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ITパスポート試験勉強ノート No.4 経営・組織論(3)経営組織 | 大人の学び

ITパスポート という国家試験の勉強を始めました。

「試験勉強ノート」を作るつもりで、自分が新たに知ったことを書き留めていきます。

この試験、内容は大きく分けて次の3つです。
①ストラテジ(経営戦略)系
②マネジメント(管理)系
③テクノロジ(IT技術)系

シラバスの順に従って、今回は、
①「ストラテジ(経営戦略)系」の中の「経営・組織論 (3)経営組織」
の勉強ノートです。

シラバスで示される用語(=重要な概念)とその意味を整理します。
大学受験で言えば、山川出版の社会科用語集『一問一答』シリーズのイメージです。チェックリストとしてお使いいただけるかもしれません。

項目中の太字は、現時点での最新版(2024年10月試験)で導入されたことを表します。

⬛︎ 経営・組織論

(3) 経営組織

階層型組織

ヒエラルキー型組織hierarchy organization
ヒエラルキー型組織とは、階層構造になっている組織形態のこと。
軍隊組織から端を発したもので、権限の大小の順で組織構成が成り立つ。指示は上から下へと降り、通常、指揮命令系統は1つとなる。

グロービス経営大学院
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11926.html

事業部制 vs 機能別組織=職能別組織

大きく2つに分けられる組織形態
機能別組織は、まず研究開発・生産・販売という機能に分かれている。製品の生産を生産部門が担当し、その販売を販売部門が担当し、次世代製品の開発を研究開発部門が担当する、というように、全体に対して果たす機能に応じて分けられた組織である。

…これに対して、少なくとも短期的には個々の組織ユニットが自律的に存続できるように分割するのが事業部制組織(multi-divisional structureあるいはform)である。

…そしてそのような自律的な組織ユニットへと全体を分割する場合には、多様な軸が考えられる。たとえば製品・市場分野別に全社を分割したり、地域別に全社を分割したりするという方法が典型例であろう。前者を製品別事業部制、後者を地域別事業部制という。


機能別組織と事業部制組織の違い
たとえば機能別組織生産部門は、パソコンやAV製品や白物家電等、異なる製品を生産しつつ、同じ工場や生産設備を共有したり、同じ生産技術者等を共有したりしている。また研究開発部門であれば、パソコン事業部とAV製品事業部で制御ソフトの開発スタッフを共有していたり、すべての開発プロセスで同じインダストリアル・デザイナーを共有していたりする。それ故、個々の組織メンバーは同じ専門の人間と対話しながら、自分たちの専門を通じて会社に貢献することを最大のテーマとして仕事を進めていくことになる。

 これに対して、事業部制組織の場合には、まずメンバーが共有するのは個々の製品・市場である。生産設備の共有や開発スタッフの共有といった観点よりも、個々の製品・市場への適応が優先される。それ故、組織形態のねらい通りに組織メンバーが活動してくれるならば、各メンバーは、自分が研究開発担当であろうと、生産や販売担当であろうと、何よりもまず自分が担当している製品・市場での競争に最大の注意を向けるはずである。

日経BOOKPLUS
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/030500354/030500002/

マトリックス組織

マトリクス組織は、組織を分割する際の「軸」そのものを複数にした組織である。図3の例でいえば、最高意思決定者のすぐ下に各事業部長を置くと同時に、各機能部門長をも置くのである。図中の○印の人々は、一方では個々の製品・市場への迅速かつ柔軟な対応を目指す事業部長の管轄下に置かれると共に、他方では開発・生産・販売といった各機能別の資源共有や専門知識蓄積を重視する機能部門長の管轄下にも置かれる。

 大きな意思決定のたびに、製品・市場の要求と機能部門の要求が対立するかもしれない。この対立を実際に組織内で表出させ、そのたびにトップがどちらの軸を優先するか意思決定を行い、ダイナミックに2つの要求をバランスさせていくという意図をもってマトリクス組織は採用される。なお、図中の○印の人から見ると上司(ボス)が2人いるから、これをツーボス・システムと呼ぶこともある。

