まもなく閉館!スパリゾートプレジデントに行こう!
去る6月12日の夜に、
上野は御徒町にあるスパリゾートプレジデントに行ってきた。
コスパに優れた優良施設なのだが、
残念ながら今月末での閉館が決まっている。
僕自身プレジデントの存在は知っていたものの、訪れるのは初めてだった。
所感としてはすごく良かったので、こんな施設があったことを、
今のうちに多くの人に知ってもらいたいという使命感が湧いてきた。
今回は「まだプレジデントに行ったことがない」という方向けに、
興味を持ってもらうために筆をとった。
閉館までもう時間はあまりないが、ぜひ一度足を運んでいただきたい。
もちろん過去に訪れたことのある人も、
この機会に明るくサヨナラをしに行ってもらいたい。
※男性専用施設になるので、女性の皆さんは
この記事をスルーされた方が時間の節約になるかもしれない。
「それでもいいよ!」という方は続きを読んでいただけると
うれしい限りだ。
1.激戦区を勝ち抜いてきた実力派施設
JR御徒町駅、都営地下鉄の上野御徒町駅からほど近い距離にある、
男性専用スパ・宿泊施設だ。
上野エリアにカウントされる位置にあるが、
実は上野エリアというのはサウナ激戦区でもある。
※ここでいう上野エリアとは、
西は湯島~東は稲荷町あたりまでを指している。
アメ横などの飲み屋街が充実していることもあり、
よく終電を逃したサラリーマンがホテル代わりにスパ施設に宿泊するのだ。
また新幹線が停車することもあり、
出張中のビジネスマンがリフレッシュにサウナを利用することもある。
よってそのような需要を見越してか、
ホテルを含めサウナがある施設は僕の知る限りでも10件ほどある。
特に全国的にも有名な施設である「サウナ 北欧」は、
さしずめ江戸の鬼門を守護する上野寛永寺がごとく、
都心サウナ施設の北東の覇者と呼べる。
しかし上記のような土地柄もあり、
男性専用施設の割合が高いのが上野エリアの現状だ。
昨今の美容健康ブームで女性のサウナ需要が増えているとはいうものの、
こういった「土地柄」というものは経営に直結してくるので、
男性専用施設が多いのもいろいろな事情が関係しているのだ。
女性の皆さんは気を悪くしないでほしい。
話を戻すとそんな激戦区にあってプレジデントは
「北欧派か、プレジ派か」と言われるくらい存在感の強い施設である。
上野エリア唯一のスチームサウナや、
濾過システムによる水の柔らかさなど、
今でこそ特徴のある施設として評価されているが、
数年前はそうでもなかったようだ。
以下はプレジデントについて調べていた途中に見つけたnoteだが、
興味深いのでこちらも読んでみてほしい。
上記記事では経営努力により激戦区で復活を遂げた施設である旨が
つづられている。
そんな施設が閉館という苦渋の決断をしたという事実に、
スタッフやファンの無念が心によぎる。
2.最初で最後のサウナレポ
入口までの階段には所狭しと「閉館」を通知するビラが貼られている。
この時点で異質な雰囲気というか、
異次元へのトビラが口を開けて来訪者を待っているようだ。
夏季だからか「冷やしシャンプー」のビラも。
脱衣所の棚には番号などではなく、
なぜか三国志の武将の名前がテプラで貼られていた。
僕は終始「周瑜」の棚を選び続けた。
浴槽は人口温泉と水風呂の2種類。
人工温泉は北海道二股温泉産の鉱石を経由して注がれるカルシウム温泉だ。
ジワジワと体のあたたまりを感じるお湯だった。
サウナはドライサウナとスチームサウナの2種類。
ドライサウナ室は結構広く、
後述の「プレ八幡」を含めると20席弱あったように感じた。
スチームサウナは螺旋階段を昇った先にあるという何とも不思議な造り。
けむたすぎて室外からは全く様子が見えないという、
ある意味不気味な魅力を放っていた。
僕は浴場をあとにすると、死体安置所のように薄暗い仮眠室で、
それこそ死体さながらに爆睡した。
退場時間の少し前にムクりと起きると、
〆にもう一本ドライサウナをキメて、
心地よいダルさとともに帰路についた。
3.これがプレジデントの特徴だ!
まずプレジデントといえば、入室するやいなや前が見えなくなるほど
スチームを焚き上げたスチームサウナだろう。
静岡県の有名な「サウナしきじ」という施設から着想を得たという
薬草スチームの香りが鼻を抜ける。
湿度計を見たが65%と、
平均40%ほどのスチームサウナ界隈では群を抜く高さだ。
ザ・ドリフターズの名曲「いい湯だな」の1フレーズ
「♪湯気が天井からポタリと落ちてくる」。
この歌の通り基本的に天井から落ちてくる水滴は
のんびりした雰囲気をかもし出すものだが、
このスチームサウナにおいてはさながら矢尻である。
肩や背中に落ちるたびに痛みが走り
「あうっ……」と悲鳴をおし殺していた。
そしてドライサウナだが、
こちらは一般的な席に座る分にはそこまでキツくない。
温度も94度だし、
高さも二段しかなくそつなく10分や12分くらいは滞在できた。
(サウナは基本的に席が高いほど気温が高い=ツライ)
しかし「プレ八幡」という席に関しては例外だ。
これは遠赤外線ストーブの真ん前に背中を差し出すという
拷問のような席である。
そんなんでヤケドしないのかと思うかもしれないが、フツーにヤケドする。
なので僕はビビって「プレ八幡」ではなく、
ストーブの排熱口の横側に座った。
しかしこちらも相当暑い。
座っている間に気づいたのだが、
ストーブ付近は天井が低くなっており、
おのずと上に昇る熱い空気が滞留しているようだった。
ちなみにこちらも「レインボー本八幡」という施設の、
室温125~140℃という文字通りの灼熱地獄を再現している。
水風呂については長崎県の「サウナサン」という施設から
インスピレーションを得ているらしく、強力な濾過機を使っているようだ。
おかげで15℃というやや冷ためのセッティングだったが、
水質が柔らかく、肌に対しての刺激が少な目に感じた。
上記3設備に共通していえることだが、
いずれも名店と呼ばれるサウナ施設の良い点を取り入れている。
スタッフの業界研究のたまものといえよう。
最後に
僕は20時ごろから入場し23時ごろ退場したが、結構混雑していた。
サウナ室に待機列ができることはなかったが、
洗い場や水風呂はちょっと待たないと使えない状況ではあった。
またととのい椅子の数はかなり少なかったので、
浴槽のへりなどに座る人が多かった。
なので、混みあわない時間を見計らって行くことをオススメする。
ちなみに、普段3時間1300円のはずが1000円になっていた。
閉館前の感謝料金だろうか?
ちょっと得した気分。
このような施設がなくなってしまうのが残念な限りだが、
ぜひ思い出の一つとして皆さんも訪れてみてほしい。