オート機能を使えない
電子レンジの「オート」的な機能を使ったこと
がない。きちんと使いこなせばきっと便利なのだろうが、どう使えばいいのかがよくわかっていないのだ。調べようにも説明書はどこかへ行ってしまった。世の中に電子レンジの説明書の在処を把握している人間がどれだけいるだろうか。もはや本当の幸せより見つけづらい。それが電子レンジの説明書だ。
そんなわけで、料理を温めるときはいつもワット数選択→時間設定、という一番シンプルなやり方を選んでいる。設定時間はなんとなくである。足りなかったら20秒追加して様子を見ればいいのだ。
あと、大体の冷凍食品のパッケージに「オート機能は使わないでください」と書いてあるのも僕のオート離れの原因の一つである。一人暮らしにおいて主なレンジの使い道は冷凍食品だ。その場面で全面的に使用が禁じられているとなっては、馴染みたくても馴染めるものではない。
そもそも、食品を入れてボタンを押せば最適な状態に仕上がっているというのが「オート」ではないのか。使うのにテクニックがいったり、冷凍食品を作るのに使えないような機能の何が「オート」か。詐欺もいいところだ。電話でお金の話と電子レンジのオートはすべて詐欺である。警視庁は早く独特のキャスティングの啓発ドラマとポスターを作ってくれ。新しい被害者が出る前に。
いやいやいや、電子レンジのオート機能めちゃくちゃ便利ですよ!あれ使わないのは損してますよ!と言う人もいるのだろう。きちんと機能を把握し、目的のために一番効率的なやり方を選択できる人だ。きっとそういう人は時代の波を華麗に乗りこなし、SNSでビジネスを指南して多数のフォロワーを獲得。書籍も出版し、とにかく手っ取り早く正解が知りたい人々からの指示を集めているに違いない。あえて露悪的な発言をして軽く炎上させたりして世間の注目を集め、民衆を手玉に取るのだ。
しかしながら、僕のような面倒くさがりで理解力が乏しい人間にとってはオート機能はハードルが高いのが現状なのである。そして、案外こういう人は少なくないのではないか。家電メーカーさんは、一刻も早くビジネス系インフルエンサー以外にも使いこなせるオート機能を搭載した電子レンジを開発してほしい。僕も今使っているのが壊れたら買わせていただくので。