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クロナの心情

僕は自ら望んで狂気と共にあるんだ。何もメデューサ様に言われて無理やり狂気を患ったわけじゃ無い。僕は自分でそうなったらいいなと思って狂気と共に生きている。子供の頃に僕は集団に迫害された。何も悪いことはしていないはずなのに、体の大きい男の子たちによって日々暴力を受けていた。そんな中で僕は悲しむことはなく、ただ不自然な笑みをこぼしていた。ある時は殴られて、ある時は埃まみれにされた。トイレに連れ込まれそうになって、必死に立ち止まっていたり、僕のお気に入りのオレンジのキャップの水筒で頭や肩をばこんばこんと殴られたり。僕は絶対に悪いことはしていなかった。なのに彼らは歓喜する。僕を虐げられることが気持ちいいんだ。彼らは快楽主義者、僕は被迫害者。彼らに見られる共通点はといえば、暴力に対して面白おかしく笑い続けるところだ。僕もそこは彼らと同じだったのかもしれない。男の子が僕に暴力を振るう。僕はそれを受けて絶望してただ笑う。笑い続ける。この世はなんで無意味なんだって。メデューサ様は僕を助けてはくれない。僕は鬼神にならないといけないから、皆んなと違って暴力を受け続け、そうやって戦い続けなければならない。僕は不幸な子供だった。毎日の暴行に家でのネグレクト。僕はまともに育つはずがなかったんだ。魔女の子供に生まれたけれど、とくにこれといって魔法は習っていない。ただ、僕の黒い血、これにメデューサ様は命を吹き込んだ。ラグナロクは僕の黒い血から生まれた鬼だ。僕を痛みから守ってくれる。命に関わる攻撃から僕を守ってくれる。簡単なことさ。黒血は硬化する。狂気の力と共にその鋭い刃は僕の手首から捻り出される。ブラッディニードルも便利だ。どんな攻撃を受けても僕の血液は相手の行動への抑止力となる。切られたら切られるほどに、僕の血液は刃と化す。マカにもお見舞いしてやった。僕を鎌で斬ろうとするから、仕返しにブラッディニードルで痛めつけてやったんだ。僕は悪い子だから。マカは誤解してる。僕は魔女の子だ。破滅願望も強い。死神様の教えなんて知ったことか。僕は狂気と共に進む。鬼神になる日まで、歩みを止めない。全てはメデューサ様の計画の一部として機能するためさ。僕は鬼神になる。マカ、次はないよ。

僕の生涯は特に恵まれてもいなかった。虐げられて苦しみばかりの生涯だった。僕は何も悪いことをしていないのに、男の子たちに何故か狙われる。そして暴行を受ける。集団暴行さ。僕は救われなかった。そして今、僕はこうして彼らに対する復讐を行うと決めたんだ。僕は暴漢を殺害する。悲鳴共鳴の力で。

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