「ロシアの若者のリアルな日常を通して多様性にふれる」第2弾@阪大箕面キャンパス | 大人の学び
2024年8月21日(水)
「ロシアの若者のリアルな日常を通して多様性にふれる」第2弾
@阪大箕面キャンパス
に行ってきました。
主催は、公益財団法人箕面市国際交流協会(MAFGA)。
この協会、本拠地は大阪府箕面市小野原西にある箕面市立多文化交流センターなのですが、真新しい大阪大学箕面キャンパスビルの一角に、学生・若者が地域とつながる居場所「ひとこま」を開設されています。
今回のイベントの会場はここ。ガラス張りのスペースにテーブルと椅子があり、アットホームな雰囲気で行われました。
モスクワのまちの歴史的変遷、最近の若者の文化、社会主義時代のレガシー
ロシアの若者ふたりが、写真を豊富に使ったプレゼンテーション資料をパソコン画面で示しながら、すばらしい日本語で説明してくれました。
まず、①帝政時代、②ロシア革命後のスターリン時代、③フルスチョフ時代、④1970-80年代、⑤1991年のソ連崩壊後、⑥2010年以降の現在のSergei Sobyanin市長市政で、住居の建築形式と割り当ての方針、教会の扱い、小売店の形式などが大きく変わったことを教えてもらいました。
例えば、救世主ハリストス大聖堂は、②の時代に一度破壊して跡地がプールにされ、⑤の時期になって再建されました。また、小売店は⑤の時期に個人商店が立ち並び、その後⑥の時代になって取り壊されて大規模なチェーンストアに置き換えられました。
最近の若者文化は、⑤の時代に欧米から流れ込んだサブカルチャー隆盛の時期を経て、現在はZ世代のものになり、hipstersのスタイルが流行りだそうです。
政治関連では、一時頻発した自由を求めるデモは警察によって鎮圧されたのち起きていないとのことでした。
社会主義時代のレガシーとして次の点は引き継がれていることも話を聞いて知りました。
・女性の社会的地位が高い(職・政治分野への参画・離婚のしやすさ・中絶の権利)
・大学の授業や医療が無料
・労働者の識字率が高い
・週休2日の早期実現
*******
大きな社会の変化を経験してきた国であるロシアについて、具体例を示しながら、当事者からお話を聞けて良かったと思っています。特にソ連崩壊後の変化、ここ数年の状況、ソ連時代のレガシーについてが印象的でした。
社会主義を経験したことのない国に住む者には興味深いですし、今の日本の社会を相対的に評価するための材料となります。
また、
国家間の紛争が多数存在する現在において、民衆レベルで話をすること、人と知り合うことが平和に向かう上でとても重要だとの思いをより強くしました。
例えば、日本にいるとロシア人や中国人については国家レベルの摩擦があるために悪い印象を持ちがちになります。個人レベルでの出会いがあるとそれが修正されるのを感じます。