人の本音を引き出す最強ヒアリング術
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顧客の本音を引き出すヒアリングのコツ
Akari:西野さんは普段ガッツリ営業ってしてないと思うんですけど、以前は街でチラシをちゃんと手で配ってたりとか今だと採用面談でめちゃくちゃ人に会いまくっているっていうところもあると思うので、この時にどうしたら顧客の本音を引き出せるのか。採用だったら相手の本音みたいなところを出そうとしているのかみたいなところを聞ければと思っております。
Nishino:いいですね。これ確かに、めっちゃ最近だと昨日も「こういうので起業しようと思っているんです」みたいなそういうふうな15分面談あったんですよ。最近もこの話しかしてないなと思ってて、結局ユーザーの解像度が めっちゃ低かったり、要は誰が買うのかみたいなところでクリアに答えが出せないというケースがあるんですね。それってじゃあ何ができてないかって 結局顧客の本音が聞き出せなかったりとか、本当に欲しいものが見えてなかった。作り手がわかってないのにどうやって適切なソリューションを出せるんだみたいな話があるので改めてここでユーザーヒアリングのコツについてお話したいなというふうに思ってます。
ユーザーヒアリングの失敗談
Nishino:まずこれはやっちゃダメだっていう前提がありまして。これも最近のそういう壁打ち、事業相談とか起業相談をしてる中で、一番やっちゃうんだなっていう落とし穴みたいのがあります。それが「ユーザーの意見を聞いてそれをそのまま課題だというふうに認識」しちゃうこと。そうなってくると、間違ってるとは限らないですけどそのまま言っちゃうとどうなるかって、そのユーザーが言った本当かどうかも分からない課題に対しての解決プロジェクトを考えちゃう。例えばですけど、僕Oh my teethと並行して教育系のアプリを作ってたことがあるんですけど、そこでまさにユーザーにヒアリングしてみて「どういう機能あったらいいですかとか?」「こういう機能あったらいいですか?」みたいな感じで聞いてみたりしたことがあるんですね。
この質問が失敗につながるのはなぜ?
Nishino:結局こんな感じで良くないヒアリングっていうのは、アンケートみたいな感じで聞いちゃったりとか。アンケート自体はいいんですけど、結局それを鵜呑みにしちゃうって冒頭に言った「意見を聞いてそのままそれを反映しちゃおう」っていうのが一番ダメですよということです。
Akari:そうですよね。ユーザーって知ってるものしか意見できないから。よくインスタの創業者とかも言ってますよね。「インスタをどう改善したらいい」って言ったらじゃあ「Be Real」っぽいものをやって欲しいみたいなことしか言えないみたいな。
Nishino:そう。Facebookみたいにテキストのほうがいいんじゃないですかとかね。例えばXも、改善策って言ったらInstagramみたいにした方がいいんじゃないですかとか、よくわかんないことになりますよね。
良いユーザーヒアリングとは
Akari:それに陥らないために気をつけてることっていうか、そもそもどういう考え方でヒアリングをしてるかを聞きたいです。
Nishino:これはユーザーヒアリングは、ユーザーヒアリングだとちゃんと定義するってことですね。つまりユーザーヒアリングは、ユーザーヒアリングでしかないっていう理解をしないといけなくて、だいたいユーザーヒアリングは営業になってたりとか。あるあるなのは営業だったりエゴですよね。こっちの開発者の答え合わせみたいな感じでやっちゃって、ヒアリングじゃない。「これが作りたい」「これが売りたい」っていう気持ちをいかにちゃんとフラットにしてユーザーの言ってることに目を向けるかっていうのがマインドとして大事。
Akari:なるほど。じゃあその「ユーザーヒアリングとは」みたいな、どう定義してるかとかもお聞きしたいです。
