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だから今、生命で非線形を数理しよう!(2023年度 高校出張 大学模擬講義)

“非線形生命数理学”と聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?

細胞・分子の小さいレベルから人間やそれと同じくらいの大きさの様々な現象が織りなす世界の理(ことわり)を数理の眼で観よう!というのは、古くはエジプト、ギリシャ・ローマの昔に遡(さかのぼ)ることができるヒトの英知の結晶であるとも言えます。

エジプトでは、天体の運行をも下に暦を定め、作物の効率的な栽培に利用してきましたし、その収穫を合理的に集め、分配するのにも数理学的な思考が用いられてきました。ヨーロッパでは、古代ローマでもすでに、数理的な思考の持ち主でなければ、市民権を与えられませんでしたし、逆に、一定の数理的思考を習得していると認められれば、当時、蛮族と思われていた“属州”の出身であっても、ローマはその人には市民権を与えています。

近代のイングランドの産業革命を支えたのは、やはり数理的な合理主義精神と実証主義でしたし、卑近な例としては、この3年というもの、“新型コロナウイルス”が流行りましたが、実証に基づく合理的な“数理的思考”で、結果を分析し、過去に学びつつ、その動態(ダイナミクス)を解析して、対策を立てて参りました。

このように、生命の営みは、様々なスケール(特徴的大きさ)での様々なレベルで、“非線形”に溢れており、その結果、我々に様々な疑問を投げかけ、また考える縁(よすが)をも与えてくれてきています。

本出張模擬講義では、生命現象や生命活動に特徴的なキーポイントを

“比例的な伸長効果” + “非線形の折り畳み効果”

とみることで、比較的単純な原理的な思考で、かなり複雑な生命現象、もしくは、生命活動に関わる興味深いダイナミクスを観る眼を持つことができる、っていうのをなるべく、初等的に解説してみたいと思っています。

1. 比例的伸長:

1次元の“比例”は、中学生以来、おなじみですね。
X を k 倍すれば、Y も k 倍になるっていうアレです。
これは、すべての解析の基本にある考え方です。
次元拡張してみましょう。

2. 非線形の“折り畳み”???これは、初めて聞く言葉かもしれません???

これが、しかしながら、世界の様々を理解するためのキーワードかもしれないです?バタフライ効果とかって聞いたことありますか???

1. については、空間次元を、2,3,・・・ と挙げていくと、行列と一次変換に自然に導かれます。これについて、前半、しっかりと話してみます。行列と行列式、そして、固有値と固有ベクトル、その集大成として、行列のスペクトル分解定理が一つのターミナルステーションです。

2. については、微分方程式の考え方を解説して、後半、特に、非線形項がある場合、“微分方程式を解く”とは、何をしていることなのか?っていう原理的な話をします。その後、そのダイナミクスから、

(1) イナゴ(飛蝗(ひこう))の大発生の数理的メカニズム
(2) 新型コロナウイルスにみられるような“変異と進化”のメカニズム

なんかを“数理”で理解して、解析できるってことを簡単に解説してみようと思っています。乞う!ご期待!!! すべてがつながっています!

References:
I. https://www.youtube.com/@IsamuOhnishi/videos

youtube で大学院レベルから、数理科学の専門的な内容まで解説しています。
関連内容は、note(海月希月さん note ) でも、たまに、解説しております。
(上記のペンネームで検索かけると、普通に出てきますよ!みてみてね!♡!)




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