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#47 【失敗事例】ユーザーヒアリングの落とし穴

2024年5月29日、Podcast番組「Oh my week」第47回を配信しました。
今回は「【失敗事例】ユーザーヒアリングの落とし穴」についてお話ししました。
↓AIによる文字起こしは下にあります。

西野誠 / にしのまこと
株式会社Oh my teeth 代表取締役CEO 1994年生まれ。学生時代に物流スタートアップ「オープンロジ」にて創業期を経験。新卒でワークスアプリケーションズに入社し、大規模基幹システムの開発業務に従事。2019年10月、株式会社Oh my teethを共同創業。Onlab21st優勝。ICC D2Cカタパルト2022優勝。ICC DXカタパルト2024優勝。Forbes NEXT100 2024選出。

Nishino:おはようございます!Oh my teeth代表のNishinoです。

Akari:Akariです!Oh my weekは1週間で見つけた「Oh!」な出来事・トピックを緩く掘り下げビジネスや日常のヒントを探っていく番組です。はい、水曜日おはようございます。西野さん週末大阪に行かれていたということで、今日はそのお話を聞きたいです!

Nishino:はい!金曜日の夜に夜行バスで行って朝に着いて、サウナ行ってっていう感じで。「やっぱ夜行バスいいな〜」って改めて思いました。笑  以前のポッドキャストで、「夜行バスは最高の移動手段」っていうのを熱く語っているので聞いてもらえたらなと思いますが。

何しに行ったかというと関西の学生の焼肉会 インターン説明会を兼ねた焼肉会っていうのを4月にやったんですよ。熱い学生さんが結構集まってくれたってこともあって、今月もやりたいなというので開催してきました。

Akari:どうでしたか?どんな学生が集まりましたか?

Nishino:今回は12人参加!!

Akari:おお、すごいですね!

Nishino:そう、12人参加!前回5人だったんですけど。

Akari:倍になってますね笑

Nishino:そうそう、倍になるみたいな感じでそうなんですよ。インターン説明会と言っても、一方的に説明するっていうよりかはどちらかというと学生さんがどういうことに興味があってとか、どういうことを目的でインターンをしたいのかっていうところを聞けるのがいいかなと思っています。どういう軸で就活してるのかとか幅広く学生について知りたいなっていう思いもあったので、自由に質問とかをお互いし合ってたみたいな感じでした。

Akari:今回大阪で参加した人たちっていうのは、Oh my teethのインターンではなく、Oh my teethとかNishinoさんに興味ありますみたいな人たちが集まったのですか?

Nishino:そうです。それこそ先月の焼肉会で、1人Oh my teethにジョインしてくれた方がいるんですよ。

Akari:はい。

Nishino:それで、その方は「もっと話を聞きたい人とか絶対いるはずだから、ちょっと集めてみます!」って提案いただいて。

Akari:そうなんですね〜。

Nishino:そうそう。今回は僕が集めたわけではなくて、そのジョインしてくれた方が自由に集めてくださったという。

Akari:へー、じゃあ新生インターン生がインターン生の方を集めてきたって感じなんですね。面白いです。どんな学生がどういうお話をしていたんですか?

Nishino:2つの側面があって、1個は原体験。「何でこうやれてるんですか」みたいな。もう1つが教育系の方も多かったので「割と教育業界ってなかなかテクノロジーがめちゃくちゃ入りきってるか」とか「新しい考え方が入りきってるか」っていう話。どちらかというと守りの部分も大きいと思ったかな。でも大事だと思うんですよ、教育って。ころころアップデートされるのが良いとも限らないところもあるし、それが歯科業界にもちょっと似てるっていうところもあると思ってます。医療とか教育とかは基盤になるものだから、似たような業界においてどういう風にちょっとずつ変えていったのかみたいな話。「そういうところに挑戦するっていうのは苦労されましたか?」とかね。

Akari:へー。

Nishino:結論は、いろんな話があった中で皆さん悩まれているように感じたのはユーザーヒアリングとかその課題の深掘りみたいなところです。
「インタビューとかしてリリースしたけど使ってもらえません」とか、「いまいちフィットしてないんですよね」って話がありました。その時に、「そういうことありましたか?また、コツとかありますか?」っていう話は何人かされました。

Akari:Oh my teethは、めちゃくちゃユーザーヒアリングしてるって話をしてましたよね。

Nishino:まさに!それもあって、「やっているんですけど、なんか手応えがない…」という相談がありました。結論お答えしたことは一個で、「ヒアリングは意見を聞いちゃいけません」みたいな話をしました。

Akari:おー。

Nishino:「あくまで事実というか、ファクト集めるための場であって、意見を聞いたりとか答えを聞いちゃダメです」みたいな話を、僕も聞いたことがあるし意識してることなので。それを伝えたら、「いろんな話した中でそれが一番納得しました!」みたいな、それ意識してみましょうみたいなことを言ってくださったので、こういう場でもお話できたらなと思いました。

Akari:はい。意見を聞いちゃいけないというのは、ファクトとは具体的にどう違うんですか?