(※図は引用元を参照)

日経BOOKPLUS
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/030500354/030500002/


プロジェ クト組織

プロジェクト型組織とは、特定の仕事を遂行するために異なる知識やスキルを持った人たちが集まって結成される組織形態で、プロジェクトごとにプロジェクトマネージャーが任命されます。一般的に、目標を達成したら解散になることが多い形態です。

プロジェクト型組織とマトリックス組織は、部門を横断するかたちで人材が集まるという点では似ているのですが、マトリックス組織は、そもそも人材が複数の組織に所属するという点と、プロジェクト型のような一時的な組織ではなく継続的な組織であるという点が大きな相違点と言えます。そのためマトリックス組織では、プロジェクトで得た情報やスキルなどの成果を次のプロジェクトに活かすことが可能です。

Unipos HRコラム
https://media.unipos.me/matrixorganization#:~:text=プロジェクト型組織とは,ことが多い形態です%E3%80%82

カンパニー制 vs 持株会社

持株会社制は、持株会社を作って関連各社をグループ会社化してグループ経営に移行することを意味します。一方でカンパニー制(社内カンパニー制とも言いますね)は、会社はあくまでも1社体制のまま、社内に仮想の会社を複数設けたものと考えて運営することをいいます。

もともと関連会社が複数ある体制の状態でのご相談であれば、持株会社制をまずはお奨めします。

もともと別々の法人として大なり小なり制度・風土・意思決定・手続・慣行があるケースが多く、グループ全体の方針を統一し、束ね、引っ張っていく必要がありますが、この場合は「持株会社の方針に合わせる」と決め事にしてしまうことが同意を得やすく、早く統一しやすいというのがその理由です。

一方で、今まで一つの会社でやってこられたケースで、事業ごとに意思決定のスピードを上げ、事業相互の協力体制を作ってより一層発展させたいというケースの場合には、社内カンパニー制をまずはお奨めします。

このようなケースの場合、一つの会社であることが求心力であることが多く、また対外的取引や許認可など、別会社ではなかった理由が存在する可能性もありますから、まずは擬似的に社内で仮想の会社を作ったと仮定して運営することで、一つの会社のなかに持株会社制度のいいところを取り込んでみるという発想です。

持株会社研究所
https://holdings-mirai.com/column/1870/

CxO(Chief x Officer(最高経営責任者 (CEO:Chief Executive Officer),最高情責任者(CIO:Chief Information Officer)など))

CxOとは
CxOとは、「Chief x Officer」を略した言葉です。
Chiefには組織の責任者という意味があり、Officerには執行役という意味があるため、CxOは、企業における「x」という役割や業務に関して最高位の地位に就く人を指す言葉です。日本語では「最高〇〇責任者」という言葉で表されます。

CxOと取締役・役員の違いは
CxOと取締役・役員は似たように感じられますが、実際は法律上の根拠の有無に違いがあります。

取締役は会社法上選任しなければならず、役員も会社法で該当する役職が定められていますが、CxOにはそのような規定はありません。

CxOは、企業が最適な業務を執行するために独自に設置する役職なのです。

根底にある考え方は
CxOの設置は、コーポレートガバナンスの徹底のために経営の監視役と事業の執行役を明確に分離する経営体制を敷く目的で、1980年代にアメリカで広まりました。

日本においては、1997年に、日本の総合電機メーカー が取締役会の機能強化を図る目的でCxOを設置したことが始まりだといわれています。

essence
https://www.essence.ne.jp/service/propartners/column/cxo

CEO
CEOとは「Chief Executive Officer」の略で、最高経営責任者という意味です。経営に関する全責任を負い、最終的な経営判断を下す役割を担う立場のことです。代表取締役社長・会長などがCEOを兼任する事例が多くみられます。

COO
COOとは「Chief Operating Officer」の略で、最高執行責任者という意味です。CEOが立てた経営戦略を実行に移すことに対して責任を担う立場のことです。CEOに次ぐNo.2の地位として扱われる事例が多くみられます。

