笹かまぼこの幅
「笹かまぼこ」はその名の通り笹のような形状をしているが、笹にしてはだいぶ幅広であり、「意外と大きいな」という気持ちになってちょっとしたお得感がある。これがもし「蓮かまぼこ」という名前だったら、蓮の葉にしては細すぎるため、損した気がするのかもしれない。名前は重要だ。
形状的に一番しっくりくるのは「サーフボードかまぼこ」だと思うのだが、その名前だと無駄に期待値が上がってしまって、「なんだただのかまぼこじゃないか」とガッカリされる恐れがある。せっかくの美味しいかまぼこが、名前負けしているタイプのお土産扱いされるのは忍びない。
やはりかまぼこのネーミングとしては、「笹」くらいのなんでもなさがちょうどいいのだろう。背伸びをしていないモチーフだからこそ、かまぼこという庶民的な食べ物との親和性が高いのだ。等身大の歌が売りのシンガーがハイブランドの実用性度外視の服を着ていたら、やはり引っかかってしまう。
形状の比喩と身の丈を天秤にかけて導き出された結論としての「笹かまぼこ」。今後食べるときは、その名前の重みに思いを馳せてみてはいかがだろうか。
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