Nishino:ありがとうございます。
まず「問題解決の方法」。よく探偵とかに例えられると思うんですけど、探偵の課題とか解決すべきソリューションっていうのが犯人だとするじゃないですか。

Akari:はい。

Nishino:問題解決をする人っていうのも探偵であるっていうことを書かれてて。そう考えたときに、今皆さんがやってることは探偵なのにユーザーに直接容疑者とか直接「あなた犯人ですか?」とか「誰が犯人ですか?」とかを聞き回ってるみたいな。

Akari:あーなるほど笑

Nishino:そう。これがビジネスにおいては、例えばこのアプリがなかった世界観だとしたら何をしてますか、とか実際どういうアプリで世の中を良くしようとかサービスをリリースするわけじゃないですか、でも今はないということは何かしら代替手段があったりとか、何か別の行動を絶対に取ってるはずだと思うんですよ。例えばGoogleマップがなかったら紙の地図を読んでますとか。それがファクトじゃないですか。そういうファクトを 集めることに徹して、「どうしたらいいと思いますか?」「どういうアプリがあったらいいと思いますか?」とかを聞かない。

何よりも人は本当に欲しいものを理解してないことが多いという前提がまずあります。有名な話ですけど iPhoneって今こんなに売れてるわけじゃないですか、世の中で売れたものってだいたい流行ってるものとか売れてるものは一般の方が「これ欲しいです」って言われたものじゃないって話があります。別にみんなが「iPhoneみたいなものが欲しい欲しい」って言ってiPhoneが出たわけではない。みんなそんな新しいもの想像すらできないですもんね。なのに今やってることは、「どんな携帯があったらいいと思いますか?」みたいな感じで、このボタンがあったらいいとか色々聞いてそれを真に受けて作っちゃってるみたいな状態。それでユーザーヒアリングしてるっていう風な状態。

Akari:ユーザーも知ってるものしか意見できないですよね。

Nishino:そうそう、そこの仕事は開発者側とか起業家の仕事なので。それを「ヒアリング何人もしてます」って言って、意外とその中身とか内容のやり方が工夫の余地があるというか、そもそもの考え方を変える必要がある場合もあるなと思っています。それを話したら「確かにそれやってました」みたいな話が出ました。

あともう一個は「アンケートやってます、聞いてます」みたいな。それもいいケースと悪いケースがあって、大体の場合は悪いケースで使っているとう話です。よく言われてる話かもしれないですけど、あくまでアンケートというのは、大体仮説はこれかこれみたいな 。100人とかに聞いて、絶対これに集約されてる時に最後多数決でどれがいいかなとか、どれがフィットするんだろうみたいな時に調査する。定量的な調査においては非常に有効だと思うんですけが、アンケートで欲しいものを調査しちゃってる感じ。なので「その前にやることがあります」という話。

Akari:なるほど。

Nishino:まとめると2つで、1つは「答えを聞きに行かない」っていうことは絶対意識した方がいいなと思ってます。事実とかどういう行動をしてるとか、 要は推測とか意見とかを聞かないってことですね。意見は聞いてメモとかしてもいいと思うんですけど、それがさも正解かと勘違いするのは早いと。 2つ目は「アンケートは基本的にやらない方がいい」と。 アンケートは逃げたくらいに僕は結構思っている。まずはアンケート100人でやるよりも、5人にめちゃくちゃしっかりヒアリングというかインタビューした方が 得られるものもかなり大きいという経験をしてきています。なので、そこを意識すると、このnoteを読んでくださっている方は、何か新しいものを生み出したいとか、新しいビジネスアイドを検証したいという場合はその2つを意識するといいかなと思います。最後に、皆さん聞いたことある話だと思いますが、スタートアップが失敗する一番の原因って何かとか聞いたことあります?

Akari:今の文脈だとなんだろう・・・!

Nishino:今の話に合わせていくと、「そこにない課題を解決してソリューションを出したから」ということです。

Akari:へー。

Nishino:それがなぜ起きているかというと、課題を誤認していたということですよね、「課題じゃないことを課題だと思ってしまっていた」。でもみんな インタビューもしたしアンケートもしたという話をするじゃないですか。それはそれでうまくいく場合もあるんだけど、たまたままぐれだって話になります。

Akari:ユーザーインタビューでズレが起きうるってことなんですね。

Nishino:そう。正しく課題を取れてないまま製品開発に行ってしまったということです。でも、自分が考えたこととか大体の場合はそうなんだと思う。例えば僕の場合で言うとOh my teethの前、割と作りたい先行で教育系のアプリを作った方がいいとおもって「どういうのあったらいいと思いますか?」とか、「こういう課題ありませんか?」とか、割とアンケートみたいな話をインタビューとかでやってしまっていました。

Akari:うんうん。

Nishino:こういう状況ってどういうものがあったらいいでしょうかとか聞いて、「先輩と話せるようになったらいいです」とか「大学の人と話せたら嬉しいです」とかいっぱい言われたんですけど、結局ローンチしても誰も見なかった経験がありました。

Akari:なるほど〜!これは割と耳が痛い話かもしれないです笑
割と日常で起こり得ることだなと思います!

Nishino:これ作りたいっていうのが先行すると意外と課題だと勝手に思いたかったりとかするんですよね。

Akari:はい!絶対に課題があると後付けで課題をつけちゃうときがあります。

Nishino:そうそう笑 それをアンケートで検証すると「97%の人が欲しいと言ってました」とか。課題だと認識してるとか言ってローンチしたら誰も使いませんみたいな。「価格がネックにです」と5人中いたら1人は言うみたいな課題を言っている。だけど、本質的な課題を見つけるまでは開発をすべきじゃないみたいな話です。

Akari:はい、じゃあ今回はこの辺でということで今回もお聞きいただきありがとうございました。 Oh my weekは毎朝8時に配信しております。ぜひぜひYouTube登録、チャンネル登録してお聞きいただけると嬉しいです!

Nishino・Akari:本日もお聞きいただきありがとうございました!!!

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