CFO
CFOとは「Chief Financial Officer」の略で、最高財務責任者という意味です。企業経営における財務面での戦略を立てて、実行に移す責任を担う立場のことです。取締役が決定した方針に基づく事業を遂行するための予算を明らかにした上で、コストの管理を行い、必要となる資金を調達するなどの業務を行います。

CTO
CTOとは「Chief Technical Officer」の略で、最高技術責任者を意味します。企業経営における技術面での戦略を立てて実行に移す責任を担う立場を指します。
企業間競争で優位に立てる技術を明確にし、開発を行い、活用体制を整えるなどの業務を行います。

CMO
CMOとは「Chief Marketing Officer」の略で、最高マーケティング責任者という意味です。企業経営でのマーケティング面の戦略を立てて実行に移す責任を担う立場を指します。
企業全体のマーケティングに関する責任を負い、市場におけるシェア拡大やブランド強化などを実現するための業務を行います。

CSO
CSOは「Chief Strategy Officer」の略であり、最高戦略責任者という意味です。CEOが立てた経営戦略を確実に実践するための戦略を立案し責任を担う立場のことです。
CSOは中長期的な視点で、全社横断的に経営戦略を実践できる体制を立案する役割を持ちます。

CIO
CIOとは「Chief Information Officer」の略で、最高情報責任者という意味です。企業経営における情報運用面での戦略を立て、実行に移す責任を担う立場の人を指します。
社内での情報管理システムを構築し機能させるための業務を主に担います。

CHRO
CHROとは「Chief Human Resource Officer」の略で、最高人事責任者という意味です。企業経営における人事政策面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。今後の経営に必要な人材を育成し、最適な制度運用を行うなどの業務を担当します。

CCO
CCOとは「Chief Communication Officer」の略で、最高コミュニケーション責任者を意味します。企業経営における対外コミュニケーション面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。また、記者会見や顧客対応などの対外的なコミュニケーションを最適化させるための業務も担当します。

CAO
CAOとは「Chief Analytics Officer」の略で、最高分析責任者を指します。企業経営におけるデータ活用面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。必要なデータを収集し的確な分析を行うことで、経営課題を解決するための戦略を立案します。

CPO
CPOとは「Chief Privacy Officer」の略で、最高プライバシー管理責任者を意味します。企業経営での個人情報保護面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。最適な個人情報保護管理の体制を立案し、個人情報漏洩による経営上のリスクを回避するための業務を担当します。

CISO
CISOとは「Chief Information Security Officer」の略で、最高情報セキュリティ責任者を意味します。企業経営におけるセキュリティ管理面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。最適なセキュリティ管理の体制を立案し、機密情報の漏洩などによる経営上のリスクを回避するための業務を担当します。

CBO
CBOとは「Chief Branding Officer」の略で、最高ブランディング責任者を指します。企業経営におけるブランド管理面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。市場におけるブランドイメージを確立し、マーケティング力を強化するための業務を行います。

CLO
CLOとは「Chief Legal Officer」の略であり、最高法務責任者という意味です。企業経営における法務面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。訴訟などを回避し、企業の法的リスクを最小限に抑えるための業務を行います。

CDO
CDOとは「Chief Design Officer」の略で、最高デザイン責任者を意味します。企業経営におけるデザイン運用面での戦略を立てて実行に移す責任を担います。マーケティングの効果を高めるための製品や広告などに関するデザインを立案する業務を執行します。

同上


   *****

今回は組織論。

自分としては、社内カンパニー制と持ち株会社制、事業部制の違いとメリット・デメリットの理解が明確になりました。

また、取締役とCxOについて、管理と執行の区分け・責任の明確化という目的で設置されたのだという点が勉強になりました。


このnoteでは、信頼のおけそうなサイトに掲載された情報の中からコンパクトかつ具体的な内容をセレクトして引用する形で、重要な概念の説明集を作っていきます。

次回は、
①「ストラテジ(経営戦略)系」
>「経営・組織論 」
>(4) 社会における IT 利活用の動向
についての予定です。

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