Debut 25th anniversary interview❻ 気づきを与えてくれたライブ
Interview&Text by Yurie Kimura
❻〜気づきを与えてくれたライブ〜
――2016年5月に全編カバーのライブをやっています。あのライブはどうでしたか。
あのライブはやれてよかったですね。デビュー20周年の流れで、感謝を込めて影響を受けた人たちの曲をカバーしたんですが、俺は歌さえ歌えていればいいんだ、自分が作った曲じゃなくても全然構わないんだと、あの時によくわかりました。そこでひとつラクになれた気がします。
――2014年のインタビューで“音楽をやるには傷付かなきゃダメだ”みたいなことを言っていた洋平くんを思い出します(笑)。
そう(笑)。“幸せの絶頂で別れなきゃダメ!”みたいなところ、ありましたからね〜(苦笑)。そういう問題が自分の中にたくさんあって、そこを今、少しずつクリアしているところだし、その中で“もうラクになってもいいでしょう”と思える度合いが増している気がします。
――「俺は歌になりたいんだ!」と気がついたという2019年11月のライブのことも、少し教えてください。
海外だったらスティングとかボノとかスプリングスティーン、国内だったら浜田省吾さんとか山口洋さんとか、自分が憧れる歌い手はいるんですけど、じゃああんなふうになりたいの? と訊かれるとう〜ん、という感じだったんですよ。
そういうんじゃないんだよな〜って、なんかしっくりきていなかった。で、あのライブ中に「わかった! 俺は歌い手じゃなくて歌そのもの、歌の波動みたいなものになりたいんだ!」って腑に落ちた。
歌とか波動とか、どちらも形のないものだから実際になるのは難しいんですけどね(苦笑)。まあ、聴いてくれた人が元気になってくれたらいい、ということなんでしょうけど。それに気づけたことはすごく大きかったですね。
(❼につづきます)
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