Nishino;FoundXだったかな、東京大学がやってるスタートアップ支援の講座みたいなカリキュラムがあるんですけど、そこでも書いてある定義が僕は好きで「ユーザーヒアリングは探偵である」。そこに置き換えると結構分かりやすい。探偵は「犯人は誰ですか」って聞かないですよね。じゃあ探偵の仕事って何かっていうと、とにかくファクトを集めることだと思うんですね。探偵って事件が起きたら容疑者に対してどんどんヒアリングしてくる。そこで、「わたしは彼が犯人だと思います」とか、そういう話を絶対鵜呑みにしないじゃないですか。だからこそ状況証拠じゃないですけど、具体的に何時に何をしてましたか、何時にどういう行動をあなたはしてましたかみたいな感じで、アリバイを特定していく。まさにそれをやる。例えばお茶の新規事業をしたいとおもったら「どういうお茶がいいと思いますか」とか「どういうお茶があなたあったらうれしいですか」ではなくて「具体的にあなたはお茶を飲みますか」、イエス・ノーみたいな。飲まない人とかに「どういうのがいいでしょうか」って言ったら全然違う話になるのと一緒で、「そもそもどのくらい飲んでいますか」「具体的にいつ飲みますか」とか「どこで買いますか」とか。例えばよくお茶専門のECサイトを作りたいみたいなアイデアがあったとしたら、「お茶がネットで買えたらいいと思いますか」と聞いたら「いいと思います」ってなっちゃって。これ売れるんだよじゃなくて、具体的にどこで買ってるのかを聞くと、徒歩5分くらいのコンビニですみたいな。「そのときに他のものを買うんですか」、お茶のためだけにコンビニは行きたくないので。「コンビニが無かったとしたらあなたはどうしますか」→ 「下の自販機で買います」→ 「自販機がこれは競合か」みたいな感じで、ファクトベースで聞いていく。ヒアリングっていうのは今この時点で何か解決策とかソリューション提案しないくらいまで決めてもいいと思う。よくありがちなのは、開発者ってソリューションどんどん考えたり、相手がこれ言ってたら即興で考えちゃう。それをあえてやらないくらいに決めたほうがいい。ユーザーヒアリングはファクトを集めることが一番第一優先。貴重なユーザーの時間を使ってるので、そこで壁打ちを勝手にしないというのがめっちゃ大事。それはあとの話なので、仮説・課題の壁打ちみたいな場でちゃんとやった方が良くて、できるだけユーザーが今とってる行動を具体的に解像度高く理解するというのが重要。一言で言うと何が言いたいかというと「意見を聞かない」ということですね。ファクトを集める作業って割り切るぐらいがいい。
Akari:Oh my teethの創業期だったりとか色々ユーザーヘアリング今も 継続してやられてると思うんですけど、失敗談みたいなのってありますか?
Nishino:あるある。今でも覚えてるのが、Oh my teethは33万と66万という
プランがあるんですね。33万が今9割選ばれてるんですね。この33万には何が含まれてるかというと、ユーザーがもらえるものとしてはシュミレーションとマウスピースがもらえる。あるユーザーさんが「シュミレーションだけが欲しい」みたいな、「こういうニーズ絶対あるはず」だという話があって、「なるほど」と思うじゃないですか。それを2、3万円とかだったらハードル低くていいと思いますみたいな。それでやってみたんですけど逆にシミュレーションだけもありますって言ったときに、何て言われるかっていうと「やるならどうせ33万払うんで」みたいな話になってくるんですよ。広告とかのフックとしては良いと思うんですね。でも、そこまで決めてるんだったらシミュレーションまでやるって決めてるんだったら、それはもう買うときなのでみたいな感じ。実際は買われないみたいな行動が、ただただ複雑になっちゃった。本当によほど要望があった場合はこう出せるようにはしてるんですけれども、基本的にメニューは出さない。そういうのは、確かに「それっぽい」けど。「あなた実際買うんですか?」みたいなのも良くないですね。そう言ったら買いますよって絶対言うんで。これが意味がないってことだと思うんですよね。あともう1個のわかりやすい話で僕は好きなのはiPhoneもユーザーヒアリングを間違ってやってたら生まれないよねって話聞いて、ユーザーに「何が欲しいですか」「どういうのが良いですかね」っていろんな話が出てくると思うんですよ。こういうボタンをつけた方がいいとか、初期のiPhoneってボタンもなかったし少なかったしっていう状態じゃないですか。あれはやっぱりユーザーヒアリングだと出ないよねっていうのがよく例えに出ます。
スタートアップはアンケートを選ぶのは不適切かもしれない
Nishino:アンケートしないみたいなのも大事。初期はアンケートしがちじゃないですか。よく言われるのがヒアリングって探すのまず大変じゃないですか、そんなペルソナを。実際あかりさんが何か商品開発してみてじゃあこのヒアリング100人にしてみてって、結構うわってなりません?
