオリティーを上げるのに便利な拡張機能です。理想の画像を探していきましょう。

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