地域活動を学ぶ連続講座@吹田 第4回「居場所プランを考えよう!」
◾️今回の概要
大阪府吹田市立市民公益活動センター愛称「ラコルタ」が開講している連続講座『eNカレッジすいた』の第4回(10月12日)に参加してきました。
今回のテーマは、「居場所プランを考えよう!」。
第2回に続きコミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸)事務局長の飛田敦子さんが、
・居場所プランの基本構成
・ミニワーク〜居場所プランを考えよう!〜
・居場所立ち上げ・運営のマネジメント
について説明・ファシリテーションをしてくださいました。
居場所のプランを考えてみるワークを真ん中に据えて、その前にプランの要素とその関係をていねいに説明していただいたので、また、この講座の修了生の方に実際の様子を話していただいたので、ぼんやりとした興味だけで参加した私も一応のプランを立てることができました。
最初は欲張らないで、というアドバイスに沿って具体的な計画を書いてみると、何かができそうな気がしてきました。
前回同様、具体例を豊富に挙げて説明していただいたので、内容濃く納得感の伴う勉強ができました。飛田様の上手なお話と、ペアの方とのアイデアの交流に話が弾んで、あっという間の2時間でした。
ご説明の中で私にとっての重要ポイントを書いてみました。
よろしければ、お付き合いください。
『eNカレッジすいた』とラコルタについては第1回の記事↓をご覧ください。
第2回の記事はこちらに↓
第3回の記事はこちらに↓
◾️居場所プランの基本構成
プランの要素は以下の3本柱。
それぞれについて自分が気づいていなかったポイントがありました。
① 目的
この活動を通して(自分も含め←これも大事)誰にどんな変化をもたらしたいのかを言葉にする。
エリアの特性、対象者まわりの状況、社会資源(使わせてもらえそうな場所)の有無を、できれば数字や具体例で書き出すと、協力者を得るときに説得力が増す。
→何より、自分の考えが独りよがりでないかどうかのチェックになる、と私は思いました。
② 活動計画 (←やりながら調整することになるものと思っておく)
・日時
対象者によって変わる(←本人に聞くのが良い)。
無理はしない(←継続できるのが大事)。
・場所
住み開き・持ち物件/施設の時間借り/常設賃貸 のどれ?
(↑それぞれのメリットと留意点を前回学びました。)
・担い手メンバー
3人多様な人がいればベスト、無理なら一人で始めてみる
(↑多様性が結果的に組織を整え、強くすると前回学びました)
利用者を担い手にスカウトするのは、「アリ」=現実的、実際起こっている。
・プログラム
対象者が求めていることは何か?
↑おすすめは「聞いてみる」こと。
カテゴリーごと5人に聞くと「外さない」
本人に聞くのが難しい場合は近くにいる支援者に尋ねる
自分が得意なことでもよい。あるいは、利用者が得意なことでも。
(↑前回、包丁研ぎ名人の利用者による講習の例をお聞きしました。)
③ 収支計画
支出から逆算して収入(参加費)を考える。
難しければ、参加費と場所代と、あと何が必要かな?程度で今はOK。
<収入>
★参加費
利用者から1回あたりいくらもらうか
・事業収入
年1回の大バザー!
得意を活かした包丁研ぎなど何でも屋
配食
常設フリマボックスで定期収入
保育園で買える惣菜
・会費・寄付
年会費制のところもあり。寄付も活動実績がないと難しい。
発起人が出し合う例あり。
・助成金
最初からアテにしない、でもあると助かる
<支出>
★場所代
・謝金
まずは外部ゲストから、余裕が出たらスタッフ分も
・活動交通費
・材料費
・事務消耗品
チラシの作成、その他消耗品
・保険代
府県社協ボランティア保険、イベント共催などがある
(↑必須! 食中毒の保険もあるとのこと)
◾️居場所立ち上げ・運営のマネジメント
プラン立ち上げから事業評価までのプロセスと留意点も話していただきました。
①〜⑩のプロセスは1回だけの一方通行ではない。
① 地域課題の把握
・当事者に聞く
・支援者に聞く
・行政データ活用
② 調査・学習
・行政サービス調査
・視察に行く←できれば誰かと
③ 仲間・グループ形成
・プランを言い続ける←名刺があるとよい
・いる人、ある物で始める
・同質グループにしない
④ 企画
・なんのために/いつどこで/だれが/なにを/いくらで
・計画はほどほどに。「えいやっ」も必要
⑤ 試行
・お試し2回をやってみる
・最初から不特定多数を対象にしない
・小さくPDCAを回してみる
・アンケートを取る(今日はどうでしたか?何かアイデアは?料金は適当?)
⑥ 調整
・走りながら調整する
⑦ 活動計画・収支計画
・ビジョンを言葉で←20字程度なら共有しやすい
・役割分担(代表・副代表・会計・会計監査)←輪が広がる
・支出は、「絶対必要」と「あればいいな」の2レベルに分ける
⑧ 広報
・対象者に「自分たちは何者であるのか」、宗教や儲け目的ではないことをわかってもらうことが実は重要。「市の講座を受けて活動を始めました」なら安心してもらえる。
⑨ 事業実施
・リスク管理の視点を持つ→保険は必須
・人は入れ替わるものと思っておく
・受援力(支援を受け入れる心構えやノウハウ)を持つ
・新たな課題は出てくるもの→柔軟に対応
⑩ 事業評価
・記録をとる→積み上がる
・明朗会計大切→半期に1回はオープンにする。代表と会計は分ける。
・運営会議を月1回は設定する←「代表者の気分/都合次第」にしない
◾️おわりに
飛田さんから最後に紹介していただいたのは、次の本からの2つのメッセージでした。
◉場作りをする人自身が、その場に関わることで『自分も変わる』ということを想定しているか
◉社会的な課題に取り組むには、場を作ってそこに座して待つのではなく、自らアウェーに出向いて行って出会うことのない人に出会い、新たな変化をつくるという方向性もある
筆者の山納(やまのう)氏が、場づくりの活動で新たな世界が見えてくることのワクワク感を述べられたものと私は想像しているのですが、どうでしょうか?
目次を見ると、この本にはさまざまな出会いの場作りの実例が紹介されているようです。それらに共通したものとして山納氏が実感されたことなのでは?
読んで、メッセージの解釈の答え合わせをします。
この研修の次回第5回は、
10月25日金曜日
講義とワークショップ『つながりを深めるコミュニケーション』
講師:HEALホリスティック 教育実践研究所 所長 金 香百合さん
の予定です。
楽しみです。
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