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pathogen=病原体 | 教科書に出てこないニュース英語 《ブラジル公共放送から》
ブラジルの国営通信社Agência Brasilの英語電子版で2024年7月5日に配信されたニュースの見出しで使われていました。
Brazil to have advanced pathogen research laboratory
The Orion Project will receive BRL 1 billion by 2026
ブラジルは先進的な病原体研究施設を建設予定
2026年までにオリオン・プロジェクトに10億レアルを投資
この施設の紹介ビデオがありました↓ 大規模です。
pathogenを英和辞書で調べると、シンプルでした。
発音 [pǽθədʒən], [pǽθədʒìːn]
[名]《医学》病原菌,病原体
よくわからない単語は、語源を調べたくなります。
語源が英和辞典や英英辞典に出ている単語もあるのですが、
今回は見つからなかったため、
Online Etymology Dictionary(https://www.etymonline.com)で調べてみました。
するとありました。
要約すると…
・pathogen(病原体):
「pathogenic(病原性の)」から逆成形された言葉
「病気を引き起こす微生物」を意味する
・pathogenic(病原性の):
フランス語の「pathogénique」から派生
ギリシャ語の「pathos(病気)」とフランス語の接尾辞「-génique(生成する)」が組み合わされた
…とのことでした。
oxigene=oxi(酸)+gene(素) や hydrogene=hydro(水)+gen(素) と同じ成り立ちの語でした。
pathosは、現在の英語では
1 哀れみ[同情]を誘う性質[力];哀感,哀調,ペーソス
2(美学で)芸術作品の感情[主観]的要素,パトス
なので、
少しニュアンスが違いますが、「苦しませるもの」という意味では1番の意味と同じ方向を持っています。
pathogen=「病原体」。
ガッテン!ガッテン!ガッテン! 納得しました。
記事の本文では、
・この施設が、サンパウロ州にある
・この研究複合施設はオリオン・プロジェクトの一環である
・ウイルス、バクテリア、寄生虫などの病原体に関する先進的な研究を行う
・ラテンアメリカで最も先進的な施設として、世界でも重要な位置を占めることになる
・ブラジル最大の研究基盤である、国立エネルギー・材料研究センターのキャンパス内にある
・このキャンパスには、巨大な粒子加速器であるシリウス・プロジェクトもある
・シリウスの構造は、原子構造の微細な詳細を明らかにすることができるため、オリオンと接続され、病原体研究の画期的な発展に寄与する予定
・オリオンはブラジルの新成長加速プログラム(PAC)の一環
・2026年までに総投資額は10億レアル(先月のレートで約200億円)を超える見込み
といったことが書かれていました。
ちなみに、今年(2024年)4月に運用が始まったナノテラス(宮城県仙台市)も加速器を備えた放射光施設ですが、総工費は380億円。
一方、
ブラジルの軍事予算は、235億ドル(2023年)、2024年7月11日の為替レートで計算すると、おおよそ2兆5,850億円。
(データは、https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/brazil/data.htmlより)
また、
日本の2024年度の防衛予算案は7兆9496億円。そのうち、ミサイル防衛に1兆2477億円、反撃能力を含む長射程ミサイル整備に7340億円。
(データは、https://www.jiji.com/jc/article?k=2023122201028&g=polより)
各国が軍事に回す費用と比べると、将来の成長やパンデミック対策にかける費用は安いものだと感じます。
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