Akari:なります。どうやって集めるんだろうみたいな。
Nishino:10人でも結構大変じゃないですか。日程調整してみたいな。そこで大体思いつくのがこれアンケートでいいんじゃないですかみたいな。アンケートだと100人で解決ですよね。でもこれは全然だめで、なぜだめかっていうと逆にアンケートが有効な場合はどういう時かっていうと、大規模なアンケート。大企業がやるような何億円か突っ込むことが確定してみたいなとき、できてるときは本当の意味で最初からマスを狙うみたいなものだったら世論調査みたいな感じで必要だったりするんですね。なんですけれども結構段階が違うってことですねフェーズが。0→1のフェーズっておいては、こちらも固まってない状況なのでアンケートは不要だという風に思ってます。アンケートで大勢のふわっとしたものよりもむしろN1、N2とかのファクトっていうところをちゃんと集めましょうっていう。だいぶソリューションが絞れてるって段階で実際にどっちが動くのかみたいなそういうABテストみたいなときはいいと思うんですけど。そもそもソリューションを開発するってときは徹底的にヒアリングしてそれをもう1時間くらい時間かける。だからできるだけ対面のほうがいいですね。なぜなら本音がわかる。ホントっぽいってことを言ってたのか、それっぽいことだったのか。
Akari:一個気になったのが、色々聞けば聞くほど色んな声が集まると 思っていて。とは言えなんかプロダクトの支援みたいなとこあるじゃないですか。自分が本当に欲しいと思っているものを作ればそれに共感してくれる人がいる。でも逆に自分がえ、これ別にいらなくね?みたいな。
Nishino:2つあって欲しいものと作りたいものは絶対違うと思うんですよ。自分が作りたいものだとしたら失敗するし、たまたま合う場合もあるんだけど、いまのあかりさんが言っている話はどっちなのかが分からなかったから、それ次第かなと思っていて。自分が本当に欲しいものだったらいいと思う。例えば僕だったら、教育アプリ作りたいみたいな話だと、本当に欲しいんだけれども、でも作りたいも入っちゃってたりとか。知り合いのケースだとトバログさんって方がいるんですけど、自分が作ったやつとかは自分が絶対欲しいやつ、タイプスティックスという最近ショートとか撮ってるんですけど、これはMacの上にキーボードを乗せたいっていうニーズがある んですよ、一部の界隈からすると。物理キーボードを乗せたいという時にこうしたいんだけど、普通に乗せるとキーボードがタイプされちゃうんじゃないですか。それがすごいストレスだったと。なのでこういう台座みたいなやつを乗せることで回避するみたいな。底上げすることで回避するみたいなソリューションがあります。これとかは作りたいではなくて欲しいものですよね、完全に。ないと困るみたいなものなので、明確に負があるものはめちゃくちゃ売れてるらしい。なんかこういうここまで自分が困ってて欲しいものだと多分そこには広がっているみたいな話だと思うんですけど。だいたい話を聞くと僕もそうなんですけど、やっぱり作りたいソリューションがアプリに なっちゃうじゃないですか。多分さっきのトバさんのやつだったら何でもいいんですよね、ソリューションは。そしたらアレに行き着いたって話だと 思うんですけど。どういうドリブンであるかというのは多分大事だと思いますね。だいたいソリューションドリブン。例えばあかりさんだったらもう何か気づいたら作れるものになってるとか、例えば化粧品で何とかするとかだったら薬がいいはずなのにみたいな。なんかこうなればいいのにとか、これが解決すればいいのにって、本当にそれが課題なんだとしたら。なんかそこまではできないからサプリメントでとか化粧水で。
Akari:たしかに。それはあるかもしれないです。そういう感じでちょっとでも作れるもの作りたいものみたいなところが入っちゃうと何も刺さらないってありがちな気がしますね。
Nishino:やっちゃいがちです。でもそういうのピュアになくやれるんだったらそれが一番いいと思います。自分を深掘ってみる、自分がどういう行動をするのかというのを徹底的に考えてやるというのは、その時代は絶対に悪いことではないと思います。
Akari:ちょっとそれちゃったんですけどユーザーヒアリングは基本的にはファクトを集めるところ、これをやってみたいなと思いました。
Nishino:結構大変なんですよね、ユーザーヒアリング。1個目の関門がやっぱりペルソナが見つからないという課題があると思うんですよ。例えば僕だったら教育系をやってたので、教育系に関係ある人を集めてくださいという話になる。でもそこで今間違いなく言えるのは、そんな人が探せない。ほんとに 欲しい人いるのかっていう話。先に販売するってことを言ったらその人たちを買ってもらわないといけないという、そのハードルを越えられない。そういう意味でもユーザーヒアリングがちゃんとできているかどうかっていうのは成功確率はその意味でも変わるのかな。
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まとめ
Akari:今日はユーザーヒアリングのコツというところで、まとめると2つ。まず1つ目が「回答を聞きに行かない」。「ユーザーヒアリングは探偵である」
って西野さんもおっしゃっていたと思うんですけど、ファクトを集めていく、どう行動してるのかだったり事実を聞いていく。あとは特にアンケートやりがちだけど、でもそれって最終確認みたいな。大手の人達がやることであってスタートアップがやるところであって適切ではないかっていうところだったと思うので基本的にはちゃんと地に足つけてひとりに向き合うことが大事なんだなと思いました。
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