本気で殺し合ったら

後輩とうどんを食べた。暑かったので梅おろしぶっかけにわかめトッピングというさっぱりの権化のような注文をしたら、後輩はごぼう天ぶっかけに海老天をトッピングしていた。さすがは20代。生命力が違う。本気で殺し合ったら絶対に勝てっこないだろう。極力気分を損ねないように丁寧に接していかなくては。

そんなことを考えていたのだが、後半、目に見えて後輩の食べるペースが落ちていった。ここの店のごぼう天はでかいのだ。それを知らずに海老天まで追加したものだから、想定外のボリュームになってしまったのだろう。一応先輩に気を遣って「いけるなあこれ」みたいな表情を作っているが、目に光がない。注文したときはあんなに輝いていたのに。

僕は早々に自分のうどんを平らげると、先程の考えを若干修正した。今なら、本気で殺し合ったらいい勝負ができるかもしれない。